不正競争防止法のあらまし

Last Updated on 2021年1月2日 by

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不正競争防止法とは

不正競争防止法とは、事業者間において正当な営業活動を遵守させることにより、適正な競争を確保するための法律です。

公正な競争を阻害する一定の行為を禁止することによって、適正な競争を確保し、公正な市場を確保するのが目的です。

不正競争行為に対しては、差止の請求や損害賠償請求を認め、さらに一定の場合には刑事罰の適用を定めています。

不正競争行為とは

不正競争防止法によって禁止される主な行為は以下の通りです。

周知表示に関する不正競争行為(2条1項1号)

周知表示に対する混同惹起行為とは、広く知られた商品表示によく似た表示や類似する表示を使用した商品を作り、売るなどして、市場に混同を生じさせる行為です。

著名表示冒用に関する不正競争行為(2条1項2号)

他人の著名な商品表示を、自己の商品等表示として使用する行為です。1号と異なり、混同が生じなくとも違法になります。

模倣に関する不正競争行為(2条1項3号)

他人の商品の形態を模倣した商品を販売したりする行為です。

営業秘密に関する不正競争行為(2条1項4号から10号)

営業秘密を盗んだり、悪用したり、盗ませたりする行為です。

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限定提供データに関する不正競争行為(2条1項11号~16号)

ID・パスワード等により管理し相手方を限定して提供しているデータを不正取得等する行為です。

技術的制限手段に関する不正競争行為(2条1項17号、18号)

技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能を有する装置やプログラムによって、技術的制限手段の効果を妨げることを目的とする装置やプログラムを提供する行為です。

ドメインに関する不正競争行為(2条1項19号)

不正の利益を得る目的または他人に損害を加える目的で、他人の特定商品等表示と同一または類似のドメイン名を使用する権利を取得・保有し、又はそのドメイン名を使用する行為です。

誤認させる行為に関する不正競争行為(2条1項20号)

商品の原産地、品質、製造方法等について、誤認させるような表示をしたりする行為です。

信用を害する行為に関する不正競争行為(2条1項21号)

競争関係にある者の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は、流布する行為です。

代理表示に関する不正競争行為(2条1項22号)

代理権や販売権が消滅したにもかかわらず、総代理店、特約店等の表示を承諾なく継続して使用する行為です。

不正競争行為に対する是正方法

不正競争行為に対する是正方法は次の通りです。

差止請求権(3条)

不正競争行為によって営業上の利益を侵害された、またはおそれのある者が、侵害の停止又は予防を請求することができます。

侵害行為を構成した物、侵害行為によって生じた物の廃棄、侵害行為に供した設備の除却を請求することができます。

損害賠償(4条、5条)

故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の利益を侵害した者は損害賠償の責任を負います。また、損害額の立証の困難性を緩和するために損害額の推定の規定を置いています。

信用回復の措置(14条)

営業上の信用を害された者は、侵害した者に対して、謝罪広告、謝罪文提出などの信用の回復に必要な措置を取らせることができます。

不正競争行為の適用除外

以下のような場合は、不正競争行為に該当しません。ただし、相手方は争うことができるので、安易に判断することはできません。

普通名称等の使用(19条)

商品等について、その商品等の普通名称、又は、同一あるいは類似の商品等に慣用されている商品等表示を普通に用いられる方法で使用し、又は、そのような表示を使用した商品を譲渡したりする場合は、不正競争行為になりません。

慣用表示とは、商品や営業を識別できる印として機能していたものが、同業者間で普通に使用されるようになり、特定の出所を示すものではなくなった表示をいいます。

自己の氏名の使用(19条)

自己の氏名を不正の目的でなく使用するような場合は不正競争行為になりません。

前からの使用(19条)

他人の商品等表示が広く認識される前からその商品等表示と同一、類似の商品等表示を使用する行為等については、不正競争行為とはなりません。また、他人の商品等表示が著名になる前からその商品等表示と同一、似の商品等表示を使用している行為等は不正競争行為になりません

善意取得者(19条)

他人の商品の形態を模倣した商品を譲り受けた者が、その譲り受けた時にその商品が他人の商品の形態を模倣した商品であることを知らず、かつ、知らないことにつき重大な過失がない場合には、その商品を譲渡等を行っても不正競争行為になりません。