労働時間等設定改善法のあらまし

Last Updated on 2021年7月26日 by

労働時間等設定改善法とは

労働時間等設定改善法の正式名称は、労働時間等の改善に関する特別措置法といいます。

この法律に基づいて、国は労働時間等設定改善指針を策定し、事業主等による労働時間等の設定の改善に向けた自主的な努力を促進するための措置を講じます。

事業主の責務

事業主等の責務について、第2条に次のように定めています。

□ 労働者の労働時間等の設定の改善を図るため、業務の繁閑に応じた労働者の始業及び終業の時刻の設定、健康及び福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定、年次有給休暇を取得しやすい環境の整備その他の必要な措置を講ずるように努めなければならない。

□ 事業主は、労働時間等の設定に当たっては、その雇用する労働者のうち、その心身の状況及びその労働時間等に関する実情に照らして、健康の保持に努める必要があると認められる労働者に対して、休暇の付与その他の必要な措置を講ずるように努めるほか、その雇用する労働者のうち、その子の養育又は家族の介護を行う労働者、単身赴任者、自ら職業に関する教育訓練を受ける労働者その他の特に配慮を必要とする労働者について、その事情を考慮してこれを行う等その改善に努めなければならない。

□ 事業主は、他の事業主との取引を行う場合において、著しく短い期限の設定及び発注の内容の頻繁な変更を行わないこと、当該他の事業主の講ずる労働時間等の設定の改善に関する措置の円滑な実施を阻害することとなる取引条件を付けないこと等取引上必要な配慮をするように努めなければならない。

実施体制の整備

労働時間等設定改善委員会の設置について、第6条に次のように定めています。

事業主は、事業主を代表する者及び当該事業主の雇用する労働者を代表する者を構成員とし、労働時間等の設定の改善を図るための措置その他労働時間等の設定の改善に関する事項を調査審議し、事業主に対し意見を述べることを目的とする全部の事業場を通じて一の又は事業場ごとの委員会を設置する等労働時間等の設定の改善を効果的に実施するために必要な体制の整備に努めなければならない。

労働時間等設定改善委員会の委員の5分の4以上の多数による議決によって労使協定に代えることができる項目は第7条に列記されています。

第7条の2では、労働時間等設定改善企業委員会について定めています。

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労働時間等設定改善実施計画

第4章は、同一の業種に属する二以上の事業主が共同して策定する、労働時間等設定改善実施計画について定めています。

労働時間等設定改善指針

平成30年10月30日、労働時間等設定改善指針の一部を改正する件(平成30年厚生労働省告示第375号。)が公示され、平成31年4月1日から適用されています。

全文は厚生労働省ホームページ内「労働時間等の設定の改善」のページに掲載されています。

主要な部分

時間外労働の削減

時間外労働の上限規制の導入を踏まえつつ、労働基準法に基づく指針に基づき時間外労働・休日労働の削減に取り組むこと。

年次有給休暇の取得促進

年次有給休暇の時季指定義務に留意しつつ、計画的な年次有給休暇の取得促進に取り組むこと。

年次有給休暇管理簿を作成した上で、その取得状況を労働者及びその上司に周知すること。

勤務間インターバル

深夜業の回数の制限、勤務間インターバル及び朝型の働き方の導入を検討すること。

労働時間等設定改善企業委員会

労働時間等設定改善企業委員会等による話し合いの機会を設けるに当たっては、その決議に関する特例の活用を図ること。

取引先との関係

特に中小企業等において時間外労働・休日労働の削減に取り組むに当たっては、長時間労働につながる取引慣行の見直しが必要であること。

多様な正社員

労働時間等が限定された「多様な正社員」として勤務する制度の導入に努めること

ボランティア活動

災害を受けた地域の復興支援等におけるボランティア活動や地域活動等の役割の重要性に鑑み、事業主が休暇等に係る制度を設けた場合にはその周知を図ること。

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