元方事業者の講ずべき措置等

Last Updated on 2021年8月23日 by

元方事業者の義務

労働安全衛生法第29条 元方事業者は、関係請負人及び関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反しないよう必要な指導を行なわなければならない。

元方事業者とは、一つの場所で仕事の一部を請負人に下請けさせている注文者のことです。下請け契約が数次にわたる場合は最も先次の契約における注文者で自らも仕事を行う者をいいます。

関係請負人とは、元方事業者の仕事が数次の請負契約によって行われる場合の元方事業者以外の全ての下請負人のことです。全てということなので、元方事業者から直接仕事を請け負った1次下請業者だけでなく、再下請けした2次以下の全ての下請業者をいいます。

労働安全衛生法では、元方事業者に対して、関係請負人や関係請負人に使用される労働者を、労働安全衛生法等の規定に違反しないよう、必要な指導をする義務を課しています。

2 元方事業者は、関係請負人又は関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反していると認めるときは、是正のため必要な指示を行なわなければならない。

元方と下請けは別々の企業なので本来は指揮命令関係にありませんが、請負関係がある場合は、他の企業であっても、労働安全衛生法を守らせるための指示をしなければなりません。

他の企業の従業員に直接指示してはいけないと思い込んでいる人もいるようですが、 安全や衛生に関しては、人命に関わることなので、必要があれば、下請け企業で働く個々の労働者に直接指示する義務があります。

3 前項の指示を受けた関係請負人又はその労働者は、当該指示に従わなければならない。

そして、指示を受けた関係請負人や、その関係請負人の元で働く労働者は、元方事業者の指示に従わなければなりません。

以上は、特定元方事業者を含む、全ての元方事業者に対する義務規定です。

第29条の2 建設業に属する事業の元方事業者は、土砂等が崩壊するおそれのある場所、機械等が転倒するおそれのある場所その他の厚生労働省令で定める場所において関係請負人の労働者が当該事業の仕事の作業を行うときは、当該関係請負人が講ずべき当該場所に係る危険を防止するための措置が適正に講ぜられるように、技術上の指導その他の必要な措置を講じなければならない。

建設業では、土砂崩れが起きるおそれがある場所、機械等が転倒するおそれがある場所等で関係請負人の労働者が従事する場合に、関係請負人に技術上の指導その他必要な措置を講ずる義務があります。

なお、元方事業者のうち、建設業または造船業を行う事業者のことを特定元方事業者といいます。特定元方事業者には、労働安全衛生法第30条も適用されます。

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