Last Updated on 2023年11月22日 by 勝
カツの会社事務入門は、会社の事務担当者を基準に書いているので、公的保険についても手続きが中心で、給付についてはあまり情報を追いかけていません。
今になって、もう1年も前のことなっているので、恥ずかしいのですが、基本手当の給付制限が短縮されていることに気づきました。
雇用保険の保険料を払ってきた人は、失業したときに雇用保険から失業給付をもらえます。
失業している期間に生活費の補填として支給される手当を基本手当といいます。よく失業手当と言いますが、本当は「雇用保険の失業給付の基本手当」です。昔は失業手当という手当があったのですが、名称が変更されました。でも、使っても問題ありません。通じれば良いのです。
さて、その基本手当ですが、失業した日から支給されるものではありません。
まず、ハローワークで求職の申込みをしてから、7日間は支給の対象外です。これを待機期間といいます。
なぜ、待機期間があるのかというと、ハローワークが本当に失業しているのかを確認するための期間だと言われています。であれば、確認がとれたら失業の初日にさかのぼって支給してもよさそうなものですが、そうはなりません。この最初の7日間は無支給です。
待機期間は失業給付を受ける人すべてに適用されます。
待機期間が終わってから、退職理由によって取り扱いが分かれます。
自己都合退職か会社都合退職かの違いです。
会社都合退職の場合は、待機期間が終われば支給が始まります。
自己都合退職の場合は、さらに2か月待たなければなりません。これを「給付制限」といいます。
会社都合退職というのは、倒産とか、工場閉鎖とか、退職勧奨や希望退職に応じた場合の退職です。
自己都合退職というのは、まさに自分の都合で退職した場合です。
悪いことをして解雇された場合は、会社の都合のように思うかもしれませんが、雇用保険では自己都合退職と同じ扱いになります。
なお、自己都合退職と言っても、やむを得ない理由による退職は、会社都合退職と同じ扱いを受けます。いろいろありますが「特定受給資格者」や「特定理由離職者」で検索すればおおよそのことがわかると思います。
自己都合退職に対して行われる給付制限は、令和2年10月1日に、3か月から2か月に短縮されました。
ただし、5年間の間に3回以上自己都合退職した場合は3か月になります。また、重責解雇(雇用保険法上の概念で、労働者が自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇されたこと)の場合も3か月です。
筆者自身、何度も転職経験があるのですが、全部自己都合退職でした。3か月は本当に長いです。あまり長いのでいずれも基本手当を受給する前に仕事が決まってしまいました。なので、基本手当は受給できませんでしたが、その代わり、再就職手当をもらいました。この度、給付制限が2か月に短縮されたのは良いことだと思いますが、それでも長いです。ずっとずっと前は1か月だったそうなので、いずれそこまで戻ればよいですね。
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