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労働基準法 労働災害

年少者の危険有害業務

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危険有害業務の就業制限

18歳未満の者を、危険な作業、有害な業務、重量物を取り扱う業務に就業させることが禁止されています。

労働基準法第62条
使用者は、満18才に満たない者に、運転中の機械若しくは動力伝導装置の危険な部分の掃除、注油、検査若しくは修繕をさせ、運転中の機械若しくは動力伝導装置にベルト若しくはロープの取付け若しくは取りはずしをさせ、動力によるクレーンの運転をさせ、その他厚生労働省令で定める危険な業務に就かせ、又は厚生労働省令で定める重量物を取り扱う業務に就かせてはならない。

18歳未満の者を安全、衛生、福祉に有害な業務に就業させることが禁止されています。

2 使用者は、満18才に満たない者を、毒劇薬、毒劇物その他有害な原料若しくは材料又は爆発性、発火性若しくは引火性の原料若しくは材料を取り扱う業務、著しくじんあい若しくは粉末を飛散し、若しくは有害ガス若しくは有害放射線を発散する場所又は高温若しくは高圧の場所における業務その他安全、衛生又は福祉に有害な場所における業務に就かせてはならない。

禁止業務の例

18歳未満の者の就業が制限・禁止されている危険有害業務には次のようなものがあります。

□ 重量物の取扱いの業務
□ 運転中の機械等の掃除、検査、修理等の業務
□ ボイラー、クレーン、2トン以上の大型トラック等の運転又は取扱いの業務
□ 深さが5メートル以上の地穴及び土砂崩壊のおそれのある場所における業務
□ 高さが5メートル以上で墜落のおそれのある場所における業務
□ 足場の組立等の業務
□ 大型丸のこ盤又は大型帯のこ盤に木材を送給する業務
□ 感電の危険性が高い業務
□ 有害物又は危険物を取り扱う業務
□ 著しくじんあい等を飛散し、又は有害物のガス、蒸気若しくは粉じん等を飛散する場所又は有害放射線にさらされる場所における業務
□ 著しく高温若しくは低温な場所又は異常気圧の場所における業務
□ 酒席に侍する業務
□ 特殊の遊興的接客業(バー、キャバレー、クラブ等)における業務

この他にも多数規定されています。具体的な内容は、e-Gov内「年少者労働基準規則」を参照してください。

重量物について

次の表に掲げる重量から禁止業務になります。

単位:キログラム

年齢性別断続作業継続作業
満16歳未満12
同上1510
満16歳以上18歳未満2515
同上3020

ただし、上記の基準を守っても、結果的に腰痛などの支障があれば安全配慮義務に欠けることになりかねません。個人差も考慮して作業量を決める必要があります。

坑内労働の禁止

労働基準法第63条
使用者は、満18才に満たない者を坑内で労働させてはならない。

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労働災害

使用者の災害補償について

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労働基準法による補償義務

労働者が業務上の事故等でケガや病気になったときは、使用者は、療養補償や休業補償、遺族補償などを行わなければならないと労働基準法に定められています。

療養補償
労働基準法第75条 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかつた場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない。

休業補償
第76条 労働者が前条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の百分の六十の休業補償を行わなければならない。

障害補償
第77条 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり、治つた場合において、その身体に障害が存するときは、使用者は、その障害の程度に応じて、平均賃金に別表第二に定める日数を乗じて得た金額の障害補償を行わなければならない。

休業補償及び障害補償の例外
第78条 労働者が重大な過失によつて業務上負傷し、又は疾病にかかり、且つ使用者がその過失について行政官庁の認定を受けた場合においては、休業補償又は障害補償を行わなくてもよい。

遺族補償
第79条 労働者が業務上死亡した場合においては、使用者は、遺族に対して、平均賃金の千日分の遺族補償を行わなければならない。

葬祭料
第80条 労働者が業務上死亡した場合においては、使用者は、葬祭を行う者に対して、平均賃金の六十日分の葬祭料を支払わなければならない。

なお、一定の条件を満たせばそれ以上の補償を免じられる打ち切り補償という制度があります。
打切補償について

労災保険の役割

上記のように、事業主に対して、労働基準法は労働者や家族に一定の補償を行うよう義務づけていますが、事業主に資力が無くて補償がされないことも考えられます。

そのような事態が生じないように、国が事業主から保険料を徴収して、労働者に直接補償を給付する労働者災害補償保険が施行されています。

労働者が労災保険法に基づいて補償を受けられる場合には、使用者は労働基準法の災害補償義務を免れることになります。

通勤災害の場合

条文に「業務上」とあります。通勤途上で労働者が災害を被った場合には、業務上ではないので、使用者には労働基準法上の災害補償責任がありません。

ただし、通勤災害についても業務災害の場合に準じて労災保険の給付を受けることができます。

暫定任意適用事業

農林水産の事業のうち下記の事業は、労働保険に加入するかどうかは事業主の意思やその事業に使用されている労働者の過半数の意思にまかされています。

1.労働者数5人未満の個人経営の農業であって、特定の危険又は有害な作業を主として行う事業以外のもの
2.労働者を常時は使用することなく、かつ、年間使用延労働者数が300人未満の個人経営の林業
3.労働者数5人未満の個人経営の畜産、養蚕又は水産(総トン数5トン未満の漁船による事業等)の事業

これらの事業所が任意加入の申請をしていないときは、その事業所で働く労働者は労災保険による補償が受けられないことになります。

暫定任意適用事業の事業所において、労働者が万一業務上の災害で傷病を被ったときは、労働基準法の規定により、事業主が直接に補償責任を果たなければなりません。
労働保険の暫定任意適用事業

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打切補償について

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打切補償とは

仕事を原因として負傷し、又は疾病にかかった従業員に対しては、労働基準法第75条の定めにより、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければなりません。

この規定により、長期にわたって負担をしなければならないことがありますが、この補償義務を一定の期間後に一定の支払をすることで免除するのが「打切補償」です。

労働基準法第81条
第75条の規定によつて補償を受ける労働者が、療養開始後3年を経過しても負傷又は疾病がなおらない場合においては、使用者は、平均賃金の1200日分の打切補償を行い、その後はこの法律の規定による補償を行わなくてもよい。

e-Gov法令検索 2020/08/16

平均賃金の1200日分

平均賃金は、その従業員が休業を開始する直前の賃金締切日からさかのぼって3ヶ月間に支払われた給与の総額(賞与などを含まない額)をその3ヶ月間の総日数で割って1200をかけた金額になります。

平均賃金

実際に平均賃金の1200日分を計算すると、仮に月給40万円の従業員であれば約1600万円になります。当該労働者が労災保険から傷病補償年金の支払いを受けている場合は、この1200日分を実際に支払う必要はありません。

解雇制限との関係

業務上負傷し又は疾病にかかつた労働者が休業している期間とその後30日間は、解雇できないという労働基準法の定めがあります。

使用者が打切補償を支払った場合は、上記制限期間に該当しても解雇制限が除外されます。

解雇制限について

打切補償を支払って解雇する場合でも、30日前の解雇予告か解雇予告手当は、打切補償とは別に支払う必要があります。

解雇予告と解雇予告手当

労災保険給付との関係

使用者が費用負担せず、労災保険が適用されて労災保険から治療費が出ている場合も打ち切り補償をすることができます。

労災保険から傷病補償年金が支給されている場合は打切補償が支払われたものと同視されます。

ただし、傷病補償年金が支給されるのは労災保険に定める3級以上というかなり重い障害の場合のみです。

障害の程度が軽微な場合は、傷病補償年金ではなく、障害補償年金や障害補償一時金の対象になりこの給付は打切補償とは同視されません。解雇するには1200日分の打切補償の支払が必要です。

ただし、障害補償年金や障害補償一時金は病気やけがの治療が一通り終わった後に支払われるものなので、通常、休業期間は終わっています。

打切補償と退職金

退職金は、在職中の賃金の後払いの性格があり、また、在職中の功労に報いるための賃金なので、打切補償と別に考えなければなりません。

退職金制度を設けている会社では打切補償を支払うことによって従業員を解雇する場合、退職金と打切補償はそれぞれ支払う必要があります。

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労働災害 福利厚生

労災上乗せ保険について

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労災上乗せ保険とは

従業員が業務中に病気やケガをしたときには、政府が運営する労働者災害補償保険(労災保険)によって災害補償が行われます。

しかし、労災保険がカバーしてくれるのは、損害の全てではありません。

従業員が被災した時に「労災保険が適用できるならそれでよいのではないか」と思っている経営者も少なくありません。

確かに会社に全く落ち度がない事故等であれば、見舞金程度で済むかもしれません。

ところが、

労働災害が起こった原因が、会社に何らかの不手際があるなど、会社の責任を問えるような場合には、従業員や遺族が会社に対して損害賠償を請求することがあります。

そして、そのような損害賠償請求は増えています。

そうした損害賠償金は、労災保険だけではカバーしきれないので、不足の分は会社が支払わなければなりません。場合によっては巨額になることがあります。

そのようなリスクに備える保険が、労災上乗せ保険です。

労災上乗せ保険の一般的内容

労災上乗せ保険は、労災保険だけではカバーしきれない補償範囲をカバーしてくれます。

強制加入である政府の労災保険は自賠責保険のようなもの、労災上乗せ保険は任意保険のようなもの、と考えてもよいでしょう。

日頃の管理が簡単

労災上乗せ保険には、契約時に名簿を書いて提出する必要がない、無記名方式の保険が多くあります。

人の入れ替わりが多い事業場でも、掛け忘れがなくて安心です。同じ作業現場でも日によってメンバーが替わる建設現場などでは、無記名方式の保険がとても役に立ちます。

従業員の福利厚生になる

企業が労災上乗せ保険に加入すれば、万一のときに労災保険以上の補償があるので、従業員に対する福利厚生が充実することになります。

保険料は損金処理できる

会社が払う労災上乗せ保険の保険料は、全額を損金として処理をすることができます。

労災上乗せ保険は、労働災害総合保険など、いろいろな名称で、損害保険会社から発売されています。

上乗せ保険を導入したときの規程例

法定外補償給付規程

第1条 会社は、労災保険給付以外の災害の補償及び損害のてん補の目的で、会社が認定した範囲で法定外補償給付を行う。

2 前項の規定にかかわらず、次の場合には法定外補償給をしないか、制限することがある。

(1)従業員が、悪意、故意、過失もしくは自由意志の仲介によって死亡、または傷病にかかった場合、あるいは傷病の程度を増進させ、もしくはその回復を妨げた場合は法定外補償給をしないか、制限することがある。
(2)災害が第三者の行為によって生じた場合の保険給付は、加害者からの損害賠償及び補償を受けることを先にし、その限度において法定外補償給をしないか、制限することがある。
(3)法定外遺族補償を受けるべき者の受領代表者は、相続人たる遺族であり、かつ保険給付の遺族補償受給権限者とする。ただし、その受給権者に支給することが不適当であると会社が認めた時は、その遺族の受領代表者を変更し、または遺族以外の者に支給することがある。
(4)従業員または遺族は、法定外補償給付を受ける権利を譲渡することはできない。

(任意保険への加入)
第2条 会社は、本規程による法定外補償給付をなすため、任意保険の加入手続きを行うものとする。

(給付内容)
第3条 本規程による保険給付、法定外補償給付の種類、内容、支払期限・免責、支払時期、保険代位、各保険の発行時期等については、労働基準法及び労災保険法、および任意保険制度の各法令、約款の定めるところによるものとする。

(各種保険、共済手続きへの協力)
第4条 従業員は、本規程による任意保険に関する保険加入手続及び保険金の請求・変更手続に関し、会社の求めに応じ、所定の届出書、請求書等の作成を会社に委任し、またはそれらの作成に協力するものとする。

(法定外補償給付の損害賠償との関係)
第5条 法令による災害補償、第4条に規定する法定外補償給付は、民法による民事賠償と相互に関連するものとし、それぞれの補償あるいは保険給付の全ては、同一の傷病理由についての遺失利益、慰謝料及び療養諸費等の負担の一切に含むものとし、その補償及び保険給付等のすべての価額の限度において民法の損害賠償等の責めを免れる。

2 前項の災害補償・法定外補償給付の合わせた額が、同一の理由に基づく損害賠償額を超えるときは、会社はその超える額については、当該災害の他の損害に充当する。

附則 この規程は令和〇年〇月〇日から実施する。

就業規則に根拠規定が必要です。
災害補償|就業規則

実際に法定外補償給付についての規程を作成する際は、保険契約を締結する保険会社と協議して、作成してください。

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労働災害

労災保険の特別加入

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労災保険の特別加入とは

労災保険が適用される条件を満たさない人のうち、適用されるのが妥当と考えられる一定範囲の人に、特別に労災保険への加入を認める制度です。

特別加入することができる者の範囲により、次の4種があります。​

□ 中小事業主等の特別加入
□ 一人親方等の特別加入
□ 特定作業従事者の特別加入
□ 海外派遣者の特別加入

特別加入のメリット

個人事業主等が労災保険に特別加入するメリットは、労働災害にあったときに、労働者並みの保護を受けられるという点です。

治療が自己負担なしで受けられ、労働ができない場合の休業補償給付や、障害が残った場合の障害補償給付があり、万が一死亡した場合は、遺族に対して遺族補償給付を受けることができます。

労災保険の給付

中小事業主等の特別加入

他の従業員と同様の業務に従事している中小事業主が対象です。労働保険事務組合への加入などが要件になります。中小企業とは、常時使用する労働者が、小売等で50人以下、卸サービスで100人以下、その他の事業で300人以下です。

労働者を通年雇用しない場合であっても、1年間に100日以上労働者を使用している場合には、常時労働者をしているものとして取り扱われます。

事業主の家族従事者や、代表者以外の役員なども加入できます。

特別加入の要件

□ 雇用する労働者について、労災保険の保険関係が成立していること
□ 労働保険の事務処理を労働保険事務組合に委託していること

特別加入の手続き

労働保険事務組合を通じて、特別加入申請書(中小事業主等)を所轄の労働基準監督署長を経由して労働局長に提出します。

一人親方等の特別加入

一人親方等とは

特別加入することができる一人親方等とは、次の1~7の事業を、常態として労働者を使用しないで行う者です。

1.自動車を使用して行う旅客又は貨物の運送の事業(個人タクシー業者や個人貨物運送業者など)
2.建設の事業(土木、建築その他の工作物の建設、改造、保存、原状回復、修理、変更、破壊もしくは解体又はその準備の事業)(大工、左官、とび職人など)
3.漁船による水産動植物の採捕の事業(7に該当する事業を除きます。)
4.林業の事業
5.医薬品の配置販売(医薬品医療機器等法第30条の許可を受けて行う医薬品の配置販売業)の事業
6.再生利用の目的となる廃棄物などの収集、運搬、選別、解体などの事業
7.船員法第1条に規定する船員が行う事業

労働者以外の者で、その事業に従事している家族従事者も特別加入できます。

また、労働者を使用する場合であっても、労働者を使用する日の合計が1年間に100日に満たないときには、一人親方等として特別加入することができます。

特別加入の要件

一人親方等の団体(特別加入団体)​の構成員であることが必要です。一人親方等の団体を事業主、一人親方等を労働者とみなして労災保険の適用を行います。

特別加入の手続

特別加入団体を通じて、特別加入申請書(一人親方等)を、所轄の労働基準監督署長を経由して労働局長に提出します。

特定作業従事者の特別加入

特定作業従事者とは

特定作業従事者とは、次のいずれかに該当する方です。

□ 特定農作業従事者
□ 指定農業機械作業従事者
□ 国又は地方公共団体が実施する訓練従事者(職場適応訓練従事者、事業主団体等委託訓練従事者)
□ 家内労働者及びその補助者
□ 労働組合等の常勤役員
□ 介護作業従事者及び家事支援従事者

特別加入の要件

特定作業従事者の団体(特別加入団体)の構成員であることが必要です。

特別加入団体を事業主、特定作業従事者を労働者とみなして労災保険の適用を行います。)

特別加入の手続

特別加入団体を通じて、特別加入申請書(一人親方等)を所轄の労働基準監督署長を経由して労働局長に提出します。

海外派遣者の特別加入

海外に派遣者されて業務に従事する人が対象です。海外派遣者の手続きは派遣元の団体または事業主が行います。

海外勤務者の労災保険