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  • 勘定科目の解説

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    あ行

    預り金

    流動負債である。
    他に支払うとか返還するために、一時的に預かっているお金である。
    例えば、税務署に支払うために従業員から天引きした所得税である預り源泉所得税や、入札時に差し入れておく入札保証金などがある。
    仕訳例は、(借方)現金など(貸方)預り金

    印刷費

    販売費一般管理費(経費)である。
    印刷会社に依頼した印刷物の代金である。
    最近はパソコンやワープロの普及でほとんどの書類は社内で作るようになったが、その費用は「事務費」に計上する。パンフレットなどの印刷代は「宣伝広告費」で計上する。
    仕訳例は、(借方)印刷費(貸方)現金など

    受取手形

    流動資産である。
    会社が受け取った手形は、約束手形も為替手形も同様に受取手形勘定に計上する。
    なお、手形を手元に置いてあっても金にならないので、1週間くらい前までに銀行に取り立て依頼をしなければならない。
    仕訳例は、売掛代金を手形で受け取ったとき。
    (借方)受取手形(貸方)売掛金
    手形期日に入金されたとき。
    (借方)当座預金(貸方)受取手形
    (借方)手数料
    手形を割引(期日前に銀行に持ち込んで現金化する)したとき。
    (借方)当座預金(貸方)受取手形
    (借方)支払利息または支払割引料

    受取利息

    営業外収益である。
    預金をした場合につく金利である。
    預金以外にも、国債や社債の利息もある。
    仕訳例は、(借方)当座預金(貸方)受取利息

    売上高

    販売したらその金額を「売上高」に計上すればよいのだが、厳密にいうと、いつ売上を上げるか、値引きや返品の処理をどうするかなど問題は多い。ある売上を当期のものになるかどうかで、税金まで違ってくる。したがって、その時その時でやり方を変えては、経理処理に信頼性がなくなる。会社の実状を点検して最も適した基準を選択して、継続して適用しなければならない。基準には、出荷した日を基準とする「出荷基準」・相手に渡した日を基準とする「引渡基準」・相手が受け入れを承認した日を基準とする「検収基準」などがある。
    仕訳例は、現金売上のとき。
    (借方)現金(貸方)売上高
    掛けで販売したとき。
    (借方)売掛金(貸方)売上高

    売掛金

    流動資産である。
    通常の取り引きで商品や製品を販売したとき、相手から支払を受ける権利のある代金のことを売掛金という。
    売掛金をいつ支払ってもらえるかは、事業にとって一番大事なことである。約束が明確でないと、品物を渡しながら代金が入らないという事態になる。取引を開始する前に必ず代金の支払条件を取り決めなければならない。
    仕訳例は、販売のとき。
    (借方)売掛金(貸方)売上高
    回収したとき。
    (借方)現金または受取手形など(貸方)売掛金

    運賃

    販売費一般管理費(経費)である。
    商品の運搬・配達のための費用である。
    仕入に伴う運賃は「引取運賃」といって売上原価に計上する。郵便小包で送る郵送料は、たとえ切手を買って貼っても「通信費」ではなく「運賃」である。自家用車で配達している場合の費用を「運賃」とするか、「車両費」とするかは会社の判断であるが、一貫して適用しなければならない。
    仕訳例は、(借方)運賃(貸方)現金など

    営業外雑収入

    営業外収益である。
    金額的に重要なものは、独立の名称の科目とするが、小額のものはまとめて「営業外雑収入」として計上する。これは、その他のものという意味があるので、雑費などと同様に多くなる事には問題がある。
    仕訳例は、(借方)現金など(貸方)営業外雑収入

    か行

    買掛金

    流動負債である。
    通常の営業活動で発生した、取引相手に払わなければいけない債務を計上する。いつ買掛金に計上するかの基準を決めて、継続して適用しなければならない。基準には、商品が入った時点で計上する「納入基準」・商品を確認した時点で計上する「検収基準」・支払う時点で計上する「支払基準」などがあるが、会計的に妥当とされるのは「検収基準である」。正しく支払うことが商売の信用を高めるので、取引条件を事前に取り決め、約束をしっかり守ることが大事である。
    仕訳例は、商品を仕入れたとき。
    (借方)仕入高(貸方)買掛金
    支払いをしたとき。
    (借方)買掛金(貸方)当座預金など
    仕入先に対し、売掛金を持っていて相殺するとき。
    (借方)買掛金(貸方)売掛金

    会議費

    販売費一般管理費(経費)である。
    社内の会議や取引先との打ち合わせにかかった費用を計上する。
    問題になるのは、食事などを提供した場合である。仕事に関連して、会議としての実体があり、食事をだす必然性があり、その費用が常識程度のものであるときは「会議費」として処理できるが、「接待交際費」と判断すべきときもあるだろう。会議とは名ばかりの懇親会であったり、ごちそうが出るようでは「会議費」では処理できない。税務的には、本当の会議であったのか説明が必要になることもあるので、会議の配布資料や会議の模様の写真などを整理・保存しておくのがよい。
    仕訳例は、(借方)会議費(貸方)現金など

    会費

    販売費一般管理費(経費)である。
    外部の会に所属するときに支払う会費を計上する。
    第一の問題は、仕事上必要なものであるのか、本来は個人的に入会すべき会ではないのかということがある。ボランティア団体など、本来社長が個人的に負担するべき費用を、会社が負担していることがある。これは「役員賞与」に該当する場合がある。第二の問題は、会の方で剰余金が発生していないかどうかである。もしその会が剰余金を持っていれば、支払った会費は全額を経費とすることができない。
    仕訳例は、(借方)会費(貸方)現金など

    貸倒引当金

    流動資産の控除分として、流動資産の部にマイナスで計上する。
    商売には貸し倒れの危険が付きまとっている。それに備えて貸し倒れ推定額を計上するものである。
    貸倒引当金は、推定額を計上することができれば一番良いが、税法上の制約があり、税法の限度額で計上するのが普通である。
    仕訳例は、(借方)貸倒引当金繰入損(貸方)貸倒引当金
    なお、貸倒引当金繰入損は営業外費用である。

    仮払金

    流動資産である。
    詳細な使用区分や金額が未定なまま出金した金額を計上する。
    出張や物品の現金購入などの際に概算払いすることがある。性質上、精算の時期が恣意的になりがちであるので、処理手続きを事前に定めておきできるだけ早く精算されるようにしなければならない。
    仕訳例は、概算払いをしたときに。
    (借方)仮払金(貸方)現金
    精算をしたときに
    (借方)確定した科目(貸方)仮払金

    給料手当

    販売費一般管理費(経費)である。
    給料や賞与を計上する科目である。
    細分化して、役員に払う「報酬」、正社員の「給料」、正社員の賞与である「手当」、アルバイトやパートの「雑給」などに区分してもよい。
    仕訳例は、(借方)給料手当(貸方)現金など

    減価償却費

    販売費一般管理費(経費)である。
    時の経過で、物の値打ちが減っていくが、その金額を推定して計上する科目である。
    減価償却は、計上金額について税務上の制約がある。固定資産の中でも土地や書画骨董・貴金属でできている道具などように価値が減じないと考えられているものは減価償却できない。
    仕訳例は、(借方)減価償却費(貸方)減価償却引当金
    直接固定資産から控除する場合は、(借方)減価償却費(貸方)建物など

    現金

    流動資産である。
    会社が保有するキャッシュのほかに、受け取った小切手も「現金」として取り扱う。
    現金は会社の活動において基本的な要素である。会社の活動は基本的には現金の増加を目的とするものといっても良い。現金は勘定科目の区分としては悩む余地のないものであるが、問題点は間違いや不正の防止の仕組みを、他の科目以上に重視する必要があることである。
    仕訳例は、入金があったとき。
    (借方)現金(貸方)売上高など
    出金したとき。
    (借方)仕入高など(貸方)現金

    広告宣伝費

    販売費一般管理費(経費)である。
    会社の商品やイメージを、広く一般に宣伝するための費用である。
    新聞やテレビへのCM料金、社名入りカレンダー、会社案内のパンフレット、商品紹介のカタログ、試供品、展示会の費用、求人の広告などの費用がある。同じ宣伝でも特定の人に対するもの、例えば取引先を招いて視察旅行をするケースは、広く一般にするものではないので「接待交際費」になる。招待旅行でも、広く一般に宣伝して抽選で招待した場合は「広告宣伝費」である。看板は、耐用年数や金額などからすると、「固定資産」に計上すべきものが多い。
    仕訳例は、(借方)広告宣伝費(貸方)現金など

    さ行

    雑費

    販売費一般管理費(経費)である。
    経費のうち、他の科目に適当なものがない場合、金額が小さいときに、新しく科目を作らずに「雑費」に計上する。
    経費のその他と考えてよいが、その他が大きくなると、財務諸表が適切に内容を表さないことになるので好ましくない。
    仕訳例は、(借方)雑費(貸方)現金など

    仕入高

    販売用の商品の購入金額を計上する科目である。
    棚卸資産(商品)には、仕入れのためにかかった運賃や手数料などの直接諸掛を含めなければならないので、このような費用は経費ではなく、仕入高に計上する。
    仕訳例は、(借方)仕入高(貸方)現金や買掛金など

    支払手数料

    販売費一般管理費(経費)である。
    銀行へ送金依頼をしたときの手数料などである。
    その他に税理士の報酬など外部の専門家に支払う費用も、「支払手数料」として計上する。また、外部の人に報酬を支払う場合は、源泉所得税を控除して、納付しなければならない。
    仕訳例は、(借方)手数料(貸方)現金など
    報酬のとき。
    (借方)手数料(貸方)現金など
    (借方)預り金

    支払手形

    流動負債である。
    債務のために振り出した手形を計上する。
    手形を振り出すということは、何日か後の約束の日に現金で支払いますという、約束の証文を出すことである。この約束を守れなかったときを不渡りというが、相手先に対する信用を失墜するだけでなく、銀行取引停止処分を受け、倒産することにもなる。また、支払期日にいくら他の銀行に残高があっても、約束の銀行口座に残高を置いていないと不渡りになってしまう。事務上の間違いがないように細心の注意が必要である。
    仕訳例は、手形を発行したとき。
    (借方)買掛金など(貸方)支払手形
    支払手形の期日に。
    (借方)支払手形(貸方)当座預金など

    支払保険料

    販売費一般管理費(経費)である。
    会社が支払う保険料を計上する科目である。
    建物の火災保険料、商品保険、契約履行保険などがある。会社が役員などにかける生命保険などは、内容によって経費にならないものがあるので注意が必要である。加入時に保険会社とよく打ち合わせをして処理する。
    仕訳例は、(借方)支払保険料(貸方)当座預金など

    支払利息

    営業外費用である。
    借入金に対する利息を計上する科目である。
    普通の借入金の場合には「支払利息」というが、手形を割り引くときに支払う利息を「割引料」といって区分して計上することもある。
    仕訳例は、(借方)支払利息(貸方)当座預金など

    資本金

    株主が出資した金額である。
    株式会社は、株主の出資した資本金を基盤にして運営する。株主は出資した株数に応じて会社の所有権を持ち、株主総会を通じて経営に参加する権限を持つ。基本的には株券は額面で発行されるが、時価発行も行われる。時価発行が行われたときには資本金の増加だけでなく資本準備金(株式発行差金)が発生する。
    仕訳例は、通常は別段預金に払込みを受けたときに。
    (借方)別段預金(貸方)新株式払込金
    登記が完了して、資本金に組み入れるときに。
    (借方)新株式払込金(貸方)資本金
    (借方)当座預金(貸方)別段預金

    事務費

    販売費一般管理費(経費)である。
    会社の業務で使う、ボールペンなどの文房具などの費用を計上する。
    最近はパソコンの普及でパソコン関連品の消費量が増えてきた。パソコンやコピーのリース代金も「事務費」で計上する。
    仕訳例は、(借方)事務費(貸方)現金など

    車両関連費

    販売費一般管理費(経費)である。
    業務用に使用する車両の関連費用を計上する。
    車両のリース料や、ガソリン代、修理代などである。交通事故を起こしたときの賠償金なども、通常の額であれば「車両関連費」で処理する。高速道路の料金や駐車料金は「旅費交通費」である。
    仕訳例は、(借方)車両関連費(貸方)現金など

    修繕費

    販売費一般管理費(経費)である。
    会社で使用している備品などを修理した費用を計上する科目である。
    高額であったり、耐用年数を伸ばすような修理は、税法上は経費計上が認められず、資産に計上する。
    仕訳例は、(借方)修繕費(貸方)現金など

    関連記事:全部を修繕費として経費にできるわけではない、資本的支出についての解説

    商品

    流動資産である。
    販売のための仕入れ商品である。
    通常は商品といえば、野菜や事務用品のような小さなものを想像するが、不動産会社の所有する販売用の住宅や、自動車販売会社のトラックなど大きいものも商品である。商品の管理では、保管しているときに価値が減耗してしまわないように注意しなければならない。また、物としての価値が変化していなくても、旧式になってしまっては販売価値はない。商品が陳腐化したり劣化しないような注意と、盗難への配慮が必要である。
    仕訳例は、棚卸しを行ったときに。
    (借方)期首棚卸商品(貸方)商品
    (借方)商品(貸方)期末棚卸商品

    消耗品費

    販売費一般管理費(経費)である。
    仕事で使うもので、短期間に使い切ってしまう物や、小額の物品をいう。
    石鹸、くずかご、湯飲み茶碗などである。事務用に使われるものを区別して「事務費」にしている場合は、コピー紙、フロッピーディスクなどは「事務費」になる。
    仕訳例は、(借方)消耗品費(貸方)現金など

    賞与引当金

    流動負債である。
    日本の会社では、夏と冬にボーナスを出す慣習がある。本来は成功報酬的な性格のものであるが、定例化しているので、次期に支払う賞与の見積もり金額を前もって引き当てることが、税法上認められている。
    仕訳例は、(借方)賞与引当金繰入(貸方)賞与引当金

    水道光熱費

    販売費一般管理費(経費)である。
    電気・ガス・水道などの料金を計上する。
    いくら使っているかその時はわからないことが多いし、預金口座からの自動引き落としが増えているので、目に触れにくい経費である。常に節減の努力をしなければならない経費である。
    仕訳例は、(借方)水道光熱費(貸方)現金など

    租税公課

    販売費一般管理費(経費)である。
    印紙代、不動産取得税、事業税など。
    印紙は、書類によりあるいは金額によって、貼る額が異なるので注意しなければならない。間違えて貼ってしまったときには、税務署に手続きすれば返してくれる。
    仕訳例は、(借方)租税公課(貸方)現金など

    接待交際費

    販売費一般管理費(経費)である。
    取引先と共にした飲食代や、贈答品の代金を「接待交際費」に計上する。税務的には接待交際費は経費として損金なる部分が少ないので、実際の支出のほかに、税金を支出すること考えなければならない。まして、接待を武器に利益を誘導しようとするのは法律違反である。あくまでも、儀礼的な常識の範囲の付き合いでなければならない。
    仕訳例は、(借方)接待交際費(貸方)現金

    た行

    建物

    有形固定資産である。
    自社所有の建物を計上する。他人に加している建物も自社で所有していれば有形固定資産である。付属設備との区分や、関連して支払った費用のどの範囲を取得価格とするかなど、税法を基準として会社の処理方法を決めておくべきだ。
    仕訳例は、(借方)建物(貸方)当座預金など

    短期借入金

    流動負債である。
    外部からの借入金のうち、一年以内に返済するものをいう。
    一年以内に返済する長期借入金も、この科目に含める。
    仕訳例は、借入れしたとき、(借方)当座預金など(貸方)短期借入金
    返済のとき、(借方)短期借入金(貸方)当座預金など

    長期借入金

    固定負債である。
    外部からの借入金のうち、一年以上の長期にわたって借入れるものをいう。
    仕訳例は、借入れしたとき、(借方)当座預金など(貸方)長期借入金
    返済のとき、(借方)長期借入金(貸方)当座預金など

    長期前払費用

    投資等に区分される。
    前払費用のうち、実際の費用発生が一年以上後に生じるものをいう。
    家賃の前払いなどがある。
    仕訳例は、支払ったとき、(借方)長期前払費用(貸方)当座預金など長期借入金
    一年ごとに、(借方)家賃など(貸方)長期前払費用

    賃借料

    販売費一般管理費(経費)である。
    建物を借りたり、倉庫を借りるときの代金を計上する科目である。
    同じ借りるのでも、パソコンなどのリース代金は「事務費」に計上し、電話機などは「通信費」に計上するべきである。
    仕訳例は、(借方)賃借料(貸方)現金など

    通信費

    販売費一般管理費(経費)である。
    電話代金、郵便切手などが通信費である。
    昨今はコンピュータによるデータ通信が一般に行われるようになったため、データ転送やインターネット利用のための電話回線利用が増えてきた。これは会社の考え方によっては「事務費」に計上する場合もある。
    仕訳例は、(借方)通信費(貸方)現金など

    当座預金

    流動資産である。
    現金に換わって支払手段として用いられる証券である。銀行が交付する小切手用紙に金額を記入することで現金と同様に通用する。個人的な消費に小切手を使うことはまれであるが、会社の支払いが即時払いで行われるときには小切手を使用するのが普通である。振り出された小切手はすぐに銀行に持ち込まれ換金要請されるので、振り出す際には当座預金に残高が必要である。残高が不足の場合は手形の不渡りと同様の処分を受ける。
    仕訳例は、発行時に(借方)運賃など(貸方)当座預金

    図書教育費

    販売費一般管理費(経費)である。
    仕事に利用する単行本や雑誌、社員研修の費用を処理する科目である。
    社員研修の費用は、計画的に実施すれば補助金が入る制度がある。
    仕訳例は、(借方)図書教育費(貸方)現金など

    は行

    備品

    流動資産である。
    会社に使用する道具類の中で、金額が小額であれば、「消耗品」として経費処理できるが、大型のものや金額が大きい物は、固定資産として「備品」に計上する。
    仕訳例は、(借方)備品(貸方)現金など

    福利厚生費

    販売費一般管理費(経費)である。
    従業員のためにする、健康診断などの費用である。会社の創立記念日の記念品や永年勤続の費用は税法上の制約の範囲で経費として認められる。社員旅行の費用も同様である。経費に認められないと給与扱いで、社員から所得税を徴収しなければならなくなるので、事前に注意が必要だ。例えば数千円の永年勤続記念品も、物で支給するのは良いが商品券で支給すると従業員が課税される。
    仕訳例は、(借方)福利厚生費(貸方)当座預金など

    普通預金

    流動資産である。
    銀行の普通預金口座に預け入れている金額である。
    財布代わりに使われる口座である。当座預金と違って他人への支払手段に使うことはできないが、わずかではあるが利息が付くので、普通預金に置いておき、必要なときに必要な分だけ当座預金に移すやり方が取られる。
    仕訳例は、預け入れのとき、(借方)普通預金(貸方)現金など
    当座への移し替えのとき、(借方)当座預金(貸方)普通預金

    別途積立金

    資本金勘定の剰余金の一つである。
    特別の目的を定めない留保金として積み立てるものである。
    特に目的を定めないとはいえ、決算の利益処分に使いたくても株主総会の承認が必要であるし、名称以上に不自由な積立金である。実務的には次期繰越利益においておく方が便利かもしれない。
    仕訳例は、(借方)未処分利益(貸方)別途積立金

    法定福利費

    販売費一般管理費(経費)である。
    法律によって支出することが決まっている従業員のための費用である。
    健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料などがある。
    仕訳例は、(借方)法定福利費(貸方)当座預金など

    ま行

    未収金

    流動資産である。
    相手に物品を売り渡したりサービスを提供した代金をもらっていないときに計上する。
    通常の営業上の取引での未収金は、売掛金で処理するので、未収金は営業取引以外のものに関するものである。また、類似の科目に「未収収益」があるが、未収収益は受け取ったときに収益になる、例えば受取利息のようなものを計上する。不要資産の売却代は「未収金」である。
    仕訳例は、発生したときに、(借方)未収金(貸方)備品など
    入金したときに、(借方)現金など(貸方)未収金

    未払金

    流動負債である。
    物やサービスを受けて、まだ支払っていないものをいう。
    通常の営業活動に関連するものは、買掛金に計上する。また、類似の科目であるが、「未払費用」は未払利息や未払家賃などの継続的な役務提供を計上する。役務でなく形のある仕訳例は、発生したときに、(借方)消耗品費など(貸方)未払金
    支払ったときに、(借方)未払金(貸方)現金

    や行

    有価証券

    流動資産である。
    余裕資金の運用のため、一時的に買い入れた有価証券をいう。
    一時的というのは一年以内を原則とする。したがって、いつでも売り買いできる市場性のある有価証券でなければならない。長期的な保有を目的とする有価証券、あるいは市場性の低い有価証券は、「投資有価証券」に計上する。
    仕訳例は、購入のときに、(借方)有価証券(貸方)当座預金など
    売却のときに、
    (借方)当座預金など(貸方)有価証券
              (貸方)有価証券売却益

    ら行

    旅費

    販売費一般管理費(経費)である。
    仕事のために移動するための費用である。
    電車・タクシーなどの交通機関の料金や、高速道路料金ホテル代などの宿泊料金、日当、赴任や帰省のための費用、駐車料金などをいう。
    仕事のための費用であればいくらでもというものでもない。旅費規程を作って運用しないと、経費処理が認められないことがある。例えば、日当などをその都度金額を変えたり、赴任費用を払ったり払わなかったりでは経費処理が否認されて、当事者の給料として所得税が課税されることもあるだろう。また、いくら規程を作っても常識を超えた金額では、認められないと思われるので、資料を収集して適正な規程を作らなければならない。さらに、移動のために使ったのであれば全て旅費になるのでなく、接待のために利用したタクシー代などは旅費ではなく「接待交際費」になる。創立記念日などに招待したときの交通費、ゴルフなどに招待したときの交通費も「接待交際費」である。
    仕訳例は、(借方)旅費(貸方)現金など


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