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  • 文書管理とは?役割と4つのフェーズ

    文書管理とは

    文書管理とは、企業活動で発生するあらゆる文書(紙、電子データ)を、作成から廃棄に至るまで、一貫したルールに基づいて適切に管理する一連の業務のことです。単に書類を整理するだけでなく、必要な情報へ迅速にアクセスできる状態を維持し、企業の知的資産を守る重要な役割を担います。

    文書管理の重要性

    文書管理を適切に行うことは、単なる事務作業に留まりません。企業のコンプライアンス遵守、情報セキュリティ強化、業務効率向上、そして過去の文書から学びを得るナレッジマネジメントの基盤となります。

    特に、電子帳簿保存法やインボイス制度といった法令改正に対応するためにも、文書管理は企業の経営基盤を支える重要な業務となっています。

    文書管理業務の主な範囲

    文書管理は、以下の4つのフェーズに分類できます。

    1. 計画・作成フェーズ

    • 文書管理規程の策定: どのような文書を、誰が、どのように作成し、管理するかといった基本ルールを定めます。文書の種類(重要度、保存期間)の分類、アクセス権限の設定なども含まれます。
    • 書式の統一: テンプレートを作成し、文書の書式や命名規則を統一します。これにより、誰が作成しても一定の品質を保ち、検索性を高めます。
    • 作成支援: 文書の作成者が規程に沿って文書を作成できるよう、トレーニングやツールの提供を行います。

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    2. 保存・共有フェーズ

    • 物理的な管理:
      • 文書のファイリング: 種類や用途に応じて分類し、適切にファイリングします。
      • 保管場所の管理: キャビネットや書庫の配置、施錠管理、温度・湿度管理など、文書の劣化や紛失を防ぐための物理的な環境を整えます。
    • 電子的な管理:
      • 文書管理システムの導入・運用: 文書をデータとして保存・共有するためのシステム(DMS: Document Management System)を導入し、アクセス権限の設定やバージョン管理を行います。
      • バックアップとセキュリティ: データの紛失や情報漏洩を防ぐため、定期的なバックアップやアクセスログの監視を行います。

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    3. 検索・活用フェーズ

    • 情報検索の効率化:
      • メタデータ付与: 文書に「作成日」「キーワード」「担当部署」などの情報を付与し、必要な文書を素早く見つけ出せるようにします。
      • 検索機能の最適化: 複数の条件で検索できる機能を整備し、社員が求める情報に最短でたどり着けるようにします。
    • 情報活用の促進:
      • 共有ルールの徹底: 文書の共有範囲を明確にし、情報がスムーズに共有されるように促します。
      • ナレッジマネジメント: 社内に蓄積された文書を知識として活用し、業務改善や新しいアイデア創出に繋げます。

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    4. 保存期間終了・廃棄フェーズ

    • 保存期間の管理: 文書管理規程に基づいて、各文書の保存期間を厳格に管理します。
    • 廃棄の実行:
      • シュレッダー処理: 紙文書は、情報漏洩を防ぐため、専門の業者に委託したり、社内でシュレッダー処理を行います。
      • データ消去: 電子データは、完全に復元できないよう専用のツールを用いて消去します。
    • 廃棄証明書の取得: 外部業者に廃棄を依頼した場合は、確実に処理されたことを証明する書類(廃棄証明書)を取得し、コンプライアンスを遵守します。

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