カスタマーハラスメント(カスハラ)とは何か その具体例

厚生労働省が定める指針やマニュアルでは、どのような言動が「社会通念上許容される範囲を超えている(=カスハラにあたる)」のか、具体例が明確に示されています。詳細は厚生労働省のホームページをご覧ください。以下、概要を解説します。

国が示している具体例は、大きく「手段・態様が悪質なもの(伝え方の問題)」と、「要求内容そのものが過度なもの(中身の問題)」の2つの軸に分かれています。

手段・態様が「社会通念上不相当」とされる具体例

顧客側の不満に正当な理由(商品の不具合など)があったとしても、以下の手段を用いた時点でカスハラ(または犯罪行為)と判断されます。

  • 身体的な攻撃: 従業員を殴る・蹴る、物を投げつける、唾を吐きかける。
  • 精神的な攻撃・暴言: 「お前じゃ話にならない」「バカ」「死ね」などの侮辱・暴言、従業員やその家族の安全を脅かすような脅迫。
  • 威圧的な言動: 大声で怒鳴り散らす、机を叩く、威嚇するように睨みつける。
  • 土下座の要求: 謝罪の手段として土下座を強要する(※刑法の強要罪にあたる可能性が高いです)。
  • 拘束的な行動: 「納得いくまで帰らない」と長時間の居座り(不退去)、個室に呼び出して帰さない(監禁)、1時間(一つの目安です)を超える長時間の電話。
  • 従業員個人への攻撃: 容姿や年齢の中傷、名札や顔を勝手に撮影する。撮影した画像等をSNSに投稿する。氏名等をネット上に公開する行為。

要求内容が「妥当性を欠く(過度である)」具体例

手段が穏やかであっても、要求している内容そのものが常軌を逸している場合もカスハラに該当します。

  • 過度な金銭・商品補償の要求:
    「お腹を壊したから100万円払え」「購入した商品より、高額な商品や入手困難な限定品と交換しろ」といった要求。
  • 過度な謝罪の要求:
    正当な理由がないのに「社長を出せ」「上司を自宅に謝罪にこさせろ」「土下座しろ」「謝罪文を新聞に載せろ」といった要求。
  • 不可能な行為の要求:
    「今すぐ特例で免除しろ」「お前のところで今すぐなんとかしろ」といった、物理的・法律的に不可能な要求。

どうマニュアルに落とし込むか?

国が示しているこれらの具体例は、そのまま自社の「一線を越えたら組織対応に切り替える基準」として活用できます。

マニュアル作成のヒント
現場の従業員が「これは私の対応が悪いから怒られているのかも…」と抱え込まないよう、「大声が出た時点」「1時間を超えた時点」「土下座と言われた時点」で、本人の落ち度の有無に関わらず『カスハラ』とみなし、上司や総務へ即座にエスカレーション(引き継ぎ)する、という明確な数値やキーワードを社内ルールに組み込むのが最も効果的です。