健康診断個人票の保存期間や、社内での安全管理措置(閲覧制限など)の注意点を解説します

健康診断結果の社内管理上の注意点

健康診断結果(健康診断個人票)は、要配慮個人情報を含む非常に機密性の高い個人情報です。労働安全衛生法および個人情報保護法に基づき、事業者が遵守すべき「保存期間」および「社内での安全管理措置」の具体的なポイントを解説します。

健康診断個人票の保存期間

健康診断の種類に応じて、法律で義務付けられている保存期間が定められています。

健康診断の種類保存期間根拠法令
一般健康診断(定期・雇入れ時・特定業務等)5年安衛則第51条
特定化学物質・有機溶剤・鉛等の特殊健康診断5年各特別規則
じん肺健康診断7年じん肺法第25条
石綿(アスベスト)健康診断40年石綿障害予防規則第40条
特別管理物質等に係る特殊健康診断

(ベンゼン、エピクロルヒドリン等)
30年特化則第40条

※保存期間の起算点は、健康診断を実施した日(結果を受領した日ではなく健診実施日)となります。

閲覧制限と情報漏えい防止

健康診断結果は「要配慮個人情報」に該当するため、一般の社内文書以上に厳格な取り扱いが求められます。

閲覧権限の最小化(アクセスの制限)

  • 閲覧者の限定: 健診結果を扱う担当者を、人事労務部門の必要最小限のスタッフ、産業医、保健師に限定します。
  • 部署間の遮断: 受診者本人の直属の上司や一般社員であっても、業務上の必要性(就業上の措置など)がない限り、生の健診結果(血圧数値や検査データの詳細)を閲覧させてはなりません。
    • ※直属の上司へ共有してよい情報は、医師の意見に基づく「就業上の措置(時間外労働の制限、出張の制限など)」の内容に必要な範囲に限られます。
  • 就業上の措置を実施する際の注意点:医師から「要就業上の措置(制限勤務や配置転換など)」の指示が出た場合、現場の上司に配慮事項を伝える必要があります。その際は、個別の病名や具体的な検査数値(例:血圧〇〇、γ-GTP〇〇など)は伏せ、「産業医の指示に基づき、月〇時間以上の残業を禁止する」といった措置の内容のみを伝える運用を検討しましょう。

物理的・技術的安全管理措置

  • 紙媒体で保存する場合:
    • 施錠できる保管庫(キャビネット等)に保管し、鍵の管理者を定めます。
    • 放置・紛失を防ぐため、書類をデスク上に置いたまま離席することを禁止します。
  • 電子データで保存する場合:
    • 保存用フォルダへのアクセス権限(ID・パスワード)を限定・管理します。
    • フォルダやファイル自体に暗号化を施し、外部持ち出しや不正ダウンロードを防止します。

利用目的の限定と第三者提供の禁止

  • 目的外利用の禁止: 収集した健診データは、健康管理・安全配慮義務の履行・就業上の措置以外の目的(人事評価や不利益な配置転換の判断など)に流用してはなりません。
  • 第三者提供: 本人の同意なく、子会社・関連会社・親会社や保険会社等の第三者に提供することは禁止されています。