Last Updated on 2025年8月28日 by 勝
最近の動向
近年、名札を廃止する企業が増えています。また、名札に名字だけ表示したり、番号やニックネームや仮名を表示する例も増えています。 背景には、個人情報保護とセキュリティリスクの低減があります。この動きは、特に顧客と直接接する業務や、不特定多数の人が出入りする場所で顕著です。
個人情報保護
インターネットやSNSの普及により、個人の特定が以前より容易になってきたことも背景にあります。名札に本名と所属部署を記載している場合、ストーカー行為やプライベートな連絡先を探るなどの悪用につながるリスクがあります。特に、カスタマーサービスや窓口業務など、顧客と直接対話する従業員は、悪意のある顧客から個人情報を調べられる可能性があり、それを防ぐ目的があります。
セキュリティリスクの低減
組織の機密情報や不正アクセス対策も背景にあります。名札に記載された氏名や所属部署から、特定の人物のSNSを特定し、そこから組織の内部情報やセキュリティ上の弱点を探るサイバー攻撃の足がかりにされる可能性があります。本名を非公開にすることで、このようなリスクを低減することができます。
名札を廃止する理由
名札に記載される情報を少なくしても、個人を特定されるリスクはゼロではありません。特に、不特定多数の人が出入りする施設や、機密性の高い情報を扱う職種では、最初から名札を着用しない方がセキュリティリスクを最小限に抑えられます。
また、カスタマーハラスメントが社会問題となる中、名札を廃止することで、従業員がより安心して働ける環境を整えることができます。
電話でも名前を名乗らない
会社に電話すると、部署名と電話に出た人の名前を名乗る会社がありますが、会社名だけを名乗る会社が増えています。
背景には、名札に本名を表示しない動きと同様に、個人情報保護とセキュリティリスクの低減があります。
多くの企業では電話応対のルールを設けています。
- 姓のみを名乗る:「〇〇部の佐藤です」といった形で、フルネームではなく姓のみを名乗るのが一般的です。
- 部署名や担当名のみを名乗る:「〇〇部です」や「カスタマーサービス担当です」といった形で、個人を特定できる情報を極力出さない方法もあります。
- 代表番号への一括対応:個人の携帯電話番号を名刺に記載せず、会社の代表番号や部署の共有番号に集約することで、個人の連絡先が外部に流出するリスクを減らしています。
もちろん、フルネームを名乗ることで、相手に安心感を与えたり、責任の所在を明確にするというメリットもあります。しかし、近年では、個人や組織の安全を優先するという考え方が主流になりつつあり、電話応対のルールも見直されているのが現状です。
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