Last Updated on 2025年9月9日 by 勝
カフェテリアプランとは、従業員が自分のニーズに合わせて福利厚生のメニューを選べる制度のことです。「社員食堂のカフェテリアのように、自分の好きなものをトレイに取っていく」イメージから名付けられました。
カフェテリアプランとは
概要
- 会社が「ポイント」や「補助金額」を付与
(例:毎年5万円分のポイントを従業員に配布) - 従業員が福利厚生メニューの中から自由に利用先を選択
- 健康関連(人間ドック、スポーツジム、予防接種)
- 教育・自己啓発(資格取得、通信教育、語学研修)
- 余暇(旅行、宿泊、映画、レジャー施設)
- ライフサポート(育児・介護サービス、住宅補助)
- ポイントを利用して支払い、足が出た分は自己負担
特徴
- 従業員ごとのニーズに対応できる(独身者・子育て中・シニアなど状況に応じて選べる)
- 公平感がある(全員同じ金額のポイントを受け取る仕組み)
- 福利厚生の利用率が上がりやすい(従来の「旅行補助」など固定的な制度だと使わない人がいた)
- 福利厚生の管理をアウトソーシングしやすい(外部業者がパッケージを提供している)
導入のメリット
従業員の満足度が向上する
カフェテリアプランは、従業員が自分のライフスタイルやニーズに合わせて、会社が用意したメニューの中から好きな福利厚生を選べる制度です。
たとえば、若い独身の従業員は自己啓発やスキルアップのための補助を選び、子育て中の従業員は育児支援サービスやベビーシッター費用の補助を選ぶといったことが可能です。
これにより、従業員は「自分にとって本当に必要な福利厚生」を享受でき、福利厚生に対する満足度が高まります。
公平性が高まる
従来の画一的な福利厚生では、利用する人としない人の間に不公平感が生じることがありました。カフェテリアプランでは、従業員に公平にポイントが付与されるため、個人の状況にかかわらず公平に福利厚生を利用できます。これにより、従業員間の不満を減らすことができます。
会社側の管理がしやすい
メニュー化された福利厚生をポイント制で運用するため、利用状況や費用を管理しやすくなります。従業員ごとの利用状況をデータとして把握できるため、どの福利厚生が人気なのか、何が求められているのかを分析し、より効果的な福利厚生の企画・改善につなげることができます。
外部委託が基本
カフェテリアプランを導入する場合、外部委託することが多いようです。主に福利厚生代行サービスを利用します。これらのサービスを提供する会社は多数あり、それぞれに特徴があります。
主要なサービス提供会社と特徴
多くの企業が利用しているのが以下の大手サービスです。これらの企業は、多岐にわたる提携サービスと豊富な導入実績を持っています。
- ベネフィット・ワン(ベネフィット・ステーション): 日本で初めて自動決済システムを導入した実績を持ち、特に大手企業の導入実績が豊富です。幅広い分野のサービスメニューを用意しており、利便性の高いシステムが特徴です。
- リロクラブ(福利厚生倶楽部): 業界最大手のサービスの一つで、業界トップクラスの会員数を誇ります。宿泊施設からレジャー、育児・介護サービスまで、全国350万種以上もの多様なコンテンツを提供しているのが強みです。
- イーウェル(WELBOX): 長年の経験と豊富な実績に基づいたコンサルティング力に定評があります。企業の課題や従業員のニーズに合わせて、柔軟な制度設計をサポートしてくれます。
- リソルライフサポート(ライフサポート倶楽部): 中堅から大手企業向けに特化したサービスを提供しています。きめ細やかなサポート体制と、企業ごとのニーズに合わせたカスタマイズ性が特徴です。
外部委託のメリット
外部業者に委託する最大のメリットは、社内の運用管理の負担を大幅に軽減できることです。
- 運営ノウハウの活用: 外部業者は、カフェテリアプランの制度設計から運用まで、専門的な知識と豊富なノウハウを持っています。これにより、スムーズな導入と運用が可能になります。
- メニューの多様化: 外部業者は多くのサービスと提携しているため、自社で用意するよりもはるかに多様なメニューを従業員に提供できます。これにより、従業員の満足度向上につながります。
- 事務作業の効率化: ポイントの付与、利用申請の受付、精算といった煩雑な事務作業を外部業者に一任できるため、人事・総務部門の業務負担が軽減されます。
- コスト削減: 外部業者は多数の企業にサービスを提供しているため、スケールメリットを活かしたリーズナブルな料金でサービスを利用できます。
外部委託は、特に初めてカフェテリアプランを導入する企業や、人事・総務部門のリソースが限られている企業にとって、非常に有効な選択肢です。
カフェテリアプランの費用
外部委託による費用
外部委託にかかる費用は、以下の3つの要素で構成されます。
- 初期費用(入会金・システム設定費用): サービスの契約時に一度だけ発生する費用です。従業員規模によって異なり、数万円から100万円程度が相場です。
- 月額利用料(運営管理費): 従業員1人あたりに課金される費用です。月額300円から1,000円程度が一般的で、多くのサービスが従業員数が多いほど1人あたりの単価が安くなる設定をしています。
ポイント原資
ポイント原資は、従業員に付与する福利厚生のポイント費用です。これは会社が負担するもので、福利厚生代行サービスへの支払いとは別に必要となります。
一般的に、従業員1人あたりの年間付与額は4万円から8万円程度がボリュームゾーンですが、企業によって自由に設定できます。
外部委託費用と合計すると、従業員1人あたりの年間費用は、年間5万円~6万円程度となるケースが多いです。ただし、これはあくまで目安であり、付与するポイント数や選ぶサービスによって大きく変動します。