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制服あり・なし、どっちがいい?会社の制服がもたらすメリット・デメリット

Last Updated on 2025年8月3日 by

会社の制服、皆さんの職場にはありますか?

制服は、従業員のモチベーション向上や企業のイメージアップに繋がる一方で、コストや管理の手間といった課題も抱えています。

この記事では、制服を貸与する意味や、導入・廃止の理由、そしてそれぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説します。

制服の貸与が特に必要とされる職場

すべての会社で制服が必要なわけではありません。制服の貸与が特に重要視されるのは、以下のような職場です。

製造業や建設業: 安全確保が最優先されるため、ヘルメットや安全靴などと合わせて、動きやすく危険を防ぐための作業服が不可欠です。

医療・介護・飲食サービス業: 衛生管理が求められる職場では、清潔な制服を着用することで、食中毒や感染症のリスクを軽減します。

接客業(ホテル、百貨店など): 企業のブランドイメージや高級感を演出するために、統一された制服が大きな役割を果たします。

営業職: 営業先で会社の顔として見られるため、信頼感を与えるフォーマルな制服を着用することで、会社の信用度を高めます。

制服を貸与するメリット・デメリット

制服を貸与することで、会社と社員それぞれにメリット・デメリットが発生します。

会社側のメリット

企業のブランドイメージ向上: 統一された制服は、会社のプロフェッショナルなイメージを顧客に強く印象づけます。

帰属意識の向上: チームの一員であるという意識を高め、社員のモチベーションや連帯感を育む効果があります。

従業員の管理: 会社が支給することで、服装の規定を厳格に守らせることができ、服装に悩む従業員の負担も軽減します。

リスク管理: 特定の職場では、安全確保や衛生管理に不可欠な役割を果たします。

会社側のデメリット

コスト: 制服の購入費用、クリーニング代、管理費用(在庫、サイズ交換など)が発生します。

管理の手間: 貸与や返却、在庫管理、修繕、廃棄といった管理業務が庶務担当者に発生します。

従業員からの不満: デザインや着心地が合わない、個性を表現できないといった理由で、不満が出る可能性もあります。

従業員側のメリット

服装選びの手間がなくなる: 毎日の服装選びに悩む必要がなくなり、準備時間が短縮されます。

経済的な負担が減る: 業務で着る服を購入する必要がなくなり、家計の負担が軽減されます。

公私の区別: 制服を着ることで仕事モードに切り替わりやすくなります。

従業員側のデメリット

個性の制限: 自分の好きな服を着ることができず、ファッションを楽しめないと感じる人もいます。

着心地: 会社の指定する制服のデザインや素材が、自分の体形や好みに合わない場合があります。

制服での通勤を禁止する是非と労働時間の問題

制服を定めた会社の中には、制服での通勤を禁止しているケースがあります。これには、以下のような理由があります。

制服での通勤を禁止する理由

衛生上の問題: 医療や飲食の現場では、外部の汚れを職場に持ち込まない、あるいは職場の汚れを外部に持ち出さないために禁止されます。

ブランドイメージの維持: 通勤中に社員が会社の顔としてふさわしくない行動を取るリスクを回避するためです。

従業員の安全確保: 特定の職業では、制服を着用していることで、犯罪に巻き込まれるリスクが高まる可能性があるためです。

着替え時間は労働時間になるのか?

制服での通勤が禁止されている場合、着替え時間は労働時間になるかという問題が発生します。

結論から言うと、会社が制服の着用を義務付けている場合、着替え時間は労働時間と見なされるのが一般的です。最高裁判所の判例でも、「使用者の指揮命令下に置かれた時間」は労働時間と判断されており、会社が義務付けた着替えはこれに該当すると解釈されます。

したがって、着替えにかかる時間分の賃金を支払うか、その時間を勤務時間として計算する必要があります。この点を無視すると、未払い賃金の問題に発展するリスクがあるため、注意が必要です。

制服がない、または廃止される理由と効果

近年、制服を廃止する会社や、最初から制服がない会社も増えています。その背景には、以下のような理由があります。

制服がない、または廃止される理由

多様な働き方の推進: 私服を認めることで、社員の個性を尊重し、自由な発想を促す狙いがあります。

管理コストの削減: 制服の購入や管理にかかる費用、人的コストを削減できます。

時代に合わせた柔軟性: 顧客との接点が少ない職種では、制服の必要性が薄れてきている現状があります。

制服がない、または廃止された場合の効果

従業員側の効果:

エンゲージメント向上: 働き方が自由になり、社員の会社に対する愛着や満足度が向上する場合があります。

コスト増: 業務で着る服を自分で用意する必要があり、経済的な負担が増える可能性があります。

会社側の効果:

コスト削減: 制服にかかる費用や管理コストを削減できます。

ブランドイメージの希薄化: 統一感がなくなり、企業のブランドイメージが曖昧になる可能性があります。

まとめ

制服の導入・廃止は、単なる「服装」の問題ではなく、会社の文化や経営戦略に深く関わるものです。

自社の事業内容、社員の意見、そしてコストや管理の手間を総合的に考慮した上で、最適な選択をすることが重要です。


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