Last Updated on 2025年9月29日 by 勝
求人情報に、仕事内容などを、応募者がイメージできるように具体的に書けば良いと言われても、どの程度の詳細さで記述すると良いか迷うことはありませんか。中堅の半導体商社のルート営業職を例に、求人情報のサンプルを書いてみました。
記述の重要ポイントと詳細度
求人情報に記載する業務内容の詳細度は、求職者が「入社後に自分が働くイメージ」を具体的に持てるようにすることが最も重要です。
抽象的な表現を避け、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を意識して記載すると、ミスマッチの防止にもつながります。
中堅の半導体商社のルート営業職を例に、具体的な記述のポイントとサンプルを示します。
項目 | 記述すべき詳細度 | 記載の目的 |
具体的な業務内容 | 抽象的な職種名(例: 営業)だけでなく、「誰に(顧客)」「何を(製品)」「どうするのか(具体的なアクション)」を明記します。 | 仕事の全体像と具体的な役割を理解してもらう。 |
一日の流れ | 時間軸と具体的な作業内容をセットで示し、メリハリや残業の程度を推測できるようにします。 | 職場のリズム、働き方、残業の有無を具体的にイメージしてもらう。 |
入社後に任される役割 | 配属部署、担当顧客数、最初の研修内容、3ヶ月後や1年後の目標など、キャリアの道筋を示します。 | 応募へのハードルを下げ、成長意欲を刺激する。 |
半導体商社(ルート営業職)の求人情報サンプル
1. 具体的な業務内容
NG例 | OK例 |
「既存顧客への半導体製品の営業」 | 「技術系ルート営業:主要顧客(産業機器メーカー)への半導体部品の提案」 |
【OK例の詳細】
当社が取り扱う半導体(マイコン、センサー、パワーデバイス等)や電子部品を、既存の産業機器メーカー(ロボット、FA機器など)に提供するルート営業です。
- 顧客の課題解決:お客様の製品開発部門や購買部門を定期的に訪問し、新製品や既存製品の「どんな課題があるか」「次に開発したい製品の仕様」をヒアリングします。(単なる御用聞きではなく、技術的な課題解決がメインです)
- 技術的な提案:ヒアリング内容に基づき、最適な半導体メーカーの製品を選定し、技術資料やサンプルを提供します。
- プロジェクト管理:受注後は、仕入れ先である国内外のメーカーと連携し、納期や価格の調整、在庫管理などのサプライチェーン管理を行います。
- その他:見積書作成、発注業務、納品後のフォローアップなど。
2. 一日の流れ(例:入社1年目の社員)
時間帯 | 内容(何を・どのように) | 備考 |
9:00 | 出社・メールチェック | 納期調整に関するメーカーからの連絡などを確認し、優先順位付け。 |
9:30 | チーム朝礼/タスク整理 | 営業部全体で情報共有。その後、今日一日の訪問先、提案資料の最終確認。 |
11:00 | 顧客A社訪問 | 開発中の新製品についてヒアリング(技術担当者と同行の場合もあり)。 |
13:00 | 昼食 | (自由) |
14:00 | 顧客B社訪問 | 先週提案した製品の仕様についてのフィードバックを受け、メーカーに問い合わせ。 |
16:00 | 帰社・事務処理 | 訪問内容を日報に入力。見積書作成やサンプル品の手配依頼。 |
17:30 | メーカー担当者と打ち合わせ | 最新の半導体技術や新製品の情報収集、来週の納期調整。 |
18:30 | 退社 | 平均残業時間は月20時間程度です。 |
3. 入社後に任される役割・キャリアパス
【入社直後~3ヶ月】
- 基礎研修:半導体の基礎知識、自社で取り扱う主要メーカーの製品、商社のビジネスモデルについて、座学とOJTで習得。
- 顧客担当:まずは5社程度の既存顧客(取引額が安定している優良顧客)を担当し、先輩社員と同行しながら引き継ぎを行います。最初は納期調整などのサポート業務が中心です。
【6ヶ月~1年】
- 先輩の指導を受けつつ、独り立ちを目指します。
- 担当社数は15~20社程度に増加し、製品提案も徐々に自分で主導して行います。
- 目標:担当顧客との信頼関係を確立し、一つの開発プロジェクトに主担当として関わる。
【将来的なキャリア】
- 主任(入社3年目~):マネジメント職への昇進ルート、または特定の半導体分野のスペシャリストとして技術に特化した営業ルートを選択できます。
- 将来的には海外メーカーとの交渉や新規事業への参画など、意欲に応じたキャリアアップが可能です。
このような詳細な記述は、求職者に「この会社で働く姿」を明確にイメージさせ、入社後のミスマッチを最小限に抑える効果があります。