マイナ保険証(マイナンバーカードの健康保険証利用)が普及する中で、人事担当者が関与する入社時の健康保険手続きは、マイナンバーと電子申請の重要性がさらに高まっています。
人事担当者の関与
マイナ保険証を利用する場合でも、人事担当者が行うべき行政手続き(資格取得届の提出)自体は引き続き必要です。
新規加入者の情報収集と電子申請
| 項目 | 詳細 | 従来の健康保険証との違い |
| マイナンバーの収集 | 新入社員本人および被扶養者の正確なマイナンバーを収集し、番号確認と身元確認を行います。 | マイナンバーの正確な収集と届出が迅速性・正確性の鍵となります。 |
| 資格取得届の提出 | 入社後5日以内(内定段階での事前届出も可能)に、マイナンバーを記載した「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を年金事務所または健康保険組合へ提出します。 | 届書にマイナンバーを記載することで、この情報に基づき、被保険者の資格情報がオンライン資格確認システムの中間サーバーに登録されます。 |
| 申請方法 | 労務管理システムと連携した電子申請(e-Gov、マイナポータル経由)が主流です。 | 紙でのやり取りが不要になり、資格情報がデータとして迅速に反映されます。 |
物理的な「健康保険証」の交付業務の有無
| 項目 | 詳細 |
| 紙の保険証の交付 | 不要です。マイナ保険証を利用する新入社員には、従来の紙の健康保険証は発行されません。 |
| 被保険者証の番号通知 | 新入社員は、顔認証付きカードリーダーで本人確認を行うことで、自身の資格情報(被保険者番号など)をオンラインで確認できます。 |
資格確認書(例外的な対応)
2024年12月2日以降の制度移行に伴い、人事担当者は以下の対応を行う必要があります。
- 「資格確認書」の発行要否の確認
- 新しく健康保険に加入する社員のうち、マイナ保険証を利用しない人や利用登録をしていない人に対しては、保険証の代わりとなる「資格確認書」が保険者(協会けんぽ、健康保険組合など)から交付されます。
- 「被保険者資格取得届」には、新たに「資格確認書発行要否」欄が設けられるため、人事担当者は新入社員に資格確認書が必要かを確認し、届書にチェックを入れて申請します。
人事担当者のメリット
マイナ保険証の利用により、人事担当者の事務作業は効率化されます。
- 物理的な保険証の管理・交付が不要に: カード(紙)の手渡し、回収といった手間がなくなります。
- 資格情報切り替えの簡素化: 従業員が就職・転職・引っ越しをした際も、行政手続き(資格取得届)さえ行えば、マイナンバーカード側の情報が自動で更新されるため、従業員側で再度の利用登録手続きは原則不要です。
