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賃金

給与計算の端数はどうするか

Last Updated on 2023年2月26日 by

労働時間の端数

労働時間は1分単位で計算するのが原則です。

毎日の残業時間や遅刻時間を、計算を簡略にするために、例えば15分単位で整理することはできません。1分でも時間外勤務があったら1分の残業、1分でも遅刻したら1分の控除ということです。

ただし、毎日の分を1分単位で積み上げて、給与を計算する月単位では、30分未満を切り捨て、30分以上1時間未満を1時間に切り上げする処理は認められています。

認められていますが、これは手計算時代の名残りです。今となっては月単位においても1分刻みで処理するのが無難です。

なお、遅刻等の控除が生じる端数を切り捨てて、支給する方の残業時間を切り上げる方法は、労働者に有利なので問題ありません。

給与計算上の端数

割増賃金の端数処理

割増賃金の端数処理は以下の方法が一般的です。「労働者に不利にならないようにする」ことが原則です。従業員にとって有利な取扱いになるのであれば、別の方法を採用しても構いません。

1時間あたりの賃金額及び割増賃金額の端数

1時間あたりの賃金額及び割増賃金額に円未満の端数が生じた場合は四捨五入を用いることができます。50銭未満の端数を切り捨て、50銭以上1円未満の端数を1円に切り上げます。

1か月の割増賃金総額の端数

1か月間における割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合は四捨五入を用いることができます。50銭未満の端数を切り捨て、50銭以上1円未満の端数を1円に切り上げます。

このように1円単位に四捨五入する方法は認められていますが、例えば、10円単位に四捨五入したりするような方法は認められていません。

給料の端数処理

1か月賃金の100円未満四捨五入

1か月の賃金額(賃金の一部を控除して支払う場合には控除した残額)に100円未満の端数が生じた場合は50円未満の端数を切り捨て、50円以上の端数を100円に切り上げて支払うことができます。

1か月賃金の1000円未満翌月繰り越し

1か月の賃金額に1000円未満の端数がある場合は、その端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うことができます。

なお、1か月賃金の100円未満四捨五入と1000円未満繰り越しは、賃金を現金で支払っていた時代に、小銭の取り扱いなどの煩雑な事務を考慮して認められた方法です。銀行振り込みであれば採用しない方がよいでしょう。もし、この方法を採用する場合は、その旨を就業規則または給与規程に定める必要があります。

平均賃金の端数

賃金の総額を総暦日数で除した金額の銭未満の端数を切り捨てます。

例えば、賃金の総額をその期間の総日数で除した金額が、9,173円8043円になったとすると、銭未満、つまり少数第三位以下を切り捨てることになるので、平均賃金は、9,173円80銭になります。

そして、この平均賃金を基準にして、休業手当や解雇予告手当等を計算する場合は、就業規則等に特約がなければ、算出された休業手当や解雇予告手当等を1円単位に四捨五入します。

例えば、9,173.80×0.6×1(休業日数)=5504.28円。円未満を四捨五入(50銭未満切捨て、50銭以上切上げ)すると5504円以上になります。

社会保険

社会保険料の計算は、原則は四捨五入です。従業員負担分の端数が50銭以下のときは切り捨て、51銭以上のときは切り上げて1円となります。

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