統括安全衛生責任者とは
統括安全衛生責任者の選任基準は、建設業または造船業に属する事業(特定事業)を行う特定元方事業者において、元方事業者の労働者と関係請負人の労働者の合計が常時一定の人数以上になる場合に義務付けられています。
具体的な選任基準は、工事の種類によって異なります(労働安全衛生法施行令第7条)。
| 工事の種類 | 常時混在して作業する労働者数の合計 |
| ずい道建設(トンネル) | 30人以上 |
| 橋梁建設(一定の橋梁の建設) | 30人以上 |
| 圧気工法による作業 | 30人以上 |
| 上記以外の仕事(鉄骨造り、鉄骨鉄筋コンクリート造りの建築物の建設など) | 50人以上 |
「常時」とは、日々変動する労働者数ではなく、作業が混在して行われる期間を通じて通常いると見込まれる労働者の人数のことです。
資格要件
統括安全衛生責任者に選任されるために特別な国家資格は必要ありません。
ただし、その事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければなりません。一般的には、現場事務所長や工事責任者が担当するのが妥当とされています。
また、「元方事業者による建設現場安全管理指針」により、特定元方事業者は、統括安全衛生管理に関する教育を受けた者の中から選任するよう努めることとされています。
統括安全衛生責任者の設置基準に満たない場合でも店社安全衛生管理者の選任が必要になる場合があります。
安全衛生責任者と、安全衛生管理者の違いに注意して下さい。
また、統括安全衛生責任者と、総括安全衛生管理者も名称が似ていますが、大きな違いがあるので注意が必要です。
統括安全衛生責任者の資格と任務
主な職務は元方安全衛生管理者の指揮や元請け業者が講ずべき措置の統括管理です。元方安全衛生管理者の指揮をするとともに、協議組織の設置運営や、作業間の連絡調整、作業場の巡視などを行ないます。
統括安全衛生責任者になるには特別の資格は要りませんが、その場所において実質的な責任者であることが求められます。選任後は遅滞なく労働基準監督署長に報告します。なお、不在に備え、代理者の選任もしなければなりません。
統括安全衛生責任者は、統括安全衛生責任者講習あるいは現場管理者統括管理講習の受講を推奨されています。統括安全衛生責任者講習は建設業においては「建設業労働災害防止協会」で開催されています。

