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不当労働行為の基礎知識

Last Updated on 2021年11月21日 by

不当労働行為とは

不当労働行為とは、使用者が労働組合や従業員に対して行う不当な行為のことで、労働組合法で禁止されています。

代表的な不当労働行為は次のようなものです。

1.従業員が、労働組合に加入しようとしたこと、労働組合を結成しようとしたこと、などを理由に、解雇、その他の不利益な取扱いをすること。

2.団体交渉を、正当な理由なく拒む、形式的に団体交渉に応じて実質的に誠実な交渉を行わないこと。

その他、組合員であることなどを理由にして(実質的に理由にしている場合も含む)転勤させる、出向させる、昇給させない、仕事を与えない、残業をさせないなど、いろいろあります。

不当労働行為については労働組合法第7条に詳細に規定されています。

(不当労働行為)
第7条 使用者は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
一 労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。ただし、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約を締結することを妨げるものではない。
二 使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと。
三 労働者が労働組合を結成し、若しくは運営することを支配し、若しくはこれに介入すること、又は労働組合の運営のための経費の支払につき経理上の援助を与えること。ただし、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、かつ、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする。
四 労働者が労働委員会に対し使用者がこの条の規定に違反した旨の申立てをしたこと若しくは中央労働委員会に対し第二十七条の十二第一項の規定による命令に対する再審査の申立てをしたこと又は労働委員会がこれらの申立てに係る調査若しくは審問をし、若しくは当事者に和解を勧め、若しくは労働関係調整法(昭和二十一年法律第二十五号)による労働争議の調整をする場合に労働者が証拠を提示し、若しくは発言をしたことを理由として、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること。

不当労働行為については労働委員会に救済申立ができます。

「ウチには組合がないから大丈夫」と安易に考えてはいけません。自社に組合がなくても、解雇された従業員が、個人でも加入できる外部労働組合に救済をもとめたときは、その外部組合から団体交渉の申し入れがあります。これに応じなければ不当労働行為になります。

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