団体交渉の手続き

Last Updated on 2021年11月24日 by

団体交渉の開始手続き

団体交渉は、労働組合からの団体交渉申入れにより開始されます。一般に労働組合から書面により日時、場所、交渉出席者、交渉事項などが明らかにされます。

使用者は、特段の意義がなければ書面で受諾の回答をし、申し入れ内容に異議があるときは組合との話し合いにより調整していくことになります。

団体交渉申入れ方法、団体交渉の事前調整、交渉事項などについて、予め労働協約において定めておくこともあります。

団体交渉の態様

日時・場所・開催時間

団体交渉をいつ、どこで、どの程度の時間行うかは、労使双方の話し合いにおいて決定することですから、組合が指定する日時、場所等に従って団体交渉が開催されないというだけで団体交渉を拒否したことにははなりません。

ただし、使用者が特段の事由がないのに自己の開催ルールに固執することや、特に組合に不利益をもたらす条件を持ち出した場合には、実質的な団体交渉拒否として不当労働行為になる場合があります。

出席人数

団体交渉に何名で出席するかについての明確は基準はありません。労働組合によっては組合員の総意であることを示す目的や団結力の強化を図ることを目的として、不特定多数の組合員が団体交渉の場に参加することを通知してくることがあります。

こうしたいわゆる大衆団交については、使用者は適切な団体交渉が困難であると判断したときはその団体交渉を拒否することができるとされていますが、内容程度によっては許容しなければならないという裁判例があります。

交渉担当者

労働組合側

労働組合側で団体交渉の権限を有する担当者は、労働組合の代表者または労働組合の委任を受けたものとされています。

労働組合法第6条 労働組合の代表者又は労働組合の委任を受けた者は、労働組合又は組合員のために使用者又はその団体と労働協約の締結その他の事項に関して交渉する権限を有する。

労働組合の代表者は一般には委員長です。また、法人格を持つ組合は、代表者の選定、代表権などについて労働組合法に定めがあります。

代表者以外の者は労働組合の委任を受けて交渉を担当することになります。

なお、労働組合の委任を受けることができる者の範囲は、法律上特段の制限がないので、上部団体などの他の組合役員や組合員、弁護士などいかなる者でもよいとされています。

使用者側

使用者側の交渉担当者は、当該団体交渉における交渉事項について、実質的な決定権限を持つ地位にあり、団体交渉を遂行する権限を使用者から付与されている者とされており、必ずしも法人企業における代表者や個人事業主である必要はありません。

したがって、労務担当役員、人事部長などの一定の職位にある者や弁護士が、交渉権限を付与されて交渉担当者になるのが一般的ですが、それらの交渉担当者が実質的な交渉権限を持っていない場合があります。

その場合には、団体交渉の場での説明や回答が形式的抽象的になりがちで、また、わずかの譲歩も決断することができないため、持ち帰って検討するとしか言えない場面が増えることがあります。

その結果、交渉の進展に大きな支障が生じるようであれば、誠実な団体交渉義務を果していないとして、不当労働行為になる場合があります。

交渉事項

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交渉の妥結

妥結権限、労働協約締結権限は、労働組合の規約などで、交渉権限と区別されているのが通例なので、代表者や委任を受けた者も団体交渉の場で正式に受諾することができません。したがって、交渉妥結の際には会社と労働組合は仮協約を締結し、組合大会の承認を得てから正式に協約を調印するのが一般的です。

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