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採用の事務

コネ採用はありか、なしか?会社が考えるべきメリットとリスク

Last Updated on 2025年8月30日 by

有力な取引先の社長から、自分の息子を雇ってほしいという依頼があり、断りきれずに採用しました。商売の上で良い影響があるだろうという判断もありました。ところが、社内から思いがけず強い反発がありました。今回は納得させましたが、実は、今後も機会があればそのような採用をして、人脈を広げていこうと思っていました。アドバイスをいただけますか。

有力な取引先との関係維持は事業にとって非常に重要であり、そのために人脈を広げることは経営判断として当然のことです。ただ、社内の反発があるとすれば、組織を運営していく上で無視できない懸念点です。より円滑な解決策を見出すための考え方をいくつか提案させてください。

採用理由を明確にする

取引先の息子さんの採用は、会社の利益を考えた上での判断でした。これは経営者として正しい側面があります。しかし、社内の反発もまた、会社の健全な運営を願う気持ちから生じたものだと思われます。両者の意見は、会社の成長という同じ目標に向かっているはずです。

このあつれきを乗り越えるためには、「採用の目的」を明確にし、社内に共有することが重要になります。単に「取引先の息子だから」ではなく、「その取引先と関係が深まる具体的な効果」「当社で預かって将来の幹部候補として育成するため」など、具体的な目的を添えて説明することで、採用の妥当性を理解してもらいやすくなります。

採用基準の明確化

今回のケースで反発があったのは、採用が「特別なルート」で行われたと見なされたからかもしれません。社内の従業員、特に幹部社員にとっては、自分たちが築き上げてきた会社の文化や採用プロセスが軽んじられたと感じた可能性があります。

今後、人脈を通じた採用を検討される際は、一般的な採用プロセスと統合することを考えてみてはいかがでしょうか。例えば、以下のような方法が考えられます。

  • 人脈採用の基準を設ける: 取引先からの紹介であっても、求めるスキルや経験、人柄といった明確な基準を設ける。
  • 一般的な採用プロセスにのせる: 面接や評価のプロセスに幹部社員も参加させ、採用の決定に彼らの意見も反映させる。

これにより、採用が透明化され、従業員の納得感も高まります。

信頼関係の再構築

今回の件について、改めて意見を聴取する必要があるかもしれません。

  • なぜ反発したのか、本音を聞く場を設ける。
  • 今後の採用方針をどうするべきか、提言を聞く。

経営者として会社全体のことを考える一方で、現場を支える従業員の気持ちにも配慮する姿勢を見せることで、組織はより強固なものになります。

コネ採用のリスク

基本的にはコネ採用を一律排除するべきではないのですが、コネ採用(人脈採用)にはリスクがあることも確かです。どのようなリスクが考えられるか、承知した上で対応しなければなりません。

採用の公平性と透明性の欠如

採用プロセスが、応募者の能力や実績ではなく、人脈によって左右されるため、公平性が損なわれる可能性があります。一般の採用プロセスにのせたとしても、採用が前提となっている以上、同様の懸念があります。

コネ採用により、本来であれば優れた人材であったかもしれない他の候補者が、不当に排除されてしまうことも起こり得ます。また、コネ採用が多発すると、社内の透明性が失われ、従業員の会社に対する信頼も低下する原因になりかねません。

組織の多様性の低下

同じ人脈から採用が続くと、似たような考え方やバックグラウンドを持つ人が集まりやすくなります。これにより、組織全体の多様性が失われ、新しいアイデアやイノベーションが生まれにくくなる可能性があります。

従業員間の不満とモチベーションの低下

コネで入社した社員が、公平な評価を受けていないと感じることがあるかもしれません。たとえその社員が優秀であったとしても、「コネで入ったから優遇されているのではないか」といった不満や疑念を生み、チームワークの乱れや従業員全体のモチベーション低下を招くことがあります。

組織文化への悪影響

コネ入社した社員が、その人脈を盾にして社内のルールや人間関係を軽視するような態度を取る場合があります。また、もし期待した成果を出せなかった場合でも、その人脈を理由に厳しく評価できないという状況も起こり得ます。これらのことは、組織文化に悪い影響を及ぼし、健全な組織運営を妨げる要因になりかねません。


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