Last Updated on 2025年8月30日 by 勝
会社が今より小さかったときには、弁当屋さん、保険屋さん、その他の外部の方々が当社の事務所内に自由に出入りしていました。最近、このような状態では、個人情報保護や、機密情報の管理上から良くないと思い、事務所への立ち入りを禁止して、受付までとしました。ところが、業者さんだけでなく従業員からも不便になったという声があがり、少し迷っています。どうすればよいものでしょうか?
昔ながらの「誰でも出入り自由」なオフィスから、「出入り制限のある」訪問者対応に切り替えることは、セキュリティと業務効率の観点から非常に良い判断です。しかし、急激な変化に戸惑う人もいるかもしれません。この問題について少し考えてみましょう。
目的を明確に伝える
以前は「近所付き合い」のような感覚で、外部の人も自由に会社に出入りできることが当たり前だった会社では、長年の習慣が急に変わったことへの違和感や不満が生じやすいものです。
従業員が不便を感じている主な原因は、新しいルールがなぜ導入されたのかを十分に理解していないためかもしれません。まずは、今回の変更が「誰のため」に、「何を守るため」に行われたのかを、明確かつ丁寧に説明することが重要です。
- セキュリティ強化: 個人情報や機密情報の漏洩防止や、不審者侵入によるトラブル回避のため。会社と従業員、双方の安全を守るための措置であることを強調しましょう。
- 会社統制の欠如: 許可なく外部の人間が自由に出入りすることは、会社としての管理体制が機能していないと見なされます。これは、顧客や取引先からの信頼を損なうリスクがあることを強調しましょう。
- 業務効率の向上: 外部の訪問者が自由にフロアを歩き回ることで、社員の集中力が途切れたり、業務が中断されたりするのを防ぐため。本来の業務に集中できる環境を整えることが目的であることを伝えます。
中小企業においても、ビジネス環境が複雑化し、情報セキュリティの重要性が増している現在、無許可の立ち入りを制限することは極めて一般的な管理手法です。外部者の入退室を制限する処置は、会社を安全に、そして健全に運営していく上で、非常に重要なステップです。
説明会を開催したり、社内メールで丁寧に説明文を送ったり、ポスターを掲示したりするなど、複数の方法で周知徹底を図りましょう。なぜこの変更が必要なのかが理解できれば、不便さはあっても、「仕方ない」、「会社のためだ」と納得してもらいやすくなります。
柔軟な対応
受付で訪問者を制限することは正しい方向性ですが、新ルールが従業員の業務を不必要に妨げている可能性もあります。不満が出ている具体的な「不便」とは何かをヒアリングし、ルールを微調整することを検討してみましょう。
例えば、
- 取引先や関係性の深い業者: 事前にアポイントメントを取っている業者については、受付や内線電話等でスムーズに取り次ぐ方法を確立しましょう。
- 出入り業者: 弁当屋や宅配業者など、頻繁に利用するサービスについては、「許可を得た業者のみ短時間のみ入室を許可する」、「指定された場所に商品を置いてもらう」など、特定のルールを設けて柔軟に対応してみましょう。
- 弁当の販売: これまでのように弁当屋さんが机まで届ける代わりに、休憩スペースなどにまとめて配達してもらう方式に変更しましょう。
- 保険の相談: 各人の席で説明するのでなく、特定の相談ブースを設置したり、オンラインでの相談を推奨したりするなど、「場所」ではなく「方法」を変えることを提案しましょう。
これらの対策を通じて、セキュリティレベルを維持しつつ、従業員の不満を解消するバランスの良い解決策を見つけることができるはずです。一方的なルールの押し付けではなく、対話を通じて共に解決策を探っていく姿勢も必要です。
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