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従業員による不適切な投稿への対応

Last Updated on 2020年6月18日 by

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SNS利用に注意が必要

従業員が勤務先や顧客に関する不適切な内容の投稿をして問題になる事例が増えています。

内部告発の意思で行うものや中傷する意思で行うものもありますが、多くはそうした意図はなく軽い気持ちで投稿することが多いようです。

悪意は無くても、その投稿内容によって会社の信用が害されることもあります。以下に対策を記します。

日頃から注意を促す

会社に関することは軽い気持ちで外に発言(投稿)してはいけないことを、気付かせる必要があります。

従業員には次のことを理解させるように、社内掲示、定期的な回覧物への記載その他を用いて何度も繰り返し周知しましょう。

□ 個人の発言であっても会社全体の問題に発展し、企業イメージが損なわれる危険があること
□ 発言一つで、民事上の不法行為責任、刑事上の名誉毀損罪が成立することがあること
□ 匿名のつもりでも投稿者の特定が可能であること

投稿は、一般的に、おもしろいこと、常にはないこと、ばかばかしいこと、腹が立ったことを取り上げることが多いものです。従業員が日頃不満に思っていることに対して適切に対処して、少しでも不満の芽を少なくする努力が必要です。

また、法律上の違反行為が常態化していれば投稿される危険性が高まります。これ位は当然とか、これまでもこうやってきた、などという言い訳は通用しません。これまで以上にコンプライアンスを重視した経営をしなければなりません。

特に、セクハラ・パワハラの防止、長時間労働の防止について対策を急ぎましょう。

就業規則に記載する

会社支給のパソコン等を私用に用いることを禁止し、禁止措置に実効性をもたせるために、会社支給のパソコン等の私用状況について会社が内容を把握することを規定しましょう。

就業規則記載例
(パソコン等の取扱い)
第〇条 会社に設置されたパソコン等の電子機器(貸与されたものを含む)を私用に供してはならない。
2 会社は必要に応じて、前項の電子機器を利用する電子メールの内容、パソコン等を用いた閲覧内容等の検査を行う。不適切な利用が判明したときは期間を定めて以後の電子機器等の利用を制限する。違反内容によっては懲戒処分を行うことがある。
(SNSの利用について)
第〇条 従業員がSNS(ツイッター・フェイスブック・LINE等)の利用するときは、業務中業務外を問わず、次の事項を守らなければならない。
① 会社、関係先、ブランド名等が識別できる書き込み(画像や音声等の投稿を含む。以下同じ)をしないこと
② 会社及び関係先に属する個人が識別できる書き込みをしないこと
③ 商品情報、人事情報、取引先情報などの営業秘密に関する書き込みをしないこと
④ 会社及び関係先、並びにそれらに属する個人を非難中傷する書き込みをしないこと
2.会社からSNSの発信者として任命された者については前項①~③を適用しない。

この規定では、私物のパソコン等を用いての投稿までは制限できませんが、少なくとも会社支給のパソコン等を使って書き込むことを阻止することが第一歩です。

また、一般論としては、私的な行為は会社の懲戒処分の対象にならないとされていますが、会社の名誉信用を傷つける結果をもたらせば懲戒処分の対象にすることができます。

別規程でソーシャルメディア利用規程を作ることもあります。

ソーシャルメディア利用規程のサンプル

営業秘密を明確にする

会社の機密情報を漏らされたとしても、その情報が、不正競争防止法における「営業秘密」として管理されていなければ、漏えい者に対して責任を問えない場合もあります。

営業秘密とは、会社が一定の手順によって、営業秘密として管理している情報です。

例えば、情報媒体と管理施設へのアクセスを部署や職位によって制限したり、社外への公開を禁じる文書等についてはそのように明確に指定するなどの手順を社内規程によって実施してることが必要です。

もちろん、厳密な情報管理を実施していなくても、会社として慣例的に営業秘密として扱ってきた文書等を無断で公表すれば懲戒処分の対象になります。しかし、きちんとした情報管理をしていないと、微妙なところで追及できなくなることがあるものです。

営業秘密の保護について

不適切な書き込みへの対処

削除要請

不適切な書き込みを発見したときは、後日のためにその記録をとります(スクショ等)。

書き込みをした本人が判明している場合は、本人に削除を要請します。誰が書き込みをしたかが判明しない場合は、プロバイダに対して、発信者情報の開示を求めます。詳しい人が社内にいないときは弁護士、専門会社に措置を依頼しましょう。

懲戒処分等

懲戒処分ができるか検討します。損害が大きくなければ戒告処分、重大な損害があれば懲戒解雇も考えられます。

実際に損害が発生したときは損害賠償請求も考えられます。極めて悪質であるときは、会社や被害を受けた個人からの刑事告発も考えられます。