短時間就労者と短時間労働者の違いについて

社会保険

短時間就労者と短時間労働者

短時間「就労者」と短時間「労働者」は、どちらも正規社員よりも短い労働条件で働く人を指しますが、特に社会保険(健康保険・厚生年金保険)の適用に関して、使い分けがされています。

簡単にまとめると、以下のようになります。

名称主な定義(目的)社会保険の適用基準
短時間就労者一般的な社会保険の適用拡大前の基準、または広い意味での短時間勤務者。通常の労働者(正社員など)の所定労働時間・日数の4分の3以上を満たす労働者。
短時間労働者適用拡大された社会保険の特例的な加入要件を満たす労働者。4分の3未満の労働条件でも、以下の5つの要件(または類似の要件)をすべて満たす労働者。

短時間就労者

主に社会保険(健康保険・厚生年金保険)の従来の適用基準で使われる名称です。

  • 定義される労働者:パートタイマー、アルバイト、契約社員などのうち、正規社員より短い労働条件で勤務する人。
  • 社会保険の加入要件(4分の3基準)
    • 1週間の所定労働時間が、通常の労働者の4分の3以上であること。
    • 1か月の所定労働日数が、通常の労働者の4分の3以上であること。
    • この「4分の3基準」を満たす場合、原則として社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入対象となります。

短時間労働者

主に平成28年(2016年)10月以降に適用が拡大された社会保険の特例的な加入要件で使われる名称です。

  • 定義される労働者:「短時間就労者」の中でも、特に社会保険の適用拡大の対象となる労働者を指します。
  • 社会保険の加入要件(5要件):通常の労働者の「4分の3未満」の労働時間・日数であっても、以下の5つの要件をすべて満たす場合に、健康保険・厚生年金保険の加入対象となります。
    1. 週の所定労働時間20時間以上であること。
    2. 雇用期間2ヶ月(以前は1年)を超えて見込まれること。
    3. 賃金の月額が8.8万円以上であること。
    4. 学生でないこと(夜間、定時制などの学生は除く)。
    5. 特定適用事業所(企業規模の要件あり。段階的に拡大中)または国・地方公共団体に属する事業所に勤めていること。

このように、「短時間就労者」は社会保険への加入について、正社員の労働時間より少ないけれど正社員の4分の3以上という条件を満たす者、「短時間労働者は」は、4分の3条件を満たさないけれども、適用拡大の措置によって社会保険に加入できることになった者を指す、という整理ができます。