勤務形態によって社会保険に加入できない人がいる

Last Updated on 2022年6月6日 by

適用事業所とは

適用事業所とは、従業員を厚生年金や健康保険(社会保険)に加入させることが義務付けられている事業所です。

適用事業所に使用されている人は、適用除外に該当する場合を除いて、すべて、被保険者として社会保険に加入させなければなりません。

法人の事業所

法人の事業所は従業員数に関わらずすべて適用事業所です。株式会社、有限会社、合同会社、社会福祉法人などです。

個人事業の事業所

個人事業所は原則として適用事業所ではありませんが、適用業種(次項で説明)で常時5人以上の従業員を使用する事業所は、強制適用事業所になります。

強制適用事業所にならない個人事業の事業所は「任意適用事業所」といい、加入する義務はありませんが、要件を満たせば加入することもできます。

任意適用事業所が社会保険に加入するための要件とは「従業員の同意」です。従業員の2分の1以上が社会保険に加入することに同意し、事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受けることで加入できます。なお、この場合の従業員とは、認可を受けたときに社会保険の被保険者となる予定の従業員です。パートタイマーやアルバイトや等の従業員は、勤務時間などによっては被保険者とならないため、同意を聞く範囲に入らないことがあります。2分の1以上の同意によって加入が決ったときは、同意しなかった従業員も社会保険に加入することになります。なお、従業員の2分の1の同意があっても、事業主が加入したくないと思えば申請しないことができますが、現実的には難しいでしょう。

任意加入の個人事業所の事業主は、法人と違って社会保険に加入できません。従業員のみです。

適用業種とは

製造、建設、運輸、金融、卸・小売など多くの業種は適用業種です。

非適用業種とは農林水産、サービス(接客業・理容美容業など)、法務(弁護士業など)、宗教(神社・寺院・教会等)といった業種です。

ただし、2022年10月から、弁護士などの士業は適用業種に変更されます。新たに適用業務となる士業は、弁護士、沖縄弁護士、外国法事務弁護士、公認会計士、公証人、司法書士、土地家屋調査士、行政書士、海事代理人、税理士、社会保険労務士、弁理士です。

適用除外される場合

適用事業所に使用されている労働者は原則として社会保険に加入できるのですが、それぞれの勤務条件や勤務時間によっては、条件を満たさない場合には加入できません。厚生年金保険法第12条に規定されています。健康保険にも同様の規定があります。

第十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、第九条及び第十条第一項の規定にかかわらず、厚生年金保険の被保険者としない。

一 臨時に使用される者(船舶所有者に使用される船員を除く。)であつて、次に掲げるもの。ただし、イに掲げる者にあつては一月を超え、ロに掲げる者にあつては所定の期間を超え、引き続き使用されるに至つた場合を除く。
イ 日々雇い入れられる者
ロ 二月以内の期間を定めて使用される者

臨時に使用される者は原則として適用が除外されると規定しています。ただし、日々雇入れられる者であっても1ヶ月を超えたら適用しなければなりません。また、2ヶ月以内の期間を予定していても、当初予定されていた期間を超えた時点で適用させなければなりません。

なお、2022年10月1日からは以下のようになります。

雇用契約の期間が2ヶ月以内であっても、実態としてその雇用契約の期間を超えて使用される見込みがあると判断できる場合は、最初の雇用期間を含めて、当初から被用者保険の適用対象にしなければなりません。

二 所在地が一定しない事業所に使用される者

演芸の興行などのように巡回しているため所在地が一定しない事業所のことです。

三 季節的業務に使用される者(船舶所有者に使用される船員を除く。)。ただし、継続して四月を超えて使用されるべき場合は、この限りでない。

季節的業務(4ヶ月以内)に使用される人は適用除外です。ただし、継続して4ヶ月を超える予定で使用される場合は、当初から被保険者にしなければなりません。

四 臨時的事業の事業所に使用される者。ただし、継続して六月を超えて使用されるべき場合は、この限りでない。

6ヶ月以内に業務が終了する臨時的事業の事業所に使用される人は適用除外です。ただし、継続して6ヶ月を超える予定で使用される場合は、当初から被保険者にしなければなりません。

五 事業所に使用される者であつて、その一週間の所定労働時間が通常の労働者の一週間の所定労働時間の四分の三未満である同条に規定する短時間労働者又はその一月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の一月間の所定労働日数の四分の三未満である短時間労働者に該当し、かつ、イからニまでのいずれかの要件に該当するもの
イ 一週間の所定労働時間が二十時間未満であること。
ロ 当該事業所に継続して一年以上使用されることが見込まれないこと。
ハ 報酬(最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第四条第三項各号に掲げる賃金に相当するものとして厚生労働省令で定めるものを除く。)について、厚生労働省令で定めるところにより、第二十二条第一項の規定の例により算定した額が、八万八千円未満であること。

会社等に勤務していても、労働時間が一般の労働者の4分の3未満であれば原則として除外すると定めています。

ただし、労働時間が4分の3未満であっても、イ~ハのいずれかに該当すれば除外です。いずれにも該当しなければ適用されます。

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ニ 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第五十条に規定する高等学校の生徒、同法第八十三条に規定する大学の学生その他の厚生労働省令で定める者であること。

昼間部の学生は除外されます。

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