はじめに
労働基準法は、すべての働く人を守るために、労働条件の最低基準を定めた重要な法律です。正社員、アルバイト、パートといった雇用形態を問わず、すべての労働者に適用されます。
この記事では、「労働基準法ってなんとなく聞いたことはあるけど、内容はよく知らない…」という方のために、これだけは押さえておきたい主要項目と、全体像をわかりやすく解説します。
労働基準法って何のための法律?
労働基準法(昭和22年施行)は、働く人の生活と権利を守るために、次のような最低限のルールを定めています。
働く時間は?
休みは取れる?
残業代はちゃんともらえる?
解雇されるときはどうなる?
といった、労働者と会社の関係における「ルールブック」といえるものです。
そして、このルールは「最低限」なので、これより不利な条件はNG!となっています。
労働条件
解雇・退職
賃金
休暇・休業手当
労働時間・休憩・休日
労働基準法では、労働時間は原則1日8時間、週40時間を超えてはならないと定められています(第32条)。法定労働時間といいます。法定労働時間を超えて働かせるには、使用者と労働者代表による「36協定(さぶろくきょうてい)」の締結が必要です。
休憩時間って法律でどう決まってる?労働基準法に定められた休憩のルール
賃金の支払いと残業代
労働基準法は、賃金についても厳格なルールを設けています(第24条)。
① 通貨払い(現金)
② 全額払い(控除には制限)
③ 直接払い(家族への代払いは原則不可)
④ 毎月1回以上、一定期日での支払い
また、法定労働時間を超えた労働(いわゆる「残業」)には、割増賃金の支払いが義務です。
解雇・退職に関するルール
労働基準法は労働者の解雇に制限をかけています(第20条など)。解雇する場合は30日前の予告または30日分以上の平均賃金の支払いが必要です(解雇予告手当)。さらに、業務上のケガや病気で休んでいる人を、一定期間内に解雇することは禁止されています(第19条)。
安全・衛生の確保
職場の安全にも配慮しなければなりません。危険な作業には資格者の配置や保護具の着用義務、長時間労働や過重労働による健康障害の防止、過労死・メンタルヘルス対策 などがあります。これらについては、労働安全衛生法にも定められています。
年少者・妊産婦
その他
労働基準法を守らないとどうなる?
残業代を払わないなどの労働基準法違反に対しては、調査の上、是正勧告 という指導が行われます。 悪質であれば送検されることもあります。
送検された場合、罰則(刑事罰)が科されることがあります。「知らなかった」ではすまされないのが労働法です。