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賃金はどう決まる?― 労働法で定められている「賃金のルール」総まとめ

Last Updated on 2025年7月21日 by

こんにちは、労務・人事担当の皆さま。今回は、給与計算・就業管理の基礎となる「賃金の法律ルール」を、労働基準法を中心に、法律で規制されていることを中心にわかりやすくご紹介します。

🎯 そもそも「賃金」とは?

労働基準法第11条によれば、賃金とは:

「労働の対償として、使用者が労働者に支払うすべてのもの」
→ 名称や支払方法を問わず、基本給・諸手当・賞与・退職金なども含まれます。

⚖️ 賃金の「合意原則」と「法的な下限」

✔ 合意が基本(労働契約法)

賃金額や支払い方法は、労働者と使用者の合意に基づき決まります。
合意は文書で記録されます:

・労働契約書/雇用契約書
・労働条件通知書
・就業規則・賃金規程 など

ただし、「合意すれば自由に決めてよい」わけではありません。
合意を超えて優先される法的ルール(下限・義務)が存在します。

📜 賃金に関する主要な法律と条文まとめ

✅ 労働基準法第24条:賃金支払いの5原則

原則名内容
通貨払いの原則原則として「現金(通貨)」で支払う。
※労働者の同意があれば銀行振込も可(通達あり)
直接払いの原則労働者本人に直接支払う(他人に代理で支払うことは原則不可)
全額払いの原則賃金は原則として全額支払う(例外:税金・社保料・組合費など法令や労使協定による控除はOK)
毎月1回以上少なくとも月1回以上の支払いが必要(隔月や不定期払いは原則NG)
一定期日払い支払日は「毎月◯日」など、事前に決めた期日でなければならない

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通貨払いの原則

直接払いの原則

全額払いの原則

毎月一回以上の原則

一定期日の原則

✅ 労働基準法第59条:代理受取の禁止

労働者の賃金は「労働者本人に支払わなければならない」。
親族・上司・事業主代理人などによる無断代理受領は原則として違法です。

例外的に、「使者」という形で、本人が明示的に委任し、特段の事情がある場合は認められることがありますが、トラブルの元になりやすいため慎重に対応すべきです

✅ 最低賃金法:地域別最低賃金の遵守

労働者に支払う賃金は、都道府県ごとに定められた最低賃金(時給)以上でなければなりません。
業種別最低賃金が設定されている業種もあります。

例:東京都(令和6年度)最低賃金=1,113円/時

違反時には50万円以下の罰金が科される可能性あり

関連記事:最低賃金法のあらまし

✅ 割増賃金の規定(労基法第37条)

労働時間が法定の範囲を超える場合、割増賃金の支払いが義務づけられています。

区分割増率補足
時間外労働25%以上1か月60時間超は50%以上
深夜労働(22時〜翌5時)25%以上早出残業との重複に注意
法定休日労働35%以上週1日の法定休日に勤務した場合

✅ 男女雇用機会均等法・パートタイム労働法など

・性別や雇用形態によって不当な賃金差別は禁止

・同一労働同一賃金の原則により、説明義務も課されます(パートタイム・有期雇用法)

📌 その他の注意点

法律等内容
賃金の支払の確保等に関する法律(賃確法)倒産などで賃金が未払いとなった場合、労災基金が立替払いする制度あり(未払賃金立替払制度)
労働契約法第15条労働者の賃金など労働条件の明示義務(労働条件通知書など)
労働基準法第25条非常時の前払
電子マネー給与労働者の同意、即時引出可能性、厚労省認定サービス使用が条件(令和5年法改正で可能に)

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未払賃金立替払制度

労働者を採用するときは労働条件通知書を交付しなければなりません

賃金の前借と非常時払い

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📝 まとめ

労働者との「合意」は賃金の大前提、でも「法律の制限」には要注意!

項目要点
合意原則労使の契約が賃金決定の基本
法律の下限最低賃金、割増賃金、支払い原則などには必ず従う必要あり
労働者保護賃金の直接・全額・期日払い、代理受取の原則禁止など
文書化雇用契約書・就業規則などによる明文化が重要

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