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ハラスメント

同僚間のハラスメントに関する注意喚起の文書(サンプル)

Last Updated on 2025年7月13日 by

社内通達:同僚間のハラスメント防止について

令和◯年◯月◯日

従業員の皆さんへ

株式会社◯◯ 
社長 ◯◯◯◯

快適な職場環境は、私たち一人ひとりが互いを尊重し、協力し合うことで築かれます。当社ではこれまでも、セクシャルハラスメント、マタニティハラスメント、パワーハラスメントといった各種ハラスメントの防止に努めてまいりました。

ハラスメントと聞くと、「上司から部下へ」「優位な立場から劣位な立場へ」といった構図をイメージされる方が多いかもしれません。しかし、上司・部下の関係ではない同僚間であっても、特定の言動がハラスメントに該当し、会社として見過ごせない重大な問題となることがあります。

同僚間の個人的なトラブルに見えても、その行為が相手に精神的・身体的な苦痛を与えたり、就業環境を悪化させたりするものであれば、それはハラスメントに該当し、会社はハラスメント対策を行う義務があります。

同僚間において、以下のような行為はハラスメントと見なされ、関係者に重大な影響を及ぼす可能性があります。下記の事項に留意し、十分注意されるようお願いいたします。

セクシュアルハラスメント(セクハラ)

性的な言動によって、相手が不快に感じたり、就業環境が害されたりすることです。

性的な冗談や発言:相手が嫌がっているにもかかわらず、性的な内容の冗談を言ったり、性的な経験について執拗に尋ねたりする。

身体への不必要な接触:肩や腰に触れる、抱きつくなど、性的な意図がないとしても相手が不快に感じる身体的接触。

性的な噂の流布:事実に基づかない性的な噂を広める行為。

個人的な交際・デートの強要: 相手が拒否しているにもかかわらず、執拗に誘い続ける。

パワーハラスメント(パワハラ)

優位性のある立場を利用し、相手に精神的・身体的苦痛を与えることです。同僚間では、特定のグループからの無視、集団でのいじめ、特定の個人に対する嫌がらせなどが該当します。

精神的な攻撃:誹謗中傷、暴言、仲間外れ、無視、SNS等での攻撃的な書き込み。

過大な要求:業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強要。

過小な要求:業務を与えず、意図的に仕事から外す。

個の侵害: プライベートな情報を執拗に聞き出す、噂を流す、立ち入った干渉をする。

マタニティハラスメント(マタハラ)

妊娠・出産・育児に関するハラスメントです。同僚間でも、以下のような行為はマタハラに該当します。

心無い言動: 妊娠・育児中の同僚に対し、「迷惑」「役立たず」といった心無い言葉を浴びせる。

制度利用の妨害: 育児休業や時短勤務制度の利用を揶揄したり、諦めさせようとしたりする。

嫌がらせ: 妊娠・育児中の同僚に対して、業務上の協力を拒否したり、嫌がらせを行ったりする。

なぜ同僚間のハラスメントが問題か

同僚間のハラスメントは、個人の尊厳を傷つけるだけでなく、職場の雰囲気を著しく悪化させ、チーム全体の生産性低下にもつながります。放置すれば、ハラスメントを受けた従業員が精神的な不調をきたし、休職や退職に至ることもあります。会社としては、このような事態は決して看過できません。

私たち一人ひとりにできること

相手への配慮と尊重:相手がどう感じるかを常に考え、言動には細心の注意を払いましょう。

多様性の理解: 性別、年齢、国籍、価値観などが異なる人々がいることを理解し、それぞれの違いを尊重しましょう。

ハラスメントは許さないという意識: 自身の言動がハラスメントに該当しないか常に自問自答し、他者のハラスメント行為には毅然とした態度で臨みましょう。

相談窓口の利用: もし、ハラスメントを受けていると感じたら、またハラスメントを目撃したら、ためらわずに人事部または社内相談窓口に相談してください。相談者のプライバシーは保護され、不利益な取り扱いは一切いたしません。

ハラスメントは、被害者、加害者、そして会社全体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。同僚間のハラスメントも例外ではありません。「個人的なことだから」「大したことない」と安易に考えず、上記のような行為は絶対に行わないでください。

皆で協力し、誰もが安心して働ける健全な職場環境を維持していきましょう。


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