使用者の都合で休ませるときは休業手当を支給します

Last Updated on 2021年7月23日 by

休業手当とは

休日というのは、土日など、就業規則で定められた労働義務のない日のことです。これに対して、休業というのは、本来労働日であるにもかかわらず、何らかの理由でその義務を免除された日、または時間のことをいいます。

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合は、その労働者の平均賃金の100分の60以上にあたる手当を支払わなければなりません。これを休業手当といいます。

労働基準法第26条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。

平均賃金

使用者の責に帰すべき事由とは

労働基準法に基づく休業手当の支払が必要なのは「使用者の責に帰すべき事由」がある場合です。

具体的には、仕事が少ないので労働者を休ませた場合や、機械の故障のために仕事ができない、資金が不足して仕事ができない、材料が足りなくて仕事ができない、監督官庁の勧告により操業を中止せざるを得ない、などの理由で休ませるときは、使用者の責に帰すべき事由とみなされます。

民法との関係

労働基準法26条と似た規定が民法にもあります。

民法536条2項 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。

債権者を「会社」、債務の履行を「労務の提供」、債務者を「労働者」、反対給付を「賃金」と読み替えることができます。

つまり、会社の事情で働くことができなくなったときは、労働者はその分の賃金を請求できます。この場合は、100分の60ではなく、全額を請求できると解されています。

違いについて説明します。

労働基準法26条の方が「責に帰すべき事由」の範囲が広く適用されます。使用者に責任がない事由であっても(天災などの不可抗力な事態を除いて)結果として休業させた場合は休業手当を支払わなければなりません。

また、労働基準法の規定なので、適用に迷う場合は、裁判にするまでもなく、労働基準監督署に照会することで決めることができます。

これに対して、民法526条の「責めに帰すべき事由」は少し限定的です。つまり、「故意、過失または信義則上これと同視すべき事由」と解されています。

民法526条による100%の賃金請求権を求めるのであれば、会社の故意または過失による休業だと認められなければなりません。故意または過失の認定は、労働基準監督署でなく裁判に求めなければなりません。

休業手当を支払う手続き

休業手当は、給料と同じなので、次の賃金支払日に給料と一緒に支払う必要があります。休業手当はあくまで給与の一部なので所得税の課税対象となります。

早退させたときは、その日の賃金が平均賃金の100分の60に満たない場合には、平均賃金の100分の60と実際に働いた時間に対する賃金の差額を休業手当として支払う必要があります。

休業手当を支払っても労働基準監督署等への手続きは必要ありません。ただし、休業手当を支払う必要があるのに支払わなかった場合は、労働基準法違反として罰金が科せられる場合があります。

また、支払った休業手当が助成金で補てんされる場合があります。施策は都度変更されているので「厚生労働省」「雇用調整助成金」で検索してください。

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カテゴリー: 賃金