両制度の違い
高度プロフェッショナル制度と企画業務型裁量労働制の最も大きな違いは、主に以下の4点です。
- 割増賃金(残業代など)の支払い
- 年収要件
- 労働基準法の労働時間に関する規定の適用範囲
- 対象業務
割増賃金の支払い
| 制度 | 時間外労働(残業) | 深夜労働(22時~5時) | 休日労働(法定休日) |
| 高度プロフェッショナル制度 | 割増賃金の支払いなし | 割増賃金の支払いなし | 割増賃金の支払いなし |
| 企画業務型裁量労働制 | みなし労働時間が法定労働時間を超えた分について割増賃金が発生する(※) | 割増賃金が発生する | 割増賃金が発生する |
(※)企画業務型裁量労働制では、労働時間は「みなし」で計算されますが、深夜労働と法定休日労働については、通常の労働者と同様に割増賃金が支払われます。
年収要件
| 制度 | 年収要件 |
| 高度プロフェッショナル制度 | あり(賃金が基準額(※)以上であること。2025年10月現在の基準額は1,075万円) |
| 企画業務型裁量労働制 | なし |
(※)「基準額」は、厚生労働大臣が定める額で、変動する可能性があります。
労働基準法の労働時間に関する規定の適用範囲
| 制度 | 労働時間、休憩、休日に関する規定の適用 |
| 高度プロフェッショナル制度 | 適用されない(ただし、健康確保措置として、年間104日以上の休日、4週間を通じ4日以上の休日の付与義務などがあります。) |
| 企画業務型裁量労働制 | 労働時間の算定に「みなし労働時間制」が適用されるが、休憩、休日、深夜の割増賃金などについては適用される |
対象業務
| 制度 | 対象業務の範囲 |
| 高度プロフェッショナル制度 | 高度な専門的知識を必要とし、職務の範囲が明確で、年収要件を満たす業務(例:金融商品の開発、コンサルティング、研究開発など)に限定される |
| 企画業務型裁量労働制 | 事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務(例:本社などにおける経営企画、人事、広報などの業務)に限定される |
まとめると、高度プロフェッショナル制度は、高年収かつ高度な専門職を対象に、労働時間規制の大部分を完全に適用除外とする、より規制緩和の度合いが高い制度です。一方、企画業務型裁量労働制は、企画・立案業務を対象に、労働時間の算定のみをみなしとし、深夜・休日の割増賃金などは適用される制度です。



