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労働基準法 労働時間

公民権休暇について

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公民権休暇とは

選挙権の行使や裁判員の仕事をするための休暇を請求されたときは拒むことができません。

根拠になる法令は労働基準法の規定です。

労働基準法第7条 使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない。但し、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。

e-Gov法令検索 2020/08/14

公民としての権利

公民としての権利には次のものがあります。

1 公職選挙権及び被選挙権
2 最高裁判所の国民審査
3 特別法の住民投票
4 憲法改正の国民投票
5 地方自治法による住民の直接請求権
6 選挙権及び住民としての直接請求権の行使等の要件となる選挙人名簿の登録の申出
7 行政事件訴訟法に規定する民衆訴訟
8 公職選挙法に規定する選挙人名簿に関する訴訟及び選挙又は当選に関する訴訟など

次のものは公民としての権利に入りません。

1 応援のための選挙活動
2 個人としての訴訟

公の職務

公の職務には次のものがあります。

1 議員の職務
2 労働委員会の委員の職務
3 陪審員の職務
4 検察審査員の職務
5 法令に基づいて設置される審議会の委員等の職務
6 民事訴訟法による証人の職務
7 労働委員会の証人等の職務
8 公職選挙法の規定による選挙立会人等の職務など

従業員が議員に立候補し当選したときは、従業員の身分のまま議員としての職務を行うことが法律上認められています。

事業に与える影響が大きいとして退職を求めて認められた裁判例もありますが、大きく括ると公の職務に就くのは国民の権利です。

次のものは公の職務に入りません。

1 労務の提供を主たる目的とする職務

上には、予備自衛官の招集、非常勤の消防団員の職務等に応ずる場合があります。

運用の注意点

時刻の変更

労働基準法には、ただし書きで、時刻を変更させることができると規定していますが、よほどの事情がなければ請求した時間に行かせるべきでしょう。

欠勤扱い

有給休暇の出勤率や、精勤手当等において欠勤日数に数えることはできないという解釈が一般的です。欠勤扱いにすると、実質的に休暇の取得を抑制してしまうからです。

有給にするか無給にするかは就業規則で定めることができます。無給が多いです。

裁判員

裁判員、もしくは裁判員候補としての職務も、労働基準法第7条に該当します。

就業規則への記載

公民権行使|就業規則

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会社の規程 労働時間

災害時の時間外労働|就業規則

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災害時の扱いについて定める

災害などで臨時に必要が生じたときは、労働基準法第33条の手続きをすることで、法定労働時間や36協定による労働時間を超えて業務に従事させることができます。

その場合の扱いを就業規則に定めておきます。

第21条の3 災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合においては、第〇条及び第〇条の規定にかかわらず、時間外又は休日に労働を命ずることがある。この場合、事前若しくは事後に 所轄労働基準監督署長に許可を受け若しくは届出を行うものとする。

2 前項の場合であっても、請求のあった妊産婦については、所定労働時間外労働又は休日労働に従事させない。

3 第1項の規定により時間外労働又は休日労働を行なったときは、賃金規程の定めるところにより、時間外割増賃金又は休日労働割増賃金を支給する。

4 第1項の規定により長時間にわたる時間外・休日労働にいたった従業員は、医師による面接指導を求めることができる。

解説記事:災害時の時間外労働

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労働基準法 労働時間

労働時間及び休憩の特例

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労働基準法第40条

労働基準法は、労働時間や休憩について、事業や業務の特殊性や利用者の便宜に応じた例外的な扱いを認めています。

労働基準法第40条 別表第一第一号から第三号まで、第六号及び第七号に掲げる事業以外の事業で、公衆の不便を避けるために必要なものその他特殊の必要あるものについては、その必要避くべからざる限度で、第32条から第32条の五までの労働時間及び第34条の休憩に関する規定について、厚生労働省令で別段の定めをすることができる。
2 前項の規定による別段の定めは、この法律で定める基準に近いものであつて、労働者の健康及び福祉を害しないものでなければならない。

e-Gov法令検索 2020/08/23

特例の対象業種

対象になるのは、「別表第一第一号から第三号まで、第六号及び第七号に掲げる事業以外の事業以外の事業」と定められています。

製造業、鉱業、土木・建設業、農業、畜産、漁業などは除かれるということです。

指定された業種を除くと「別段の定めをすることができる」のは次の業種ということになります。

別表第一第四号 道路、鉄道、軌道、索道、船舶又は航空機による旅客又は貨物の運送の事業
第八号 物品の販売、配給、保管若しくは賃貸又は理容の事業
第九号 金融、保険、媒介、周旋、集金、案内又は広告の事業
第十号 映画の製作又は映写、演劇その他興行の事業
第十一号 郵便、信書便又は電気通信の事業
第十二号 教育、研究又は調査の事業
第十三号 病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業
第十四号 旅館、料理店、飲食店、接客業又は娯楽場の事業
第十五号 焼却、清掃又はと畜場の事業

40条に基づく厚生労働省令

週44時間労働

1週間について44時間労働に延長できる場合を規定しています。

労働基準法施行規則第25条の2 使用者は、法別表第一第八号、第十号(映画の製作の事業を除く。)、第十三号及び第十四号に掲げる事業のうち常時十人未満の労働者を使用するものについては、法第三十二条の規定にかかわらず、一週間について四十四時間、一日について八時間まで労働させることができる。

e-Gov法令検索 2020/08/23

次の2つを満たせば週の労働時間を44時間までにできます。一日8時間は守らなければなりません。

□ 第八号(商業など)、第十号(映画など)、第十三号(病院など)、第十四号(旅館・飲食店など)の業種

□ 使用する労働者が常時10人未満

週44時間を1ヶ月単位の変形労働時間制にも適用できます。

労働基準法施行規則第25条の2の2 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定(労使委員会における委員の五分の四以上の多数による決議及び労働時間等設定改善法第七条の労働時間等設定改善委員会における委員の五分の四以上の多数による決議を含む。以下この条において同じ。)により、又は就業規則その他これに準ずるものにより、一箇月以内の期間を平均し一週間当たりの労働時間が四十四時間を超えない定めをした場合においては、前項に規定する事業については同項の規定にかかわらず、その定めにより、特定された週において四十四時間又は特定された日において八時間を超えて、労働させることができる。

e-Gov法令検索 2020/08/23

週44時間をフレックスタイム制にも適用できます。

労働基準法施行規則第25条の2の3 使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねることとした労働者については、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、その協定で第二号の清算期間として定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が四十四時間を超えない範囲内において、第一項に規定する事業については同項の規定にかかわらず、一週間において四十四時間又は一日において八時間を超えて、労働させることができる。
一 この項の規定による労働時間により労働させることとされる労働者の範囲
二 清算期間(その期間を平均し一週間当たりの労働時間が四十四時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、一箇月以内の期間に限るものとする。次号において同じ。)
三 清算期間における総労働時間
四 標準となる一日の労働時間
五 労働者が労働しなければならない時間帯を定める場合には、その時間帯の開始及び終了の時刻
六 労働者がその選択により労働することができる時間帯に制限を設ける場合には、その時間帯の開始及び終了の時刻

e-Gov法令検索 2020/08/23

1年単位の変形労働時間制及び1週間単位の非定型的変形労働時間制には適用されません。

労働基準法施行規則第25条の2の4 第一項に規定する事業については、法第三十二条の三第一項(同項第二号の清算期間が一箇月を超えるものである場合に限る。)、第三十二条の四又は第三十二条の五の規定により労働者に労働させる場合には、前三項の規定は適用しない。

e-Gov法令検索 2020/08/23

休憩付与の例外

休憩時間を与えないことができる業種及び職種が指定されています。

労働基準法施行規則第32条 使用者は、法別表第一第四号に掲げる事業又は郵便若しくは信書便の事業に使用される労働者のうち列車、気動車、電車、自動車、船舶又は航空機に乗務する機関手、運転手、操縦士、車掌、列車掛、荷扱手、列車手、給仕、暖冷房乗務員及び電源乗務員(以下単に「乗務員」という。)で長距離にわたり継続して乗務するもの並びに同表第十一号に掲げる事業に使用される労働者で屋内勤務者三十人未満の日本郵便株式会社の営業所(簡易郵便局法(昭和二十四年法律第二百十三号)第二条に規定する郵便窓口業務を行うものに限る。)において郵便の業務に従事するものについては、法第三十四条の規定にかかわらず、休憩時間を与えないことができる。

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旅客又は貨物の運送の事業、郵便の事業に使用される労働者のうち、機関手、運転手、操縦士、車掌等で、長距離にわたり継続して乗務する者が対象です。

屋内勤務者30人未満の郵便局において郵便の業務に従事するものも対象です。

労働基準法施行規則第32条2 使用者は、乗務員で前項の規定に該当しないものについては、その者の従事する業務の性質上、休憩時間を与えることができないと認められる場合において、その勤務中における停車時間、折返しによる待合せ時間その他の時間の合計が法第34条第1項に規定する休憩時間に相当するときは、同条の規定にかかわらず、休憩時間を与えないことができる。

e-Gov法令検索 2020/08/23

乗務員で前項の規定に該当しないものであっても、その者の従事する業務の性質上、休憩時間を与えることができないと認められる場合においては、その勤務中における停車時間、折返しによる待合せ時間その他の時間の合計が休憩時間に相当するときは、休憩時間を与えないことができます。

一斉休憩の例外

労働基準法施行規則第31条 法別表第一第四号、第八号、第九号、第十号、第十一号、第十三号及び第十四号に掲げる事業並びに官公署の事業(同表に掲げる事業を除く。)については、法第34条第2項の規定は、適用しない。

e-Gov法令検索 2020/08/23

労働基準法34条第2項(一斉休憩)が除外されるのは以下の業種です。

別表第一第四号 道路、鉄道、軌道、索道、船舶又は航空機による旅客又は貨物の運送の事業
第八号 物品の販売、配給、保管若しくは賃貸又は理容の事業
第九号 金融、保険、媒介、周旋、集金、案内又は広告の事業
第十号 映画の製作又は映写、演劇その他興行の事業
第十一号 郵便、信書便又は電気通信の事業
第十三号 病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業
第十四号 旅館、料理店、飲食店、接客業又は娯楽場の事業
官公署の事業

上記以外の業種でも、労使協定を締結することにより一斉付与を適用除外することができます。

休憩自由利用の例外

労働基準法施行規則第33条 法第34条第3項の規定は、左の各号の一に該当する労働者については適用しない。
一 警察官、消防吏員、常勤の消防団員、准救急隊員及び児童自立支援施設に勤務する職員で児童と起居をともにする者
二 乳児院、児童養護施設及び障害児入所施設に勤務する職員で児童と起居をともにする者
三 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第六条の三第十一項に規定する居宅訪問型保育事業に使用される労働者のうち、家庭的保育者(同条第九項第一号に規定する家庭的保育者をいう。以下この号において同じ。)として保育を行う者(同一の居宅において、一の児童に対して複数の家庭的保育者が同時に保育を行う場合を除く。)

e-Gov法令検索 2020/08/23

警察官、消防吏員、常勤の消防団員、准救急隊員及び児童自立支援施設に勤務する職員で児童と起居をともにする者は、所轄労働基準監督署長の許可は不要で自由利用を規制できます。

児童福祉法規定する居宅訪問型保育事業に使用される労働者のうち、家庭的保育者として保育を行う者(一部除く)も所轄労働基準監督署長の許可は不要で自由利用を規制できます。

労働基準法施行規則第33条2 前項第二号に掲げる労働者を使用する使用者は、その員数、収容する児童数及び勤務の態様について、様式第十三号の五によつて、予め所轄労働基準監督署長の許可を受けなければならない。

e-Gov法令検索 2020/08/23

乳児院、児童養護施設 及び障害児入所施設に勤務する職員で児童と起居をともにする者の休憩自由利用を規制するには所轄労働基準監督署長の許可が必要です。

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労働時間

農業水産業の労働時間適用除外

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労働時間規定の適用除外

労働基準法の労働時間に関する規定が適用されない事業と職種があります。

労働基準法第41条 この章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
一 別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者
二 管理監督者
三 監視断続的労働

e-Gov法令検索 2020/08/23

関連記事:管理監督者の労働時間

関連記事:監視断続的労働の扱い

別表第一第六号又は第七号とは

別表第一第六号又は第七号に掲げる事業とは、次のように、農林水産の事業です。

六 土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業

七 動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業

このような業種は自然現象によって労働時間が左右され、作業の性質から労働時間を制限することが難しいという理由です。忙しいときもあるが、天候や時期によって休めるときも多いので適用除外しても労働者にとって不利とはいえないということのようです。

なお、林業は適用除外ではありません。林業は自然的条件によって業務をする時間等が左右されるとはいえないからです。

適用除外された結果

1週40時間、1日8時間を超えられないという法定労働時間が適用されません。週1回の休日も適用されません。そのため、時間外労働割増賃金の規定も適用されません。6時間を超えれば45分などの休憩の規定も適用されません。

深夜労働の規定、年次有給休暇の規定は、労働時間、休憩、休日の規定に含まれないので適用されます。

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年少者の深夜業

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年少者の深夜業は原則禁止

18歳未満の労働者を午後10時から午前5時までの時間に働かせることは原則として禁止されています。

労働基準法第61条
使用者は、満18才に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によつて使用する満16才以上の男性については、この限りでない。

(深夜業)
労働基準法第61条 使用者は、満18才に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によつて使用する満16才以上の男性については、この限りでない。

ただし書きにおいて、交替制勤務で、満16歳以上で、男性の場合に認めています。

地域・期間による時間帯の変更

深夜業の時間帯をずらすことは地域・期間を限定して認められています。

2 厚生労働大臣は、必要であると認める場合においては、前項の時刻を、地域又は期間を限つて、午後11時及び午前6時とすることができる。

交替勤務時の特例

交替制勤務については労働基準監督署の許可を得れば若干調整できます。

3 交替制によつて労働させる事業については、行政官庁の許可を受けて、第1項の規定にかかわらず午後10時30分まで労働させ、又は前項の規定にかかわらず午前5時30分から労働させることができる。

規制除外事業等

深夜業の規制から外されている事業・業務があります。

4 前三項の規定は、第33条第1項の規定によつて労働時間を延長し、若しくは休日に労働させる場合又は別表第一第六号、第七号若しくは第十三号に掲げる事業若しくは電話交換の業務については、適用しない。

第33条第1項の規定とは、災害等による臨時の必要がある場合の規定です。

別表第一第六号とは、土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業

別表第一第七号とは、動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業

別表第一第十三号とは、病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業

児童の深夜業

5 第1項及び第2項の時刻は、第56条第2項の規定によつて使用する児童については、第1項の時刻は、午後8時及び午前5時とし、第2項の時刻は、午後9時及び午前6時とする。

「第56条第2項の規定によつて使用する児童」というのは次の規定にある児童です。

労働基準法第56条2 前項の規定にかかわらず、別表第一第一号から第五号までに掲げる事業以外の事業に係る職業で、児童の健康及び福祉に有害でなく、かつ、その労働が軽易なものについては、行政官庁の許可を受けて、満13歳以上の児童をその者の修学時間外に使用することができる。映画の製作又は演劇の事業については、満13歳に満たない児童についても、同様とする。

児童(15歳到達後最初の3月31日までの者=中学生以下の者)については、午後8時から午前5時(演劇子役の場合は午後9時から午前6時)の間の就業が深夜業として禁止されるという規定です。