カテゴリー
労働時間

高度プロフェショナル制度

トップページ労働時間の適正な管理いろいろな変形労働時間制>このページ

高度プロフェショナル制度とは

高度プロフェッショナル制度とは、一定の年収要件を満たし、職務範囲が明確で、高度な職業能力を有する労働者を対象とした制度です。

具体的には厚生労働省令で定められた業務に従事する、年収1075万円以上の従業員が対象です。

高度プロフェッショナル制度の対象になれば、労働基準法の時間に関する規定(労働時間、休憩、休日、深夜労働、時間外割増賃金など)が適用されなくなります。そのため、長時間労働を防止するための措置を講じることが制度導入の条件になります。

導入手続き

高度プロフェッショナル制度を導入するには労使による委員会を設置し、導入に関する決議をする必要があります。

決議をしたら、決議内容を労働基準監督署に届出ます。

また届出をした事業場は、健康確保措置の実施状況を定期的に行政官庁に報告する義務が生じます。

実施にあたっては、労使委員会の決議だけでなく、対象になる労働者の個別の書面による同意も必要です。

労使委員会とは

労使委員会は、賃金、労働時間その他の当該事業所の労働条件に関する事項を調査審議し、事業者に対し、当該事項について意見を述べることを目的事項として設置します。

労使委員会について

労使委員会の規程を作成し、招集、定足数、議事その他労使委員会の運営について必要な事項を定め、議事が議事録として作成、保存され、また当該事業場の労働者に周知されている必要があります。

労使委員会運営規程のサンプル

周知について

労使委員会での決議事項

1.対象業務
2.対象労働者
3.健康管理時間を把握する措置
4.対象労働者に付与する休日の日数
5.対象労働者に講じる措置
6.健康及び福祉を確保する措置
7.同意の撤回手続き
8.苦情への対応
9.不同意労働者への対応
10.その他

導入の条件

上記の決議事項は次の条件を満たしていなければなりません。

1.対象業務

ITや会計、制作、編集など専門的な知識を必要とし、従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令に定められているものです。

(想定されている業種例)
・金融商品の開発業務
・金融商品のディーリング業務
・アナリストの業務(企業・市場等の高度な分析業務)
・コンサルタントの業務(事業・業務の企画運営に関する高度な考案又は助言の業務)
・プログラムの開発業務
・医療品等の研究開発業務

2.対象労働者

対象労働者については、使用者と書面等の方法による合意に基づき職務が明確に定められることが必要です。また1年間に支払われると見込まれる賃金の額が1075万円以上であることが必要です。

3.労働時間の把握

使用者が対象労働者の事業場内に所在した時間だけでなく、事業場外で業務に従事した場合における労働時間との合計の時間(健康管理時間)を把握するための措置を決議することが必要です。

4.休日の付与

高度プロフェッショナル制度の対象者に対しては、1年間を通じて104日以上の休日、4週間を通じて4日以上の休日を与えることを決議し、就業規則に定める必要があります。

5.対象労働者に講じる措置

① 勤務間インターバルの設定と深夜業の回数の制限
② 1ヶ月または3ヶ月の健康管理時間の上限を定める
③ 2週間連続の休日を年に1回以上(労働者が希望する場合には1週間連続の休日を年2回以上)与える
④ 健康管理時間の状況に応じて臨時の健康診断を実施する

労使委員会では上記①~④のいずれかの措置を決議し、就業規則に定める必要があります。

6.健康及び福祉を確保する措置

有休休暇の付与、健康診断の実施などの省令の定める事項のうち、労働者の健康管理時間の状況に応じた健康及び福祉を確保するための措置(有給休暇の付与や健康診断の実施が想定されています)を実施することを決議する必要があります。

7.同意の撤回

対象となった労働者は同意を撤回することができるので、同意を撤回する場合の手続きを定める必要があります。

8.苦情処理

高度プロフェッショナル制度の対象労働者から苦情が出た場合についての措置に関して定める必要があります。

9.不同意労働者

高度プロフェッショナル制度について同意をしなかった労働者に、不利益な取扱いはしてはならないことを決議する必要があります。

10.その他

その他、厚生労働省令で定める事項について、労使委員会で決議する必要があります。