雇用形態による待遇格差の問題

Last Updated on 2021年7月30日 by

不合理な待遇差をなくする

パートタイム・有期雇用労働法により、同一企業内において、正社員とパート社員等の間で、基本給や賞与などの個々の待遇ごとに、不合理な待遇差を設けてはいけません。

均衡待遇規定(不合理な待遇差の禁止)

下記3点の違いを考慮した上で、不合理な待遇差があってはいけません。
① 職務内容
② 職務内容・配置の変更の範囲
③ その他の事情

パートタイム・有期雇用労働法第八条(不合理な待遇の禁止)

(不合理な待遇の禁止)
第8条 事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない。

均等待遇規定(差別的取扱いの禁止)

下記2点が同じ場合、差別的取扱いをしてはいけません。
① 職務内容
② 職務内容・配置の変更の範囲
職務の内容とは、業務の内容+責任の程度をいいます。

パートタイム・有期雇用労働法第九条(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止)

(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止)
第9条 事業主は、職務の内容が通常の労働者と同一の短時間・有期雇用労働者(第11条第1項において「職務内容同一短時間・有期雇用労働者」という。)であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるもの(次条及び同項において「通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者」という。)については、短時間・有期雇用労働者であることを理由として、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、差別的取扱いをしてはならない。

派遣労働者については、下記のいずれかを確保する義務があります。
① 派遣先の労働者との均等・均衡待遇
② 一定の要件を満たす労使協定による待遇

併せて、派遣先になろうとする事業主に対し、派遣先労働者の待遇に関する派遣元への情報提供義務があります。

待遇に関する詳細

賃金決定に関する努力義務

条文→パートタイム・有期雇用労働法第十条(賃金)

(賃金)
第10条 事業主は、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する短時間・有期雇用労働者(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者を除く。次条第二項及び第十二条において同じ。)の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を勘案し、その賃金(通勤手当その他の厚生労働省令で定めるものを除く。)を決定するように努めるものとする。

教育訓練に関する実施義務と努力義務

条文→パートタイム・有期雇用労働法第十一条(教育訓練)

(教育訓練)
第11条 事業主は、通常の労働者に対して実施する教育訓練であって、当該通常の労働者が従事する職務の遂行に必要な能力を付与するためのものについては、職務内容同一短時間・有期雇用労働者(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者を除く。以下この項において同じ。)が既に当該職務に必要な能力を有している場合その他の厚生労働省令で定める場合を除き、職務内容同一短時間・有期雇用労働者に対しても、これを実施しなければならない。
2 事業主は、前項に定めるもののほか、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する短時間・有期雇用労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力及び経験その他の就業の実態に関する事項に応じ、当該短時間・有期雇用労働者に対して教育訓練を実施するように努めるものとする。

福利厚生施設の利用の付与義務

条文→パートタイム・有期雇用労働法第十二条(福利厚生施設)

(福利厚生施設)
第12条 事業主は、通常の労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設であって、健康の保持又は業務の円滑な遂行に資するものとして厚生労働省令で定めるものについては、その雇用する短時間・有期雇用労働者に対しても、利用の機会を与えなければならない。

同一労働同一賃金ガイドライン

厚生労働省告示第430号「同一労働同一賃金ガイドライン(平成30年12月28日)」が出ています。

ガイドラインには、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないのかが示されています。

各企業においては、賃金を含む現状の待遇について、ガイドラインに沿った点検、是正が必要です

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