有期雇用労働者雇用の注意点

Last Updated on 2023年3月5日 by

雇用契約の注意点

有期労働契約とは

1ヶ月とか、1年のように、期間を定めて雇用することを有期労働契約といいます。

労働基準法や労働契約法、労働安全衛生法、労災保険法などは全てのパートタイム労働者に適用されます。育児介護休業法などの法律も原則として適用されますが、適用条件について注意が必要です。

なお、有期雇用労働者であるためには、雇用期間について労働者と合意していなければなりません。書面による労働条件通知や雇用契約書で雇用期間を定めていなければ、有期雇用労働者ではなく雇用期間の定めのない労働者という扱いになります。

雇用期間の制限

原則3年以内

期間の定めのある労働契約を結ぶときは、労働者が不当に長期間にわたる契約により拘束されることを防止しようという趣旨で、その期間は3年以内にしなければなりません。ただし、いくつかの例外があります。

労働契約法では、有期雇用の契約期間の上限を定めていますが、短い期間の契約を反復更新しないようにする配慮も求めています。

例外的に5年以内

高度の専門的人材は最大5年の労働契約を結ぶことができます。

関連記事:5年の労働契約を結べる場合

契約期間の終了

期間が満了すれば当然に退職になります。これを雇い止めといいます。ただし、契約の更新手続きが形骸化していたり、長期間の契約を期待させていた場合は、雇い止めが認められないことがあります。

関連記事:雇い止めのルール

関連記事:雇止めが無効になる場合

期間中の解約

有期雇用契約の途中解約には制限があります。期間を定めた場合は、その期間内で契約を解除することは原則としてできません。

関連記事:有期労働契約途中解約のルール

雇用管理上必要な措置

労働条件の明示

労働者を採用したときは、労働基準法により労働条件を明示しなければなりません。

さらに、採用した労働者がパート従業員や有期雇用従業員であるときは、パートタイム・有期雇用労働法に基づく労働条件の明示もあわせて行わなければなりません。

関連記事:採用時の労働条件の明示

有期契約従業員対象の就業規則

正社員向けの就業規則を適用するのは無理があります。パート従業員、契約社員など就業形態別に就業規則を作成するべきです。

関連記事:就業形態別に就業規則を定める

有期雇用従業員の待遇

関連記事:雇用形態による待遇格差の問題

有期雇用労働者の社会保険と労働保険

一定の条件を満たす有期雇用労働者を厚生年金保険と健康保険に加入させなければなりません。

関連記事:短時間労働者の社会保険加入条件

労災保険は全ての有期雇用労働者に適用されます。一定の一定の条件を満たす有期雇用労働者を雇用保険に加入させなければなりません。

関連記事:労働災害と労災保険

関連記事:雇用保険の加入資格

説明義務

事業主は、パートタイム従業員や有期雇用労働者を雇い入れたとき、または説明を求められたときは、実施する雇用管理の改善措置を説明しなければなりません。

関連記事:パートタイム・有期雇用労働者に説明する義務があります

雇用形態の転換

有期雇用契約は5年に達したときは無期雇用契約に転換されます。また、パート従業員や有期雇用従業員について、通常の労働者への転換を推進するための措置を講じなければなりません。

関連記事:無期労働契約への転換と通常の労働者への転換

相談体制の整備

有期雇用従業員の就業上の相談に対応する体制を作らなければなりません。

関連記事:短時間・有期雇用労働者からの相談体制の整備

短時間・有期雇用管理者

パートタイム・有期雇用労働法第17条により、パートタイム労働者・有期雇用労働者を常時10人以上雇用する事業所には、短時間・有期雇用管理者を選任する努力義務があります。

関連記事:短時間・有期雇用管理者を選任する

労働紛争

パート従業員や有期雇用従業員との紛争については、パートタイム・有期雇用労働法などの法令の定めに沿って対応しなければなりません。

関連記事:労務トラブルへの対応手段

会社事務入門採用の手続き>このページ


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: