Last Updated on 2024年10月17日 by 勝
フルタイムの4分の3以上で加入
健康保険と厚生年金保険を社会保険といいます。1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、その職場で常時雇用されている労働者の4分の3以上の人については、パートタイム等であっても加入させなければなりません。
ただし、次の人は適用除外なので加入できません。
1.日々雇い入れられる人(1か月を超えて引き続き使用される人は被保険者となる)
2.2か月以内の期間を定めて使用される人(所定の期間を超えて引き続き使用される人は被保険者となる)
3.季節的事業(4か月以内)に使用される人(当初から4か月を超えて使用される見込みの人は初めから被保険者となる)
4.臨時的事業の事業所(6か月以内)に使用される人(当初から6か月を超えて使用される見込みの人は初めから被保険者となる)
加入の条件を満たしている人については、採用の都度、一人一人について、年金事務所に手続きが必要です。健康保険だけ、厚生年金保険にだけ加入ということは出来ず、両方セットで加入させます。
50人を超えれば週20時間以上
同一事業主(法人番号が同じ)の被保険者数(短時間労働者を除く)が、1年の半分以上の期間50人を超える(51人以上になる)ことが見込まれる場合は、特定適用事業主となり、次のすべての要件を満たすパートタイム等を社会保険に加入させなければなりません。
令和6年(2024年)10月から、50人を超える(51人以上)企業で働く短時間労働者にも適用が拡大されました。
1.週の所定労働時間が20時間以上
2.賃金の月額が8.8万円以上
3.学生は除く
令和4年10月より「雇用期間が1年以上見込まれること」が要件から除かれました。
特定適用事業主でなくても、労使協定を締結すれば上記の短時間労働者を社会保険に加入させることができます。
8万6千円に含まれないお金
月額8万8000円に含まれるのは「基本給及び諸手当」となっています。残業代や賞与、臨時的な賃金は含まれません。
含まれない例
□ 臨時に支払われる賃金(結婚手当等)
□ 賞与などのように1月を超える期間ごとに支払われる賃金
□ 時間外労働に対して支払われる賃金、休日労働及び深夜労働に対して支払われる賃金
□ 最低賃金に算入しないと定められている賃金(精皆勤手当、通勤手当及び家族手当)
関連記事:臨時の賃金、臨時に支払われる賃金とは
途中で労働条件が変わったとき
加入条件を満たしていた人が何らかの事情で勤務時間が減少するなどして加入条件を満たさなくなったときは資格喪失の手続きをする必要が出てきますが、形式的に条件を満たさなくなったとしても直ちに資格喪失をしなくてもよい場合があります。
最初は、加入条件を満たさない労働時間で採用したのに、途中から長い時間働いてもらうことに変更したり、契約上の労働条件は変わっていないのに実質的に労働時間が長くなったりした場合は、社会保険に加入させなければなりません。この場合、次の契約更新の際に見直せばよいのではなく、実際の労働時間により資格取得の手続きをする必要があります。
社会保険等の加入について本人から言いだしにくい場合もあります。事業主の方で加入条件を満たすかどうか気を配り、迅速に手続きをとるようにしましょう。
関連記事:社会保険の加入条件を中途で満たしあるいは満たさなくなったらどうするか
資格取得手続き
採用時に短時間労働者に該当する労働者は、被保険者資格取得届を日本年金機構へ提出します。
関連記事:採用時の社会保険手続き
雇用中に、「一般の被保険者」が「短時間労働者」となるとき、または「短時間労働者」が「一般の被保険者」となるときは、「被保険者区分変更届」の提出が必要です。