雇い止めのルール

Last Updated on 2022年1月30日 by

雇い止めとは

有期労働契約は、期間が満了すれば当然に退職になるのが一般的ルールです。当初の契約が終了するのですから、解雇という問題は発生せず、自然に退職になります。これを「雇い止め」といいます。

有期労働契約

雇止めをするためには、まず雇用契約を締結する段階で、契約更新に関する事項が明示されていなければなりません。

契約更新についての記載例
・ 自動更新する
・ 更新することがある
・ 契約の更新はしない

「更新することがある」という契約であれば、どういう基準で決めるのかを明示しなければなりません。

・ 契約期間満了時の業務量により判断する
・ 労働者の勤務成績、態度により判断する
・ 労働者の能力により判断する
・ 会社の経営状況により判断する
・ 従事している業務の進捗状況により判断する

雇い止めできない場合

労働契約に基づく雇い止めであっても、契約の更新手続きが形骸化していたり、長期間の契約を期待させていた場合などは、雇止めが認められないことがあります。

次のようなケースは、雇用契約の期限が終了するとしても簡単に雇止めすることができません。

□ 従事してもらった仕事は臨時的なものではない
□ 正社員とほぼ同様の仕事をしてもらっていた
□ 雇用が継続されるという期待を抱かせていた
□ 契約更新の手続きは簡略でほぼ自動的に更新してきた
□ これまでに有期労働者を雇止めしたことはあまりない
□ 採用のときに雇用期間について何か約束をした

上記にチェックがある状態で雇い止めをするのであれば、一般の解雇と同様の基準でその妥当性が判断されることになります。

雇止めの理由

雇止めに際して、労働者から更新拒否の理由について証明書を請求されたときには遅滞なく交付しなければなりません。これは、雇い止め後に請求された場合も同じです。なお、労基法第22条の退職証明とは別のものです。

有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(平成十五年十月二十二日)(厚生労働省告示第三百五十七号)
労働基準法第十四条第二項の規定に基づき、有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準を次のように定め、平成十六年一月一日から適用する。
(雇止めの予告)
第一条 使用者は、期間の定めのある労働契約(当該契約を三回以上更新し、又は雇入れの日から起算して一年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。次条第二項において同じ。)を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約の期間の満了する日の三十日前までに、その予告をしなければならない。
(雇止めの理由の明示)
第二条 前条の場合において、使用者は、労働者が更新しないこととする理由について証明書を請求したときは、遅滞なくこれを交付しなければならない。
2 期間の定めのある労働契約が更新されなかった場合において、使用者は、労働者が更新しなかった理由について証明書を請求したときは、遅滞なくこれを交付しなければならない。

この告示について発出された通達、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準 (通達)平 20.1.23基発第 0123005号」には、これに記載する「雇止めの理由」は、 単に「契約期間が満了したため」ではならないとしています。

例えば、として次のような例をあげています。

・ 前回の契約更新時に、 本契約を更新しないことが合意されていたため
・ 契約締結当初から、 更新回数の上限を設けており、 本契約は当該上限に係るものであるため
・ 担当していた業務が終了・中止したため
・ 事業縮小のため
・ 業務を遂行する能力が十分ではないと認められるため
・ 職務命令に対する違反行為を行ったこと、 無断欠勤をしたこと等勤務不良のため

不更新条項の注意点

期間を定めて雇用し、契約書に「契約の更新はしない」という文言(不更新条項)がある場合は原則として雇い止めが可能です。

これは、更新を重ねてきた雇用契約の場合は、いかに期間満了であっても突然終了すればトラブルになる可能性があることから、終了の意図を示して1回だけ更新することで、雇い止めのトラブルを避けようという目的で行われることが多いようです。

いきなり雇い止めにするよりは親切な方法とも言えますが、上述の厚生労働省告示に掲げられている「前回の契約更新時に、 本契約を更新しないことが合意されていた」という条件を満たすことのみを目的とする不更新条項の追加は、そのやり方自体が社会通念上相当でないとされる可能性があります。

さらに、不更新条項を追加した有期雇用契約書は、労働契約である以上当然に労働者の(本心の)同意が必要です。これを労働者の意思に反して押し付ければ、雇い止めの無効が成立する可能性が高まります。

したがって、不更新条項を挿入すれば次回は問題なく雇い止めできるという考えは危険です。

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カテゴリー: 解雇