Last Updated on 2024年10月12日 by 勝
臨時の賃金とは
「臨時の賃金」という用語は、労働基準法第89条に出てきます。
労働基準法89条 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。(中略)
四 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
労働基準法第24条②にも「臨時の賃金」がでてきます。
第24条②は賃金の毎月1回以上支払いの原則を定める規定ですが、「ただし」として次のようにあります。
ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。
ここでは、第89条の「臨時の賃金等」が、
臨時に支払われる賃金
と
賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金
であることを示しています。
次に「賞与その他これに準ずるもの」と「臨時に支払われる賃金」を解説します。
賞与その他これに準ずるものとは
社会保険における賞与の定義は次のようになっています。
賞与とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもののうち、三月を超える期間ごとに受けるものをいう。
所得税法では次のようになっています。
賞与とは、定期の給与とは別に支払われる給与等で、賞与、ボーナス、夏期手当、年末手当、期末手当等の名目で支給されるものその他これらに類するものをいう。
定期の給与と別に支払われるものであれば、どのような名称を用いていても賞与と捉えられるということです。また、精勤手当、能率手当などのように一見定期の給与に含まれるようものでも、1ヶ月を超える期間の成績等によって支給されるものは賞与とされます。
臨時に支払われる賃金とは
少し古いものですが、次の通達があります。
臨時的、突発的事由にもとづいて支払われたもの、及び結婚手当等支給条件は予め確定されているが、支給事由の発生が未確定でありかつ非常に稀に発生するものをいうこと。名称の如何にかかわらず、右に該当しないものは臨時に支払われた賃金とはみなさないこと。(S22.9.13基発第17号)。
臨時的、突発的事由にもとづいて支払われたものとは傷病見舞金等を意味します。
結婚手当等については、支給条件が事前に決まっていれば、臨時的、突発的ではないのですが、支給事由の発生が不確定であり、且つ非常に稀に発生する(多くは1回)ので臨時に支払われる賃金に含まれるという意味です。
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