Last Updated on 2025年8月17日 by 勝
公益通報というのは、公益通報者保護法という法律の裏付けがある通報のことです。法律の条件をみたす内部告発は公益通報に含まれます。単に「内部告発」という場合は、一般的には「勤務先の不正などを社外に明らかにすること」を指します。
「内部告発」と「公益通報」の違い
内部告発とは、社員などの内部者が会社の不正や問題点を外部に伝える行為の総称です。法律上の定義はなく、したがって、保護規定もありません。
公益通報とは、公益通報者保護法に基づき、一定の要件を満たす通報です。法律上の制度なので、通報者は法律で保護される対象になります。
つまり、内部告発は、必ず保護されるわけではなく、公益通報の要件を満たす場合にのみ法的保護が及ぶという整理です。
公益通報に当たらない内部告発の法的リスク
公益通報者保護法の要件を満たさない内部告発は、以下のリスクを負うことがあります。
- 名誉毀損・信用毀損のリスク(告発内容が間違っていたり不正確であって、その結果、会社や個人に対する損害を与えた場合)
- 守秘義務違反(営業秘密、顧客情報、医療情報などを外部に流した場合)
- 懲戒処分(就業規則に違反することがあった場合)
公益通報以外で保護される可能性があるケース
公益通報に直接当てはまらなくても、労働者保護、消費者保護の目的で、告発の方法が相当である場合は、一定の保護が認められる余地があります。
公益通報に直接当てはまらなくても、表現の自由と認められる範囲であれば、問題にされないこともあります。
ただし、これはケースごとの判断で、公益通報者保護法ほど明確な保護ではありません。
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