パートタイム・有期雇用労働者とのトラブルが発生したら

Last Updated on 2021年4月14日 by

紛争解決の手順

パート従業員や有期雇用従業員の雇用に際しては、正社員と待遇格差改善など、パートタイム・有期雇用労働法の定めに沿った対策をしなければなりませんが、対策が行き届かず苦情の申し出や改善の要求が出たときは、真摯に対応し、早期に紛争を解決するように努力しなければなりません。

第一段階は、人事責任者等の通常の社内組織が、当該従業員から苦情を聞き取り、上司と相談して解決案を出すなど、通常の社内決裁手続きのなかで解決するように試みます。

第二段階は、従業員代表を加えた委員会を設置して、苦情や要望の内容を審議し、経営者に対して解決案を提案します。

以上が、社内での自主解決努力です。これで解決できなければ、労働局等の外部に持ち込む段階に入ります。

相談窓口による対応

苦情や要望は、まず上司や相談窓口に対して持ち込まれます。この段階で対応した上司や相談窓口が握りつぶすようなことがあってはいけません。

上司等がおよそ無理なことだと思ったとしても、頭ごなしに却下するのではなく、申し出の内容を記録し、その内容で間違いないか当人と確認したうえで、経営層に申し出内容を回付し検討してもらうことが大事です。日頃からそのような流れになるように上司にあたる人たちに周知しておきましょう。

検討した上で、できることはやり、できないことはその理由を丁寧に説明しましょう。納得が得らないときは、次の段階に進みます。

苦情処理機関を設置する

パートタイム・有期雇用労働法第22条に、苦情の自主的解決の規定があります。

(苦情の自主的解決)
第22条 事業主は、第6条第1項、第8条、第9条、第11条第1項及び第12条から第14条までに定める事項に関し、短時間・有期雇用労働者から苦情の申出を受けたときは、苦情処理機関(事業主を代表する者及び当該事業所の労働者を代表する者を構成員とする当該事業所の労働者の苦情を処理するための機関をいう。)に対し当該苦情の処理を委ねる等その自主的な解決を図るように努めるものとする。

経営側は事業の進め方について決定権があるので、法令に違反することでない限りどのような判断をすることも自由ですが、正しい判断をするためには相手方の事情を公平な目で見直すことも必要です。

法律は、公平な判断をするために、通常の決定システムから少しはなれて、苦情処理機関を設置して協議することを求めています。

苦情処理機関は、事業主を代表する者及び当該事業所の労働者を代表する者で構成します。労働者の代表は労働組合があればその労働組合から選出してもらいますが、労働組合がない場合でも従業員の間から民主的手続きで選出してもらいましょう。有利にことを運ぼうと思って人選に介しても決して良い結果になりません。

また、可能であれば顧問や監査役など外部の人にも入ってもらうことも良いでしょう。

苦情処理機関は、円満な解決策をさぐるために協議する機関です。対決姿勢で臨んでは意味がありません。双方が呑める案を示す努力が必要です。

苦情処理機関が示す解決案は、経営側も苦情等の当事者も、受け入れなければならない義務はありません。納得できなければこの段階で社内努力は終了です。

労働局長の助言等を求める

納得できない当事者は、それぞれ都道府県労働局長に援助を申し出ることができます。(24条)

通常は苦情等の当事者が援助を申し出ますが、経営側から申し出ることもできます。

労働局長(実際には担当者が動きますが)は、紛争の当事者に対し、助言、指導又は勧告をすることができます。

紛争調整委員会の調停

都道府県労働局長に調停の申し出をすることができます。(25条、26条)

これも、苦情等の当事者だけでなく経営側からも申し出することができます。充分に合理的な提案であると思うのに当事者側が頑なに受け入れず膠着したときには検討するべき手段です。

労働局長は、申し出を受けて必要があると認めるときは、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律による紛争調整委員会に調停を行わせることができます。

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