Last Updated on 2024年10月31日 by 勝
個別労働紛争とは
個別労働紛争とは、個々の労働者と事業主との間で発生した、労働条件やその他の労働関係に関する紛争のことを言います。
個々の労働者、つまり、一人ひとりの従業員と会社(上司等を含む)との間のトラブルのことです。
そして、トラブルの内容は、労働条件等です。
□ 解雇、雇止め、労働条件の不利益変更などの労働条件に関する紛争
□ いじめ・嫌がらせなどの職場環境に関する紛争
□ 退職に伴う研修費用の返還、営業車など会社所有物の破損についての損害賠償をめぐる紛争
□ 会社分割による労働契約の承継、同業他社への就業禁止など労働契約に関する紛争
□ 募集・採用に関する紛争(助言・指導の対象にはなりますが、あっせんの対象にはなりません)
などのトラブルについては、「個別労働紛争」として、個別労働紛争解決促進法の扱いになります。
労働条件等以外のトラブルについては、例えば、セクハラであれば男女雇用機会均等法による調停等、パワハラであれば労働施策総合推進法による調停等、マタハラであれば育児介護休業法にる調停等があります。根拠になる法令は異なりますが、いずれも労働局に設置された紛争調整委員会が扱うので、手続き的に大きな違いはありません。
企業内での紛争解決
従業員から苦情の申し出や改善の要求が出たときは、真摯に対応し、早期に紛争を解決するように努力しなければなりません。
個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第2条 個別労働関係紛争が生じたときは、当該個別労働関係紛争の当事者は、早期に、かつ、誠意をもって、自主的な解決を図るように努めなければならない。
労働紛争は当事者の自主的な話合いによる解決が原則ですが、お互いが感情的になったり、主張が平行線をたどるなど、話合いによる解決が困難になることがあります。そのような場合、都道府県労働局による個別労働紛争解決制度を利用することができます。
総合労働相談コーナーへの相談
厚生労働省の出先機関である都道府県労働局や労働基準監督署に設置されている総合労働相談コーナーに相談することができます。
労働局長の援助を求める
都道府県労働局長に援助を申し出ることができます(4条)。労働局長(実際には担当者が動きますが)は、紛争の当事者に対し、助言、指導又は勧告をすることができます。
あっせん・調停
個別労働紛争の解決手段として第三者によるあっせんや調停の制度があります。
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