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労働保険

雇用保険の加入条件

Last Updated on 2023年11月22日 by

所定労働時間と雇用期間

31日以上の雇用見込みがあり、所定労働時間が週20時間以上の人は雇用保険に加入させなければなりません。

所定労働時間とは、就業規則や雇用契約書などによって、通常勤務するべき時間として定めた時間をいいます。1週間の所定労働時間が変動する場合は、一定の周期における平均時間で算出します。

試用期間中でも勤務の初日から雇用保険に加入させなければなりません。

長期欠勤や休職等で賃金の支払がない人も、雇用関係があるうちは被保険者です。

2以上の事業所に勤務する人は、主たる賃金を受け取る方の被保険者になります。ニ重加入はできません。

1社での雇用関係では被保険者要件を満たさない場合であっても、他社での労働時間を合算して週20時間以上になる65歳以上の労働者は本人の申出により雇用保険に加入できます。

なお、同じ労働保険でも、労災保険の方は、雇用見込み期間や所定労働時間数にかかわらず全ての人が対象です。

雇用保険に入れる人入れない人

65歳以上の人

以前は65歳になれば、高年齢継続被保険者となっている場合を除き、雇用保険の対象外でしたが、平成29年1月以降は、高年齢被保険者として雇用保険の適用対象になっています。

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継続して雇用している場合は自動的に被保険者区分が切り替わるので、会社としては特に届け出の必要はありません。新たに65歳以上の高齢者を雇用したときは、年齢にかかわらず資格取得届を提出しなければなりません。

役員や同居の親族

法人の役員は原則として雇用保険の被保険者、労災保険の対象者になりませんが、従業員としての身分がある場合は被保険者になれる場合があります。個人事業主は雇用保険に入ることは出来ません。

同居の親族・家族従業者は原則的には雇用保険の被保険者、労災保険の対象者になりませんが、条件によっては被保険者等になることができます。家事使用人は、原則として被保険者になれませんが、主として家事以外の労働に従事することを本来の職務とする場合には被保険者になることができます。

関連記事:役員や家族等の労働保険は加入条件に注意が必要です

他の保険等でカバーされている人

国、都道府県、市町村などに雇用される人は、別の法令による手当が支給されるため、雇用保険に入れません。ただし、国等から支給される手当が、雇用保険の給付を下回ってしまう人は、雇用保険の被保険者になることができます。

学生

学生は原則として雇用保険の被保険者にはなりません。

ただし、夜間の大学、定時制の高校、通信制の学校などに在籍する従業員は雇用保険の被保険者になることができます。

これらの人は、自分の労働で生活しているので、失業した場合には雇用保険からの給付で生活を支えなければならないと考えられるからです。

もちろん、夜間の学生のすべてが自分の稼ぎで生活しているわけではありませんが、個々の収入などで線を引くのでなく、どのような学校に籍をおいているかで形式的に判断することになっています。

昼間学生が夜間等に就労していケースではその収入で生活を支えているとしても被保険者になれません。

なお、昼間部の学生であっても、次の場合で加入要件を満たしている場合には雇用保険の被保険者になることができます。手続きにあたっては事実を証明する書類の提示が必要です。

□ 卒業前に就職し卒業後も継続勤務する予定の従業員
□ 休学中の従業員
□ 出席日数を課程終了の要件としない学校に在学する者であって、当該事業において同種の業務に従事する他の労働者と同様に勤務し得ると認められる従業員
□ 事業主との雇用関係を継続した上で、事業主の命により又は事業主の承認を受けて大学院等に在学する従業員(いわゆる社会人大学院生など)

季節的に働く人

季節的に雇用される人、短期間の雇用に就くことを状態としている人は、原則として被保険者になれませんが、条件を満たせば短期雇用特例被保険者になることができます。

途中で労働条件が変わったとき

途中で加入要件を満たしたとき

最初は、加入条件を満たさない労働時間で採用したのに、途中から長い時間働いてもらうことに変更したり、契約上の労働条件は変わっていないのに実質的に労働時間が長くなったりした場合は、変更になった時点で雇用保険に加入させなければいけません。

社会保険等の加入についてパートの方から言いだしにくいものです、事業主の方で加入条件を満たすかどうか気を配り、迅速に手続きをとるようにしましょう。

途中で加入要件を失ったとき

上のケースと違って、途中で所定労働時間が週20時間未満になったときは、雇用保険の資格を喪失させなければなりません。

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雇用保険の資格取得手続き

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