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社会保険算定基礎届

Last Updated on 2021年7月28日 by

算定基礎届とは

厚生年金と健康保険の保険料はまとめて社会保険料として納付します。各人の負担額は、原則として1年に1回、各人の賃金に応じて見なおして標準報酬月額を改定します。これを「定時決定」といいます。各人に支払った賃金を「健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額算定基礎届」に記載して日本年金機構(事務センター)に提出(郵送)します。電子申請もできます。

被保険者報酬月額算定基礎届の提出期限は7月1日から7月10日です。

原則として、7月1日現在被保険者である人について算定基礎届を提出する必要がありますが、次の人は対象になりません。

1.その年の6月1日以降に被保険者の資格を取得した人
2.その年の7月に標準報酬の随時改定が行われる人
3.その年の8月、9月に標準報酬の随時改定が行われる人

標準報酬月額を決定する

原則として、4月、5月、6月の3ケ月間に支払われた給与の総額を3で割った額が報酬月額となり、その額を、年金事務所が配布する「健康保険・厚生年金保険料額表」にあてはめて、標準報酬月額を決定します。

但し、給与の支払基礎日数が17日未満の月は計算から除きますので、支払基礎日数が17日以上の月が2ケ月の場合はその合計額を2で割った額、17日以上の月が1ヶ月の場合にはその1ヶ月の額を基に決定します。

4月、5月、6月に支払基礎日数が17日以上の月が1ヶ月もない場合は、保険者が決定することとなっており、従前の標準報酬月額そのままで決定します。

4月、5月、6月に遡って昇給が行われるなどして、差額分がまとめて支払われた場合には、遡及支給分は除いて修正平均額を求めて決定します。

4月、5月、6月に期間を超える通勤定期代が支給された場合には、1ヶ月分の金額を算出し各月の給与に加算して決定します。

変更になった人には通知しなければなりません。
社会保険料の変更を従業員に通知する

支払基礎日数とは

月給制や週給制の場合は、暦日数が支払基礎日数ですが、欠勤による給与の控除が行われた場合には、暦日数から欠勤の日数を控除した日数が支払基礎日数です。

日給制、時給制の場合には、出勤日数が支払基礎日数です。

年次有給休暇については、給与、日数とも計算に入れ決定します。

報酬に含まれるもの

標準報酬月額を決める際の報酬とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与、その他、名称にかかわらず労務の対償として受けるものすべてを含みます。ただし、大入り袋や見舞金のような臨時に受けるものや、年3回以下の賞与は含まれません。

通勤定期券や食事、社宅などの現物の支給も原則として報酬に含みます。ただし、作業服や一定の本人負担をさせている食事などは含まれません。

詳細は次の一覧表を参考にしてください。
社会保険料の対象になる賃金

賞与は別計算

毎月の給与に対する保険料は上記の扱いですが、賞与に対する社会保険料は別の方法で決まります。
賞与に対する社会保険料

その他の改定

随時改定

定時決定の時期以外に報酬の変動があったときは随時改定する場合があります。
社会保険料の随時改定

育児休業等終了時の報酬月額改定

育児休業後の報酬低下に対応する改定があります。
育児休業等終了時の報酬月額改定

産前産後休業終了時の報酬月額改定

産前産後休業終了後の報酬低下に対応する改定があります。
産前産後休業終了時の報酬月額改定

保険者決定

通常の方法で算定することが困難な場合や著しく不当である場合、保険者決定が行われます。

例えば、次のような場合に保険者決定があります。
(ア)病気欠勤等によって4月、5月、6月に報酬を全く受けない場合は、従前の標準酬月額で保険者決定があります。
(イ)報酬の支払基礎日数が4月、5月、6月の3か月とも17日未満の場合は、従前の標準報酬月額で保険者決定があります。

同時得喪

定年後継続雇用等の場合には同時得喪のやり方で速やかに改定します。
定年後継続雇用時の改定

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