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社会保険

産前産後休業終了時の報酬月額改定

Last Updated on 2021年3月12日 by

産前産後休業とは

産前休業は、出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)から取得できます。

産後休業は、出産の翌日から8週間は就業させてはいけません。ただし、産後6週間を経過後に本人が請求し、医師が認めた場合は就業することができます。

関連記事:従業員が産前産後休業を申し出たときの手続きと注意点

標準報酬月額とは

標準報酬月額とは、毎月の給与から引かれる健康保険料や厚生年金保険料の計算の元になる金額のことで、標準報酬月額が低くなればこれらの社会保険料は安くなります。

ただし、すぐに連動するのではなく、通常の改定では「固定的賃金の変更があったこと」「変更月以降3ヶ月連続して17日以上の勤務があること」「従前の等級より2等級変わること」などの条件がそろった場合のみに改定できます。

産前産後休業終了時改定とは

産前産後休業のときは、報酬がゼロになっても、その時点で標準報酬月額の改定は行いません。休業期間中の保険料は免除されるので、標準報酬月額を据え置いても、被保険者本人は不利益を受けません。しかし、休業から復帰後は、保険料の徴収が再開始されます。

産前産後休業を終了したの改定は「固定的賃金に変更があったかは関係なく」「休業終了月以降3ヶ月以内に、17日以上勤務した月がひと月あれば対象」「従前の等級より1等級下がれば対象」と、改定の条件がゆるやかになっています。

この産前産後休業終了時改定は、復帰後に短時間勤務を選択したり、残業ができなくなって給与額が以前より下がったときに利用できます。特に収入が変わらなかったり、逆に昇給などで以前より高くなるのであれば対象になりません。

改定の条件

□ 従前の標準報酬月額と、産前産後休業終了日の翌日が属する月以後3ヶ月分の報酬の平均した標準報酬月額に1等級以上の差が生じたこと。

□ 産前産後休業終了日の翌日が属する月以後3ヶ月のうち、少なくとも1ヶ月における支払基礎日数が17日以上であること。特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日以上であること。

□ 短時間労働者(パート)の支払基礎日数が、3ヶ月のいずれも17日未満の場合は、そのうち15日以上17日未満の月の報酬月額の平均によって算定する。

改定の時期

4ヶ月目の標準報酬月額から改定することができます。

決定された標準報酬月額は、1~6月に改定された場合、再び随時改定等がない限り、当年の8月までの各月に適用されます。また、7~12月に改定された場合は、翌年の8月までの各月に適用されます。

手続方法

産前産後休業を終了し復職した月から3カ月を経過した後に手続きします。

産前産後休業を終了した翌日に引き続いて育児休業等を開始した場合は提出できません。その場合は、育児休業等を終了し復職した月から3ヶ月経過した後に、提出することになります。

被保険者から申出書の提出を受けた事業主が「産前産後休業終了時報酬月額変更届 厚生年金保険 70歳以上被用者産前産後休業終了時報酬月額相当額変更届」を日本年金機構(原則として事業所所在地を管轄する事務センターに郵送)へ提出します。

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