Last Updated on 2023年10月21日 by 勝
自転車通勤を許可制にする
自転車であっても、加害事故を引き起こし他人にケガを負わせてしまうことがあります。死亡事故を含む重大な事故に発展する例も少なくありません。会社として規制が必要です。
自転車通勤を徒歩通勤に準じるものと位置付けて何も規制していない会社もありますが、リスク管理上問題があります。自転車通勤は許可制にし、規程を作って運用しましょう。
次の条件が考えられます。
マイ自転車の業務使用をさせない
マイ自転車を安易に業務に使用させると、事故のときに会社に責任が及ぶリスクが増えます。業務に使用しないことを条件にしましょう。
駐輪の場所を指定する
会社の敷地内の一定の場所を駐輪場所として指定します。場所を守らなかったり、乱雑に置くことは許可取り消しになり得ることを周知しましょう。
通勤路が危険である場合は不許可もある
他にもっと合理的な通勤手段があったとしても、健康上の理由や環境配慮の理由などで自転車を選択する人もいます。基本的には社員の希望を優先するべきですが、通勤経路等が、自転車だと著しく危険だと判断できるケースもあると思います。自転車通勤許可は条件をクリアすれば良いというものでなく、安全面も検討した上で許可しないこともあり得ることを周知しましょう。
自宅との距離も許可条件に加えましょう。あまりあまり遠い場合は、安全面も検討した上で許可しないこともあり得ることを周知しましょう。
整備された自転車であること
ブレーキ、ベル、ライトなどの標準的な安全装備を許可条件にしましょう。
ブレーキの効き具合などの日常的な整備を条件にしましょう。
損害賠償保険に加入させる
従業員の通勤時の事故は、相手方に対する損害賠償義務が生じ、場合によっては使用者である会社にも責任が及ぶことがあります。リスク対策としても自転車損害賠償保険への加入を義務付けましょう。
保険からの補償額は1億円は必要だと思われます。
安全教育を実施する
許可制にすると同時に、安全な乗り方について会社として積極的に関与しましょう。自転車も車両の一つとして、酒気帯び運転の禁止、スマホ運転の禁止などの交通法規の義務を守らなければならないことを自覚させる等の安全教育を実施しましょう。
通勤手当の扱い
自転車は本体価格、修理代などで費用が発生するので、徒歩通勤と同じでは無理があります。マイカー通勤の通勤手当の額を基準に、合理的な通勤手当を定めましょう。マイカー通勤の2割程度にする規定を見たことがありますが、いろいろな決め方があると思います。
なお、自転車通勤についての扱いを明確にしていないと、会社には電車通勤で申請しているのに実際には徒歩や自転車で通勤する者がいることも考えられます。厳密に言えば通勤手当の不正受給にあたるので後日通勤手当の返還などの処分に至ることも考えられます。こうしたケースは、従業員もエコになり健康にも良いという軽い気持ちでやってしまうことが多いと思われます。特に悪意のないことがトラブルに発展するのは労使ともに不幸なことなので、早急に通勤手当における自転車や徒歩の扱いを明確にしましょう。
規程を整備する
マイカー通勤規程に準じて、自転車通勤規程を作りましょう。
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