健康診断の受診義務

Last Updated on 2022年11月27日 by

労働安全衛生法が根拠

労働安全衛生法では事業主に実施義務を課しているだけでなく、労働者にも「受けなければならない」と義務を課しています。

労働安全衛生法第66条5 労働者は、前各項の規定により事業者が行なう健康診断を受けなければならない。ただし、事業者の指定した医師又は歯科医師が行なう健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師又は歯科医師の行なうこれらの規定による健康診断に相当する健康診断を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。

受診しない場合の対策

とはいうものの、受けないという者を力づくで受けさせるわけにもいきません。いきなり威圧的にならず、受けない理由を聞くことから始めましょう。

他の従業員と一緒に受けるのが嫌だという場合には、原則として自己負担になりますが、他の医療機関で受診して結果票を提出してもらう方法を提示しましょう。

一人か二人受けないものがいる程度であればほとんどの場合は説得で解決しますが、全体の受診率が低いのであれば会社の意思が従業員に十分に浸透していないことが考えられます。健康診断を周知する文書を作成して掲示するなどして啓発を試みましょう。人事考課制度を実施している場合は、評価項目の中に健康診断の受診を組み入れることも有効です。健康診断の実施は会社が課せられている義務なので正当な理由なくこれに協力しないのであれば、ある程度評価が下がるのは当然だからです。

また、就業規則には「従業員は、健康の保持向上に努め、衛生管理者その他の関係者の指示に従い、会社の行う健康に関する施策の推進に協力し、かつ指示を励行しなければならない」等の記載があると思います。単に面倒だなどと正当な理由なく受診しない者に対しては就業規則に基づいて懲戒処分を科すことも可能です。

受診勧誘の記録保存も大事です。健康診断を受けない従業員が何らかの重大な疾病にかかったとき、会社が健康診断を受けさせなかったからこうなったと責任を転嫁されることがあります。健康診断のお知らせ文書を配布してその原本を保管し、従業員の受信状況を確認するために受診記録簿を作成して受診終了日時を記録しましょう。一定の日までに健康診断を受けなかった従業員に対しては督促の文書を手交しその文書のコピーに受領印をもらっておきましょう。

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