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社員研修

社員研修の社内ニーズを把握する

Last Updated on 2025年8月11日 by

経営者と参加者それぞれのニーズ

まず研修の主催者である経営者のニーズを把握する必要があります。担当者の思い込みではいけません。

社長や幹部に直接取材して、社員に対しどのような知識や技術や態度を求めているかを具体的に把握する必要があります。

次に研修参加者のニーズですが、一般的には社員にとって研修というものは億劫なものです。まして自分にまったく関係のない事柄や、すでに承知している内容の研修では、反感が生まれることすらあります。

参加者に喜ばれるとまではいかなくても、少なくとも納得してもらえる研修にしなければなりません。

そのためには、どんなテーマだったら勉強したいと思っているか、誰の話だったら聞いてみたいと思っているか、どのような形式で実施すればよいか、などのニーズを把握する必要があります。

ニーズ調査は、参加者へのアンケートとは別に、適宜サンプリングをして、面談方式で実施しましょう。

アンケートのサンプル(課長研修)

課長クラスを対象とした社員の現状スキルと課題を洗い出すためのアンケート案です。貴社の状況に合わせて適宜修正してご活用ください。

社内研修ニーズ調査アンケート

このアンケートは、当社の社員研修方針および年間計画策定にあたり、課長である皆様の現状スキルと、今後の研修で強化すべき課題を把握することを目的としています。ご多忙のところ恐縮ですが、ご協力をお願いいたします。

ご回答いただいた内容は、個人の評価に影響することはなく、今後の研修計画の検討のみに利用させていただきます。

回答期限: 2025年〇月〇日(〇)

1. 基本情報

所属部署: [自由記述]

役職: 課長

課長としての経験年数: [選択式:1年未満 / 1年以上3年未満 / 3年以上5年未満 / 5年以上10年未満 / 10年以上]

2. 現在の業務におけるスキル認識

以下の項目について、ご自身の現在のスキルレベルを5段階で評価してください。

評価基準:

5: 非常に高い (他の模範となるレベルで、常に期待を上回る成果を出している)

4: 高い (業務遂行に十分なレベルで、期待される成果を出している)

3: 標準 (業務遂行に問題はないが、さらに向上できる点がある)

2: やや低い (業務遂行に一部課題があり、改善が必要)

1: 低い (業務遂行に大きな課題があり、早急な改善が必要)

スキル項目54321
A. マネジメントスキル
1. 目標設定・進捗管理能力
2. 部下育成・指導能力(コーチング、フィードバック含む)
3. チームビルディング・モチベーション管理能力
4. 業務の優先順位付け・効率化能力
5. リスクマネジメント・危機管理能力
B. リーダーシップスキル
6. ビジョン・目標を明確に示し、部下を牽引する力
7. 変化に対応し、新たな取り組みを推進する力
8. 多様な意見をまとめ、意思決定する力
9. 部下や他部署との信頼関係構築力
C. コミュニケーションスキル
10. 円滑な対人コミュニケーション能力(傾聴、質問、説明)
11. プレゼンテーション・交渉能力
12. 部下や他部署との報連相の質
D. 問題解決・思考スキル
13. 論理的思考力、課題発見・分析能力
14. 問題解決のための企画・立案能力
15. クリティカルシンキング(批判的思考力)
E. 専門スキル・知識
16. ご自身の専門分野における知識・スキル
17. IT・デジタルツール活用能力(DX推進含む)
18. コンプライアンス・情報セキュリティに関する知識

3. 今後の研修で強化したいスキル・知識

今後の研修で特に強化したい、または習得したいスキルや知識があれば、上記項目以外でも自由にご記入ください。(複数回答可)

[自由記述]

[自由記述]

[自由記述]

4. 業務上の課題と研修への期待

現在、課長として業務を遂行する上で、最も課題だと感じていることは何ですか?具体的にご記入ください。[自由記述]

上記の課題を解決するために、どのような研修が有効だとお考えですか?具体的な内容や形式(例:集合研修、eラーニング、外部セミナー、OJTなど)があればご記入ください。[自由記述]

その他、社員研修全体に対するご意見やご要望があればご記入ください。[自由記述]

ご協力ありがとうございました。

ニーズをふまえた研修計画

出された意見を整理して、研修計画作りの要点(5WIHによる要点)にあてはめて、ニーズを反映したものになっているか点検しましょう。

WHEN (いつ) 実施日の検討 – 仕事の閑忙を考慮
WHBRE (どこで) 会場の検討 – 研修に集中できるように
WHO (だれが) 講師の検討 – 内部か外部か
WHAT  (なにを) テーマの検討 – 何を学んでもらうか
WHY  (なぜ) 研修ニーズの検討 – 会社の目的に沿うか
HOW (どのようにして〉 教育方法の検討 – 退屈しない配慮

ニーズを聞いて聞きっぱなしであればそのうち意見がでてこなくなります。各層のニーズはどのようなものであったか、その結果をどのように反映させたかを整理して、協力してくれた方々にフィードバックしましょう。


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