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取締役と監査役

監査報告書の書き方

Last Updated on 2023年2月26日 by

監査報告書とは

取締役は、作成した計算書類とその附属明細書を監査役に提出して、監査を受けなければなりません。

監査期間は、原則として、監査役が計算書類をすべて受け取った日から4週間以内(または、附属明細書を受け取った日から1週間以内のいずれか遅い日)に監査報告の内容を取締役に通知しなければならないと定められています。

監査報告書とは、監査役(監査役会)が監査を実施し、その結果、財務諸表が会計基準に準拠しているか、取締役は法令違反をしていないかなどの評価を行い、「適正」「不適正」等の意見を表明する書類のことです。

会計監査人設置会社の場合

監査役は、会計監査人の監査の方法や会計監査人の職務遂行が適正に関する事項が中心になります。

会計監査人非設置会社の場合

会計監査人非設置会社の監査役は、計算関係書類(各事業年度に係る計算書類およびその附属明細書など)が会社の財産および損益の状況を全ての重要な点において適正に表示しているかどうかについての意見を監査報告に記載します。

なお、公開会社(譲渡にあたり会社の承認を有する株式を発行していない会社)でない場合で、かつ監査役会設置会社でない場合は、定款で監査役の監査の範囲を会計に関することを定めることができます。

監査報告書のサンプル

監査役会設置会社の監査報告書のサンプル

監査報告書

当監査役会は、令和〇年〇月〇日から令和〇年〇月〇日までの第〇〇期営業年度の取締役の職務の執行に関して各監査役から監査の方法及び結果の報告を受け、本監査報告書を作成し、以下のとおり報告いたします。

1.監査役の監査の方法の概要

各監査役は、監査役会が定めた監査の方針、業務の分担等に従い、取締役会その他重要な会議に出席するほか、取締役等からその職務の執行状況を聴取し、重要な決裁書類等を閲覧し、本社及び主要な事業所において業務及び財産の状況を調査し、必要に応じて子会社に対し営業の報告を求めました。

また、会計監査人から報告及び説明を受け、計算書類及び附属明細書につき検討を加えました。

取締役の競業取引、取締役と会社間の利益相反取引、会社が行った無償の利益供与、子会社又は株主との通例的でない取引並びに自己株式の取得及び処分等に関しては、上記の監査の方法のほか、必要に応じて取締役等に対し報告を求めました。

2.監査の結果

(1)会計監査人の監査の方法及び結果は相当であると認めます。
(2)営業報告書は、法令及び定款に従い、会社の状況を正しく示しているものと認めます。
(3)利益処分に関する議案は、会社財産の状況その他の事情に照らし指摘すべき事項は認められません。
(4)附属明細書は、記載すべき事項を正しく示しており、指摘すべき事項は認められません。
(5)取締役の職務遂行に関する不正の行為又は法令もしくは定款に違反する重大な事実は認められません。
(6)取締役の競業取引、取締役と会社間の利益相反取引、会社が行った無償の利益供与、子会社又は株主との通例的でない取引並びに自己株式の取得及び処分等についても取締役の義務違反は認められません。

3.監査役〇〇〇〇の意見

4.後発事象
特に記載すべき事項はありません。

令和〇年〇月〇日

〇〇〇〇株式会社 監査役会

監査役〇〇〇〇 印

監査役〇〇〇〇 印

監査役〇〇〇〇 印

監査役〇〇〇〇 印

監査役複数の会社の監査報告書のサンプル

監査報告書

私たち監査役は、令和〇年〇月〇日から令和〇年〇月〇日までの第〇期事業年度の取締役の職務の執行を監査いたしました。その方法及び結果につき以下のとおり報告いたします。

1.監査の方法及びその内容

各監査役は、取締役会その他の重要な会議に出席し、重要な決裁文書や報告書を閲覧し、当社の取締役等から、職務の執行状況等について定期的に報告を受け、また、随時説明を求めるとともに、支店に赴き実地調査を行いました。

当社子会社についても、取締役等から報告を受け、説明を求め、また、実地調査を行いました。 以上の方法に基づき、当該事業年度に係る事業報告及びその附属明細書について検討いたしました。

さらに、会計帳簿又はこれに関する資料の調査を行い、当該事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び個別注記表)及びその附属明細書について検討いたしました。

2.監査の結果

(1)事業報告等の監査結果

① 事業報告及びその附属明細書は、法令及び定款に従い、会社の状況を正しく示しているものと認めます。
② 取締役の職務の執行に関する不正の行為又は法令もしくは定款に違反する重大な事実は認められません。

(2)計算書類及びその附属明細書の監査結果

計算書類及びその附属明細書は、会社の財産及び損益の状況をすべての重要な点において適正に表示しているものと認めます。

3.追記情報

特記すべき事項はありません。

令和〇年〇月〇日

〇〇株式会社

監査役(常勤)〇〇〇〇印

監査役    〇〇〇〇印

監査役一人の会社の監査報告書のサンプル

監査報告書

監査役〇〇〇〇は、令和〇年〇月〇日から令和〇年〇月〇日までの第〇期事業年度に係る計算書類及びその附属明細書を監査いたしました。その方法及び結果につき以下のとおり報告いたします。

なお、定款第〇条に定めるところにより、当会社の監査役は監査の範囲が会計に関するものに限定されており、事業報告を監査する権限を有しておりません。

1.監査の方法及びその内容

監査役は、会計に関する重要な決裁書類等を閲覧し、取締役等から会計に関する職務の執行状況について定期的な報告を受け、また、随時説明を求めることにより、当該事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び個別注記表及びその附属明細書について検討いたしました。

2.監査の結果

計算書類及びその附属明細書は、会社の財産及び損益の状況をすべての重要な点において適正に表示しているものと認めます。

3.追記情報

特に記載すべき事項はありません。

令和〇年〇月〇日

〇〇株式会社

監査役〇〇〇〇印

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