Last Updated on 2025年8月11日 by 勝
OJT指導員向けのマニュアルのサンプルを示します。OJTの成功は、指導員の適切な関わり方にかかっています。新入社員の成長を促し、指導員自身の負担を軽減するためのポイントをまとめました。
OJT指導員用マニュアル(サンプル)
1. 信頼関係の構築を最優先にする
OJTは、単なる業務指導ではありません。新入社員が安心して質問や相談ができる心理的な安全性を築くことが最も重要です。
挨拶と声かけ: 毎日、元気な挨拶で迎え、積極的に話しかけましょう。
傾聴の姿勢: 新入社員の話に耳を傾け、意見や考えを受け止める姿勢を見せましょう。
業務外のコミュニケーション: 休憩時間やランチなどで、プライベートな話も交えながら、人柄を知る努力をしましょう。
2. スモールステップで「成功体験」を積ませる
最初から完璧を求めず、小さな目標を一つひとつクリアさせていくことが大切です。成功体験が、新入社員の自信とやる気を引き出します。
簡単なタスクから始める: 電話応対や簡単なデータ入力など、比較的負担の少ない業務から始めましょう。
具体的な指示: 「あれやっておいて」ではなく、「〇〇の資料を、来週の会議までに作成してください」のように、期日と目標を明確に伝えましょう。
できたことを具体的に褒める: 「すごいね」だけでなく、「〇〇の資料、とても見やすくて分かりやすいね」のように、具体的に褒めることで、何が評価されたのかが伝わりやすくなります。
3. 「教える」よりも「考えさせる」を意識する
一方的に知識を詰め込むのではなく、新入社員自身に考えさせることで、自律的な成長を促すことができます。
質問の投げかけ: 疑問に思っていることや、どうすればよいか困っていることに対して、「どうしたらいいと思う?」と問いかけ、一緒に答えを探しましょう。
フィードバックの工夫: 失敗した時には、「なぜそうなったと思う?」と問いかけ、原因を自分で考えさせましょう。その上で、解決策を一緒に考え、次にどう活かすかを話し合います。
OJT計画書を共有: OJTの目標やスケジュールを新入社員と共有し、「何を、いつまでに」学ぶべきかを認識してもらいましょう。
4. 報連相(報告・連絡・相談)の習慣化を促す
報連相は、業務を円滑に進める上で不可欠なスキルです。OJT期間中に、その重要性を伝え、習慣づけさせましょう。
タイミングを具体的に伝える: 「困ったことがあったら相談してね」だけでなく、「〇〇の業務で作業が止まったら、すぐに相談してね」のように具体的な状況を伝えましょう。
相談しやすい雰囲気づくり: 忙しい時でも、話しかけられたら手を止め、新入社員の方を向いて話を聞くようにしましょう。
報連相のフィードバック: 適切なタイミングで報連相ができた時には、「すぐに相談してくれてありがとう。助かったよ」と伝え、ポジティブなフィードバックをすることで、次も報連相をしようという意識を高めましょう。
これらのポイントを意識してOJTに取り組むことで、新入社員の成長を力強くサポートできるはずです。新入社員が自信を持って業務に取り組めるよう、温かく見守りながら指導していきましょう。
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