快適なオフィスを維持するための法規制を解説

Last Updated on 2025年9月15日 by

オフィス内の清掃、温度管理、換気といった衛生的な環境については、主に事務所衛生基準規則とビル管理法で規制されています。

事務所衛生基準規則

労働者の安全と健康を確保するため、労働安全衛生法に基づいて定められた厚生労働省令です。主にオフィスや事務所に適用されます。

当サイト内でも「事務所衛生基準規則」について詳しく解説していますが、この記事では、主要な部分を抜粋しました。

関連記事:事務所衛生基準規則について

主な規定内容

清掃

  • 日常的な清掃のほかに、6か月以内ごとに1回、定期的に大掃除を行うことが義務付けられています。
  • ねずみや昆虫などの発生状況や被害状況を、6か月以内ごとに1回、定期的に調査し、必要な措置を講じる必要があります。

温度・湿度管理

  • 室内の気温が10℃以下の場合は、暖房などによる適切な温度調節措置を講じる義務があります。
  • 空気調和設備を設けている場合、室内の気温が18℃以上28℃以下、相対湿度が40%以上70%以下になるよう努めなければならないとされています(努力義務)。
  • 冷房を使用する場合は、外気温より著しく低くならないように努める必要があります。

換気

  • 労働者一人あたり、10㎥以上の空間を確保する必要があります。
  • 窓などの開放可能な面積が、床面積の20分の1以上ないと、換気設備を設置する必要があります。
  • 室内の空気は、一酸化炭素が50ppm以下、炭酸ガス(二酸化炭素)が0.5%以下に保つよう定められています。

建築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管理法)

多くの人が利用する特定用途の建築物(興行場、百貨店、事務所など)の衛生的環境を確保するための法律です。延床面積が3,000㎡以上のオフィスビルなどが対象となります。

主な規定内容

空気環境

  • 二酸化炭素の含有率を100万分の1000(1000ppm)以下に保つこと。
  • 温度や湿度も「事務所衛生基準規則」と同様の基準(温度:18℃以上28℃以下、湿度:40%以上70%以下)が設けられています。

清掃

  • 定期的な清掃が義務付けられています。
  • ねずみや害虫の防除についても、6か月以内ごとに1回調査し、必要な措置を講じることが定められています。

水質

  • 供給される水が水道法の基準を満たしているか、定期的に検査することが義務付けられています。

作業環境測定を委託する

オフィスの作業環境測定を外部業者に委託する場合の探しかたと料金の目安は以下の通りです。

業者を探す方法

  • 専門団体を利用する: 一般社団法人日本環境測定分析協会や各地域の労働衛生協会などに加盟している業者を探すのがおすすめです。これらの団体には信頼性の高い業者が多く登録されています。
  • オンラインの企業情報サイト: Metoree(メトリー)のような企業情報サイトで「作業環境測定」と検索すると、サービスを提供している会社の一覧やランキングを閲覧できます。
  • 料金表を公開している業者を検索する: 「作業環境測定 料金表」などのキーワードで検索し、ウェブサイトで料金を公開している業者を比較検討する方法もあります。

料金の目安

作業環境測定の料金は、測定対象となる有害物質の種類(粉じん、特定化学物質、有機溶剤、騒音など)、測定点数、作業場の規模、業者の出張費などによって大きく変動します。

いくつかの業者の料金表を参考にすると、以下のような費用感が一般的です。

  • 基本的な測定(騒音、粉じん): 1単位作業場あたり33,000円〜55,000円が目安です。
  • 特定化学物質・有機溶剤: 測定方法によって異なりますが、1単位作業場あたり44,000円〜52,800円が目安です。
  • 事務所衛生基準規則に基づく測定(CO、CO₂、室温など): 1部屋あたり5,500円からといった比較的安価な設定が多いです。

注意点:

  • 上記の料金はあくまで目安であり、これに加えて、出張費や報告書作成費用などが別途かかる場合があります。
  • 正確な費用を知るためには、複数の業者から見積もりを取ることをお勧めします。
  • 作業環境測定には、法律で定められた資格(作業環境測定士)が必要です。依頼する業者が資格を持っているか、事前に確認することが重要です。

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