Last Updated on 2025年10月6日 by 勝
新入社員研修について、2日間の研修を想定し、準備・会場設定・盛り込むべき内容・カリキュラムの4点について具体的にアドバイスさせていただきます。
研修の準備と流れ
準備をスムーズに進めるための一般的な流れと、確認すべきポイントです。
ステップ | 詳細とポイント |
1. 目的の明確化 | 2日間で新人に「何を達成してほしいか」を定義します。 例:「社会人としての心構えと基本マナーを習得し、同期との連携の基盤を作る」 |
2. カリキュラム作成 | ステップ1の目的に基づき、盛り込む内容(後述)とタイムスケジュールを組みます。 |
3. 講師の決定 | 自社社員が担当する場合、内容に精通しているか、指導経験があるかを確認します。外部講師に委託する場合は早めに手配します。 |
4. 会場の手配 | 2. 会場設定のポイント(後述)に基づき、研修内容に適した広さや設備があるかを確認し、予約します。 |
5. 資料・備品の準備 | テキスト、名札、筆記用具、プロジェクター、ホワイトボード、名刺交換用の名刺サンプル(演習用)など、必要なものをリストアップし、漏れなく用意します。 |
6. 受講者への案内 | 開催日時、場所(アクセス)、大まかなカリキュラム、持ち物、服装などを明確に記載し、研修の数週間前には伝えます。 |
会場設定のポイント
新入社員が集中して研修に取り組め、リラックスもできる環境づくりが重要です。
会場の選定
- アクセスが良い場所を選ぶ: 新人が迷わず来られるよう、主要駅からのアクセスが良い会場が理想的です。
- 広さと清潔感: グループワークや演習を行うスペースを考慮し、ゆったりと使える広さがあるか確認します。清潔感も重要です。
- 必要な機材と備品: プロジェクター、スクリーン、ホワイトボード、音響設備などが完備され、レンタル可能か確認しておくと準備の手間が省けます。
環境の整備
- 机の配置: 講義形式だけでなく、グループワークができるよう、机を移動しやすい島型(グループ形式)の配置も検討できるようにしておきます。
- 休憩スペース: 休憩時間にリフレッシュできるよう、ロビーや休憩室などのリラックスできる場所があると良いでしょう。
- 飲食物: 飲み物(水、お茶など)を用意し、昼食は手配するか、会場付近に購入できる場所があるかを確認します。
盛り込むべき内容(テーマ)
2日間という限られた時間で、新人に「学生から社会人への意識の切り替え」と「ビジネスの基本」を確実に身につけてもらうための核となるテーマです。
マインドセット・心構え
- 学生と社会人の違い: 組織の一員としての役割、責任、プロ意識の重要性。
- 会社の理念・事業概要: 会社が目指すもの(ミッション・ビジョン)を理解し、自分の仕事がどう貢献するのかを認識してもらいます。
- 仕事への主体性: 「指示待ち」ではなく、「どうしたらできるか」を考える自責の考え方や、PDCAサイクル(仕事の進め方の基本)。
- コンプライアンス・情報セキュリティ: 社会人としてのモラル、情報管理の重要性。
基本的なビジネススキル
- ビジネスマナー: 挨拶、お辞儀、身だしなみ(重要度の高い順に絞る)、言葉遣い(敬語の基本)。
- コミュニケーション: 傾聴の姿勢、相手の意図を汲み取る力、報告・連絡・相談(報連相)の重要性と実践方法。
- 文書・連絡: ビジネスメールの基本、電話応対の基本(ロールプレイング形式で実践的に)。
- 名刺交換: 基本手順を理解し、ロールプレイングで習得します。
研修のカリキュラム例
上記の内容を、知識のインプットと実践的なアウトプットのバランスを考慮し、具体的なスケジュールに落とし込みます。
1日目:マインドセットと基本マナーのインプット
時間 | テーマ | 目的と形式 |
午前 | オリエンテーション | 研修の目的・自己紹介(アイスブレイク) |
社会人としての意識変革 | 会社と個人の役割、学生との違い、プロ意識の醸成(講義・グループディスカッション) | |
会社の基本 | 経営理念、事業内容、組織構造の紹介(講義・質疑応答) | |
昼食 | 同期と交流できる場にもなります。 | |
午後 | ビジネスマナー基礎 | 挨拶、表情、身だしなみ、態度、立ち居振る舞い(講義・演習) |
敬語の基本 | 尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分け(講義・ドリル形式の演習) | |
名刺交換・来客応対 | 基本手順、渡し方・受け取り方(デモンストレーション・ロールプレイング) | |
終了 | 1日のまとめ | 質疑応答、課題の提示など |
2日目:実践的なスキルと心構えの定着
時間 | テーマ | 目的と形式 |
午前 | 仕事の基本(報連相) | 報連相の目的、重要性、正しい手順。特に「報告」と「相談」に重点を置く(講義・事例検討) |
電話応対スキル | 基本的な受け方、取り次ぎ方、不在時の対応(講義・ロールプレイング) | |
ビジネス文書・メールの基本 | 構成、件名、署名、基本的な定型文(講義・演習) | |
昼食 | ||
午後 | 仕事の進め方とPDCA | 目標設定、優先順位の考え方、タスク管理、PDCAサイクル(講義・グループワーク) |
コンプライアンス・情報セキュリティ | 個人情報、SNS利用時の注意点、情報漏洩リスク(講義・ディスカッション) | |
まとめと決意表明 | 研修全体の振り返り、今後の目標設定、新入社員代表による決意表明(発表・フィードバック) | |
終了 | 修了式・フィードバック | 終了の挨拶、アンケート回収 |
このカリキュラムはあくまで一例です。御社の業種や新入社員に特に期待することに合わせて、テーマや時間配分を調整してください。