派遣受け入れのチェックリスト

採用

チェック項目

派遣労働者の受け入れには、通常の採用(直接雇用)とは異なる「労働者派遣法」という独自のルールが適用されます。各段階で特に重要となる実務上の注意点をまとめました。

派遣会社を選定して依頼する段階

ここでは、自社のニーズを明確にし、法令を遵守できるパートナーを選ぶことが重要です。

  • 許可証の確認: 厚生労働大臣の許可(「一般労働者派遣事業」など)を得ている正規の業者か確認します。
  • 業務内容の精査: 建設、港湾運送、警備、医療関係など、法律で派遣が禁止されている業務でないか確認します。
  • 抵触日の確認: 同一の事業所で派遣を受け入れられる期間には原則として制限(3年)があります。これを「期間制限」と呼びます。
  • 手数料と待遇の透明性: 派遣料金の相場だけでなく、派遣労働者の賃金水準や福利厚生の考え方が、自社の正社員と著しく乖離しないか(同一労働同一賃金)の配慮が必要です。

派遣社員の紹介を受ける段階

直接雇用とは異なり、派遣先(貴社)には「選別」の自由がないことに注意が必要です。

  • 事前面接の禁止: 派遣先が派遣社員を特定することを目的とした「事前面接」や「履歴書の送付要求」は法律で禁止されています。
  • 職場見学の実施: 代わりに「職場見学」という形で行われますが、あくまで本人への業務説明や質疑応答が目的であり、採否を決めるための試験などは行えません。
  • 適正な判断: 派遣会社が「この業務に最適だ」と選考して送ってきた労働者を受け入れるのが原則です。

派遣契約を締結する段階

契約書の内容は、後のトラブル防止のために細部まで詰めておく必要があります。

  • 個別契約書の締結: 派遣期間、就業場所、業務内容、就業時間、休憩時間、派遣料金などを明記した書面を交わします。
  • 指揮命令者の指定: 現場で誰が具体的な指示を出すのかを明確にします。
  • 苦情処理窓口の設定: 派遣社員から不満やトラブルの申し出があった際の、自社と派遣会社それぞれの担当者を決定します。
  • 安全衛生の責任: 事故が起きた際の責任所在や、教育訓練の実施主体を確認します。

就労を開始する段階

受け入れ態勢を整え、派遣社員がスムーズに馴染める環境を作ります。

  • 派遣先責任者の選任: 自社内に「派遣先責任者」を選任し、派遣元との連絡調整や苦情処理を担当させます(事業所ごとに選任が必要)。
  • 派遣先管理台帳の作成: 就業日数や時間などを記録する「管理台帳」を作成・備え付ける義務があります。
  • 周知・教育: 施設の利用方法(食堂・更衣室など)や、機密保持、安全衛生教育を初日に実施します。

就労中の段階

最も重要なのは、「契約外の仕事をさせない」ことと「適切な人間関係」です。

  • 契約外業務の禁止: 契約にない業務を依頼することはできません(例:事務で契約しているのに掃除や買い物、異なる部署の手伝いをさせる等)。
  • 二重派遣の禁止: 派遣されてきた人を、さらに別の会社(子会社など)へ手伝いに行かせることは厳禁です。
  • ハラスメント対策: 自社の社員と同様、またはそれ以上にハラスメント対策に留意します。
  • 待遇の均衡: 給湯室、休憩室、食堂などの福利厚生施設は、自社社員と同様に利用させる義務があります。