Last Updated on 2025年9月30日 by 勝
Web面接は、応募者にとって場所の制約がなくなり、企業にとっても効率的に選考を進められるメリットがあります。初めてのWeb面接で成功できるよう、準備と当日の注意点について具体的に説明します。
Web面接前の準備(採用担当者側)
Web面接をスムーズに、かつ公平に行うために、入念な準備が必要です。
環境・機材の整備
項目 | 具体的な準備 |
通信環境 | 有線LAN接続を推奨します。Wi-Fiを利用する場合は、ルーターの近くなど電波の安定した場所を選び、事前に接続テストを行いましょう。 |
場所の確保 | 雑音(電話、人の話し声、工事の音など)が入らない静かな個室(会議室など)を確保します。 |
カメラと照明 | カメラは目線の高さに調整し、顔が明るく見えるように照明を調整します(逆光にならないように注意)。自然光が足りない場合はデスクライトなどで補いましょう。 |
背景 | シンプルでプロフェッショナルな背景にします(白い壁や無地のロールスクリーンなど)。映り込むものがないか確認し、ツールのバーチャル背景を使う場合は、シンプルな自社のロゴなどが入ったものを用意しても良いでしょう。 |
ツールの準備 | 使用するWeb面接ツール(Zoom、Google Meetなど)のアカウント名が正式な氏名になっているか確認し、面接中に通知音が鳴らないよう、PCやスマートフォンの通知設定をオフにします。 |
トラブル対策 | 万が一の通信不良に備え、応募者へ事前に緊急連絡先(面接担当者の携帯電話など)を伝えておく、または面接開始時に確認しましょう。 |
応募者への連絡・情報共有
- 使用ツール:どのWeb会議ツールを使用するか、アクセス用のURLを明確に伝えます。
- 当日スケジュール:面接時間、面接官の名前と役職、面接の大まかな流れ(自己紹介→質疑応答→逆質問→終了)を伝えます。
- お願い事項:応募者にも通信環境の確認、静かな場所の確保、可能であればPCでの参加を推奨するなど、最低限の環境準備をお願いしておくと親切です。
実際の面接で注意すること
Web面接は対面と比べて表情や雰囲気が伝わりにくい特性があります。それを補うための工夫が必要です。
面接開始時(導入)
- 応募者より先に入室:時間になったらすぐ始められるよう、面接官は5分前には入室して待機しましょう。
- 接続状況の確認:開始直後に「こちらの声ははっきり聞こえていますか?」「映像は問題なく映っていますか?」と確認し、お互いにスムーズに会話ができる状態か確かめます。
- 進行ルールの共有:「面接中に通信が途切れた場合は、一度切ってから同じURLで入り直すか、緊急連絡先に電話します」など、トラブル時の対応ルールを最初に伝えておくと安心です。
- アイスブレイク:いきなり質問に入るのではなく、「今日はどちらから参加されていますか?」「Web面接は慣れていますか?」など、簡単な雑談を交えて応募者の緊張をほぐしましょう。
質疑応答中
- 視線はカメラへ:応募者の顔(画面)を見て話すのではなく、カメラのレンズを見て話すことを意識しましょう。応募者からは目が合っているように見え、コミュニケーションが取りやすくなります。
- リアクションを大きく:対面よりも表情や感情が伝わりにくいので、うなずきや笑顔、相づちは普段より少し大きめにすることを意識してください。応募者が話しやすい雰囲気を作ることが大切です。
- ゆっくり、はっきり話す:音声が途切れたり、不明瞭になったりする可能性を考慮し、いつもよりゆっくり、はっきりと話しましょう。
- PC操作を控える:メモを取る際は、キーボードのタイピング音がマイクで大きく拾われることがあります。できる限り手書きでメモを取り、PCの操作は面接中は避けましょう。
- 会話の「間」を意識する:Web面接では通信のラグ(遅延)があるため、応募者の発言が終わったと思ってすぐに話し始めると、会話がかぶってしまいやすいです。応募者が話し終えてから、少し間を空けて話し始めるよう意識しましょう。
質問例(対面と共通ですが、確認すべき点として)
Web面接だからといって、質問内容が大きく変わることはありませんが、Web面接の特性上、会話の論理的な構成力や簡潔に伝える力、雰囲気に流されない冷静さなども見やすくなります。
質問の目的 | 質問例 |
基本情報・志望度 | 自己紹介と職務経歴(学業)を簡潔にお願いします。/数ある企業の中で、特に当社を志望した理由は何ですか? |
経験・強み | 学生時代(前職)で最も困難だった課題は何ですか?それをどのように乗り越えましたか?/ご自身の強みと、それを当社でどのように活かせると思いますか? |
価値観・将来 | あなたが仕事を選ぶ上で最も重視する軸は何ですか?/5年後、どのような自分になっていたいか、キャリアプランを教えてください。 |
逆質問 | 当社について、何か知りたいことや、疑問点はありますか? |
クロージング | 本日の面接を踏まえて、何か最後に伝えておきたいことはありますか?/選考の進め方について、ご不明点はありませんか? |
Web面接の成功に向けたポイント
テストとリハーサル
- 面接官同士で実際に使用するツールや場所で模擬面接(リハーサル)を行いましょう。音声、映像、背景、全体の流れを最終確認できます。
- 応募者との面接前に、自社の担当者と接続テストを行う時間(1〜2分)を設けるのも有効です。
応募者への配慮
Web面接は応募者側も不慣れな場合や、自宅の環境で落ち着かない場合もあります。
- 対面以上に笑顔で、親しみやすい雰囲気を作ることを心がけましょう。
- 応募者が話している途中で通信が途切れたり、聞き取れないことがあっても、責めるような態度はとらず、「申し訳ありません、少々音声が途切れましたので、もう一度繰り返していただけますか」など、丁寧に対応しましょう。
これらの準備と注意点を踏まえていただければ、スムーズで効果的なWeb面接を実施できるはずです。