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労働契約

労働者派遣と請負の違い

Last Updated on 2021年7月28日 by

偽装請負は違法

派遣と請負は、派遣された労働者に対する指揮命令を誰がするのかという点に基本的な違いがあります。

従来は、製造業務についての労働者派遣が認めらなかったため、いわゆる構内請負として実質的な派遣が行われていました。

しかし、形式上だけ請負の契約を結んで、実質的には派遣と同じように、発注元の人間が請負業者の社員に指揮命令して使用するのは違法です。

派遣とは

派遣とは、「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることをいい、当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないものとする。」(派遣法2条1号)と定義が定められています。

つまり、派遣は、派遣労働者から見て、雇用主と使用者が別々なのです。

このような労務提供形態は、かつては労働者供給事業に該当するとして禁止されていましたが、労働者派遣法によって条件付で解禁されたのです。

請負とは

請負とは、注文主の注文に従って、請負事業者が自らの裁量と責任の下に、自己の雇用する労働者を使用して仕事を遂行するものです。

したがって、作業の現場が注文主の構内であっても、請負事業者の作業責任者がいて、作業員を直接監督し作業の具体的な指示する場合には問題ありませんが、注文主の社員が請負事業者の作業員に直接指示しているようだと、請負とみなされないのです。

形式的に請負契約が結ばれていても、請負事業者は労働者に指揮命令をせずに、注文先や委託先が実質的に指揮命令していると、請負とはみなされません。雇用主と指揮命令者が別々なので、形式的に請負契約を結んでいるだけで、無許可で労働者派遣を行っているものとみなされます。

請負については請負契約を、労働者派遣については厚生労働大臣の許可等を受けている適正な派遣元事業主と労働者派遣契約を締結しなければなりません。

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